ゲーム市場の統計データ発表。快進撃を続ける『Tik Tok』『U.S.A』『カメラを止めるな』【オールゲームニッポン】 | GameBusiness.jp

ゲーム市場の統計データ発表。快進撃を続ける『Tik Tok』『U.S.A』『カメラを止めるな』【オールゲームニッポン】

テレビゲームの世界は、新しいデバイスや技術の普及によって、その形は大きく進化している一方、楽しさを追い求める姿は変わりません。変わるものと、変わらないもの。過去と未来。そして我々が宿命的に背負う日本という存在。なかなか考える余裕のない現代ですが、少しだ…

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テレビゲームの世界は、新しいデバイスや技術の普及によって、その形は大きく進化している一方、楽しさを追い求める姿は変わりません。変わるものと、変わらないもの。過去と未来。そして我々が宿命的に背負う日本という存在。なかなか考える余裕のない現代ですが、少しだけ立ち止まって一緒に見つめてみませんか? 毎月1回、「安田善巳と平林久和のオールゲームニッポン」ゆるーくお届けします。

山崎記録的な暑さの7月です。今月もよろしくお願いします。

安田暑さに負けないでがんばりましょう。

平林さっそくですが、今日は2冊のレポートを持参しました。「JOGAオンラインゲーム市場調査レポート2018」と「2018 CESAゲーム白書」の2冊。今月に発行された統計データです。

山崎7月に昨年の統計がまとまってオンラインゲーム、スマホアプリ、コンソールゲームすべてのデータが出揃ったということですね。

平林はい。そうですね。

安田平林さんから見て、ポイントはどんなところですか?

平林なんと言っても喜ばしいのは、2017年コンソールゲームのハードウェア市場が前年比で伸びたことです。2012年以来、5年ぶりの対前年比増でした。2016年は1267億円だった販売市場が、2017年は1924億円になっています。近年では異例の約51パーセント増でした。


山崎そんなに伸びたんですか!

安田やはり、Nintendo Switchが貢献しているということですよね?

平林はい。その通りです。ハードウェア市場全体のうち約52パーセントがNintendo Switchの売上でした。ソフトウェア市場も近年は低下傾向にありましたが、2017年に下げ止まりました。ですがハードウェアほど伸びていない……というか、わずか3パーセント、微増にとどまりました。2016年は1879億円でしたが、2017年は1942億円になっています。

山崎確かにハードの伸びと比べたら、ソフトはわずか増えただけですね。Nintendo Switchは、ハードが売れてもソフトはあまり売れていない、ということなんでしょうか?

平林いや、この数字はソフトウェア市場全体の統計です。携帯ゲーム機のソフト市場が縮小していまして、その影響で全体市場の伸びが小幅になりました。

安田モバイルゲームの市場規模はますます大きくなっていますね。

平林コンソールゲーム市場とは単位が違います。2017年のモバイルゲームの市場規模は1兆3192億円でした。2016年が1兆1698億円でしたので、約12パーセントの伸びです。ちなみに、中国のモバイルゲームの市場規模は2兆1797億円、アメリカは1兆4145億円なので、日本市場は世界3位の規模です。


安田中国市場は2兆円を超えましたか。巨大市場ですね。

平林はい。韓国、台湾、香港の市場も大きく、アジアのモバイル市場はまだまだ高成長を続けています。それに対してヨーロッパは、主要国のイギリス、フランス、ドイツを合計しても6743億です。地域によってコンソールとモバイル、どちらが優位なのか、はっきりと違いがあらわれています。

山崎大きなモバイルゲーム市場ですが、やはりアイテム課金で儲けているということですよね。

平林はい。逆にパッケージソフトの売り切りではなく、アイテム課金だからこそ継続的に儲かっている、といえますね。「JOGAオンラインゲーム市場調査レポート2018」によると、ユーザーの課金率はいまだに低いです。最も課金する30歳代のユーザーでも28.4パーセントです。つまり、7割以上のユーザーが無課金で遊んでいるということになります。他の世代ではもっと無課金ユーザーが多い。ですが、少数派である30歳代の課金ユーザーが、一か月平均でどれくらい消費するかというと5651円だそうです。

(c)Getty

山崎少数のユーザーが高額な課金をして、多数の無課金ユーザーを支えている感じですね。

平林はい。消費傾向だけを見ると、マニアが支えている1兆3000億円規模の市場ともいえます。

山崎ゲーム市場の全体像がよくわかりました。ところで、またこの話題になりますがe-Sports。8月はインドネシア・ジャカルタでアジア大会が開幕して、いよいよe-Sportsが国際的なスポーツイベントに登場するわけですが、どうなるんでしょうか?

