類似ゲームのサバイバル。そしてメガドライブ復活!【オールゲームニッポン】 | GameBusiness.jp

類似ゲームのサバイバル。そしてメガドライブ復活!【オールゲームニッポン】

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テレビゲームの世界は、新しいデバイスや技術の普及によって、その形は大きく進化している一方、楽しさを追い求める姿は変わりません。変わるものと、変わらないもの。過去と未来。そして我々が宿命的に背負う日本という存在。なかなか考える余裕のない現代ですが、少しだけ立ち止まって一緒に見つめてみませんか? 毎月1回、「安田善巳と平林久和のオールゲームニッポン」ゆるーくお届けします。

山崎
4月です。今月もオールゲームニッポン、よろしくお願いします。

安田
よろしくお願いします。GDCとE3の谷間のせいなのか、今月は大きなニュースが少なかった印象があります。

平林
私もそんな印象ですね。今月は大谷翔平選手の二刀流の話をしましょうか(笑)。

山崎
いやいや、ゲームメディアで大きなニュースになったのが、『荒野行動』を巡る訴訟の一件でした。『PUBG (PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS)』を運営するPUB社が、『荒野行動』を運営するNetEase社に対し、ゲームの類似を巡る訴訟したことが明らかになりました。まずはこのへんの話をお願いしたいです。

(C)Getty Images

安田
インサイドに掲載されていましたね。韓国の企業が中国の企業を訴えた。確か、アメリカの裁判所で訴訟を起こしたんですよね。

山崎
はい。多人数参加で生き残りを目指す、いわゆるバトルロイヤル系のゲームは世界規模では大きいので、海外のメディアもこの動向には注目しています。ところで、任天堂とコロプラ、グリーとスパーセルなどゲーム会社同士の訴訟が増えている気がするのですが、これは最近の傾向ととらえてもいいんでしょうか?

平林
うーん、難しい質問ですね。まず、パクリについて私なりに説明しますと……世の中に似ているゲームがあるとユーザーの間で「パクった」という噂が広まることがありますが、パクリを証明するのはとても難しいことなんです。

山崎
どうしてですか?

平林
ゲームのルールや遊び方というのは発明として認められていないからです。別の言い方をすると、ゲームアイデアは特許(*)が取れないんです。特許というのは法律(特許法)によって、「自然法則を利用したもの」であることが定められています。ゲームユーザーがどんなに価値を感じるアイデアであったとしても、そこに自然法則が入っていないと特許として認められません。

安田
特許関連の教科書を読むと、よく「ゲームのルールや数学の公式は発明にはならない」と書かれています。ゲームのつくり手としては、なんらかの発明をしたいという思いがありますが法律ではシビアな規定があります。

平林
というわけで、「これは素晴らしい、新しい!」と皆が認めるゲームアイデアがあったとしても、作品全体が発明として認められることはありません(*)。さて、そこに似たゲームが出てきた場合。作品全体が特許で保護されているわけではないので、著作権の侵害などを理由に戦うしかありません。「パクった」という全体の印象があったとしても「この画面が同一である」のように個別に似た画面を、それこそ何百何千点も列挙していくことになる。また逆の立場から「パクっていない」ことを証明するには、それら個別の画面には独自性があること、または特に権利を主張するに値しない一般的なものであることを反論していくことになります。
(*)参考:経産省HPより、「発明」が特許されるための主要要件 

安田
そうですね。たいていこの手の係争は法律家同士の水掛け論になります。

平林
私も過去に2回ほどゲーム性の類似に関する訴訟にかかわったことがあります。裁判所に意見書も提出しました。この手合の係争は、もう本当に泥仕合になりますね。しかしいっぽうで、ゲームアイデアに特許が認められないがゆえのメリットもあると思うんです。

山崎
メリットですか?

平林
たとえば、ドライブゲーム、麻雀ゲーム、リズムゲームなど。こうした定番化したゲームは各社が工夫を凝らしてきたから、ゲームは時代ごとに進化してきたとも言えるわけで。もっと古い時代に遡れば、はじめてビデオゲームが生まれた1950年代、60年代、ゲームという創作活動が発達するためには特許を取らないという不文律がありました。

山崎
確かに似たゲーム同士が潰しあったとしたら、特定のゲームジャンルやゲームシステムが一社独占だったとしたら、ゲームの進歩は停滞するでしょうね。

平林
はい。ということで、最初の山崎さんの質問に戻りますが、ゲーム会社間での「パクった」問題は昔から、私が知る限り80年代のアーケードゲーム全盛期の頃から存在しました。ですが、訴訟になるまえの段階で和解したり、自分から訴訟を起こすと逆に訴えられるリスクもあるため、穏便に処理したりすることが多かったですね。けれども日本以外の国はすべて訴訟社会とも言えるので、近年は係争が目立つようになったのかもしれません。


(C)Getty Images

山崎
なるほど、わかりました。

平林
これは個人的な感想ですが、ゲーム業界全体が不安なく伸びまくっている時代は係争が少ない。頂点から少し下がった頃、成長のペースが鈍化した時期になるとこうした係争は増えるのかな? とも思います。さらに景気が悪くなると、逆に無駄な争いを避ける傾向もあるような気がします。

山崎
訴訟問題の話が長くなってしまいましたが、他に気になったことはありませんか。

平林
『Nintendo Labo』が発売されました。特に取材もできていなくてインターネットの情報を見る限りですが、海外の反応がすこぶる良くて今後が楽しみです。


安田
日本人とはまったく別の反応。絶叫しながら楽しんでいる人たちの動画などが続々アップロードされていますね。

平林
はい。こうした一歩先の試みは、時として海外では無反応なことがあります。また『Nintendo Labo』は造形物を何かに見立てるという、とても日本的な遊びでもあります。なので、海外でウケるのか、正直不安でしたが杞憂に終わったようです。

安田
あと、メガドライブ復活のニュースもありましたね。

山崎
4月14日と15日に開催されたイベント「セガフェス2018」で「メガドライブミニ(仮称)」を発表しましたね。発売時期や価格などは未定ですが。

平林
安田さんはメガドライブのゲームというと、どんなゲームに思い入れがありますか?


安田
当時はいろいろなゲームを遊びましたね。パッと思いつくのは『ガンスターヒーローズ』でしょうか。

平林
懐かしい。トレジャー製作ですね。私はメガドライブのソフトでは『レッスルボール』が大好きでした。フットボールと格闘技をミックスしたスポーツを創作するという発想がすばらしい。今でも復刻してほしいですし、あんな発想のゲームがもっと増えてほしいと思います。

安田
『レッスルボール』はナムコの名作ですね。あと僕はRPGでは『シャイニング・フォース2』、シューティングゲームでは『サンダーフォース4』をメガドライブの傑作ソフトとして挙げたいですね。

山崎
そういえば、「セガフェス2018」では、名作ゲームを復刻する新生「SEGA AGES」(セガエイジス)も発表されました。Nintendo Switch向けに全15タイトル以上を夏からリリースするそうです。その発表タイトルの中に『サンダーフォース4』が含まれていますね。

安田
そうでしたね。今の時代に改めて『サンダーフォース4』を遊べるんですね。僕も開発しているうちにわかったことですが、Nintendo Switchは他の機種でつくったゲームを移植しやすいハードです。なので、Nintendo Switchは任天堂のメジャータイトルと一部の固定ファンがいるタイトルが良いバンスで増えていきそうですね。

山崎
今月はニュースが少ないと言いつつも、ゲームの類似問題について私自身整理できましたし、メガドライブ復活も楽しみになってきました。どうもありがとうございました。
《平林久和@インサイド》

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