平林私が取材をしたのではなく、記事を読んだだけですが日本から派遣するe-Sportsの選手団の方たち、現時点では「JOC(日本オリンピック委員会)がe-Sportsをスポーツとして正式に認めていないので、開会式に参加できない」とも報じられています。直前に覆されるかもしれませんが、いかにも起こりそうなハレーション現象だと思いました。

(c)Getty

山崎確かにそんな報道がありましたね。

平林ともあれ、今回のアジア大会は今後のe-Sportsの流れを左右するイベントになるでしょう。メディアはアジア大会の中のe-Sportsをどのように報道するのか? また、その報道を見て一般の人たちはどんな反応を示すのか? 平昌冬季オリンピックのときのカーリングのように話題になるかもしれないし、まったく無視されるかもしれない。否定的な見解が出てくるかもしれません。超ダサイコメントですが、成り行きに注目しています。

安田e-Sportsから話は飛びますが……。一般大衆を巻き込んで、流行するとか、ブームが起きるとか。そんなパワーを感じるのは『Tik Tok』だったりするのですが、どうでしょう?

山崎確かに盛り上がっていますね。女子高生にインタビューをすると『Tik Tok』の話題がよく出てきます。ほぼ毎日、いろいろなメディアでニュースになっていますし。

過去のインタビューより

安田IT技術が大衆化して、短い動画制作を誰でも楽しめるようになりました。何かをつくり、誰かに見てもらう。こうした動きはもっと加速しそうな気がします。かつてプリクラ(『プリント倶楽部』)が女子高生の間でブームになりました。最近で言えばInstagramから「インスタ映え」という流行語が生まれました。『Tik Tok』からは、こうした現象と同じ匂いを感じます。

平林e-Sportsと比較するのはどうかと思いますが、一般大衆にとって『Tik Tok』はビジュアルとしてわかりやすいかもしれません。

山崎『Tik Tok』といえばウザいとよく言われますが、あのウザいところがいい、という評価もあるわけで。そんな複雑な心理に支えられているところも今っぽいですね。関係ないような関係あるような話をしますと、人気が再燃しているDA PUMPのニューシングル『U.S.A』ってありますよね。あのダサかっこいいという評価もとても今っぽいと思います。つい先日、小学校入学まえの子供たちが「カモン・ベイビー・アメリカ♪」とあの曲を歌っていました。この曲もなんだかすごいことになりそうです。

平林口パク動画の『Tik Tok』、DA PUMPの『U.S.A』。そっちの方向で、この夏すごいことになっているのはほかにもありますよ。映画『カメラを止めるな』です。

山崎これも話題になっていますね。

平林公開当初はたった2館で上映されていたにもかかわらず、観賞した人が大絶賛して口コミで大ヒット中です。自主映画の撮影をしていたら、そこに本物のゾンビが襲いかかる。カメラを止めないで撮影を続ける監督……というストーリー。映画製作のセミナー参加者のワークショップから生まれた作品で、製作費は300万円とも200万円とも言われています。良いアイデアがあれば、無名なスタッフでも低予算でも大成功できる。エンタテインメントをつくること人に勇気を与えてくれます。

カメラを止めるな!公式サイトより

安田評判だけは聞いていましたが、おもしろそうですね。

平林はい、私も最近になってやっと観られました。内容はこれ以上言わないほうがいいので言いませんが、絶対に後悔しません。それとエンディングのクレジットが出ても席を立たないでください!

山崎ゲーム市場、e-Sportsから飛んで『Tik Tok』『U.S.A』『カメラを止めるな』の話題になりましたが、最後にもうひとつ。宣伝ですいません。世界一“集中”できるエリアはドコだ?「OFF TOKYO DEEP Development」というイベントを8月24日に行います。

イベント概要、参加申込はこちらから

アイウエアブランドの「JINS」とタイアップして、視線や顔や首の角度をリアルタイムに測定。その場で人間の集中度をスマホで測定できるという仕組みを体験できます。ゲームクリエイターの直良有祐さんとスクウェア元社長、武市智行さんの対談もあります。詳しくはイベントの公式サイトをご覧ください。最後は強引にイードの宣伝で失礼しました! 安田さん、平林さん。今月もありがとうございました。暑い日が続きますが、お身体に気をつけて!
《平林久和@インサイド》

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