ゲームと共に生き、働くとはどういうことか?「TOPANGA就活準備講座」聴講レポート 2ページ目 | GameBusiness.jp

ゲームと共に生き、働くとはどういうことか?「TOPANGA就活準備講座」聴講レポート

2月25日、東京・中野のRed Bull Gaming Sphere Tokyoにて、TOPANGAによる「TOPNAGA就活準備講座」が開催されました。「ゲームとともに働く」とはどういうことか? 活躍中のプロゲーマーによる生の声も聞けた、各講演の模様をお届けします。

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◆講演「ゲームの裏方「デバッグ」業界! ~4th PARTY PROJECT~」


登壇者はデジタルハーツ人材戦略部の鬼塚直輝氏。鬼塚氏は同社、ひいてはデバッグ業界を「開発者とは違う観点で、ゲームをしっかりチェック・検証する会社であり業界。ゲームの不具合はゲームメーカーに、そしてなにより、遊んでくれるみなさんに不利益をもたらすものですから」と解説します。


2001年に設立されたデジタルハーツは順調に業務を拡大し、今ではアメリカと中国にも拠点を確保。デバッグ作業のみならず、ローカライズや翻訳作業も手がけています。「ゲームのエンディングのクレジットに社名が出ることもあるかもしれませんが、基本的には裏方の業界で、周知されにくい側面もあります」。

講演では、社員用に制作されたものだという社内用の映像も公開。人材が何よりの力であると語る同社の代表取締役社長・玉塚元一氏の言葉には、デバッグという形でゲーム業界のサポーターたらんとする強い理念がうかがえました。


鬼塚氏は「ゲーム業界にはファーストパーティー、セカンドパーティー、サードパーティーという言葉がありますが、それになぞらえるなら僕らが業界を影から支える"フォースパーティー"でありたい。どの企業がクライアントで……というのは口にできないのですが、ゲーム業界のサポーターとして、デバッグというお仕事もあるのだと覚えてお帰りいただければ幸いです」と講演をまとめました。 

◆講演「ストリートファイター プロモーションプロデューサーが書いたエントリーシートをカプコン人事がガチ評価した結果!」


登壇者はカプコンの『ストリートファイター』シリーズプロモーションプロデューサー・綾野智章氏。「カプコンの社員募集に二度落ち、三度目で入社できた」と語る綾野氏が、今あらためて同社のエントリーシートを記入し、それを人事がひいき目なしに評価する……という異色かつ、実践的な講演となりました。それでは早速、綾野氏の記入と人事の評価にせまってみましょう。


■(学生時代の)課外活動、趣味・特技


人事の評価を受けての綾野氏のコメント:(趣味・特技欄に関しては)一理あるとは思いますが、そんな具体的な内容がこのスペースに入るのかと! そういう内容を望むなら、来年は記入スペースをもっと大きくしておくべきと人事に伝えておきます!

■自己PR


人事の評価を受けての綾野氏のコメント:なるほどと思いました。今、実際に面談でそう聞かれたら、これだと答えられる実例は少ないのではないかと思います。ちなみに、僕が通った高校では、当時芸術大学へ進学できたのは僕を入れて二人だけでした。

■応募理由


人事の評価を受けての綾野氏のコメント:iPhoneってつい最近出たかと思っていたんですが、確かにもう10年経ちますね……。一方、VR、AR、AIというようなゲームとの関わりが深い単語は、読む人事も理解している前提で、説明や前置きなしに言及してよさそうだなと思いました。今はe-Sportsもよい題材なのではないかと。

■入社したらどのような仕事をしたいか


人事の評価を受けての綾野氏のコメント:「CAD(キャド)」はPCで図面を引くだけでなく、そこから3Dモデルを起こしたりもするので、それがそのままゲーム開発に活かせるだろうと思って書いたのですが、この場合は、CADに関する説明や前置きがあった方がよかったみたいですね。プレゼンのくだりは食いつきがよいので、面接に呼んでもらえるのではないかなと!

綾野氏は最後に「カプコンのエントリーシートは毎年変わることもあり、この通りにやれば大丈夫というわけではありません。ですが、みなさんの就職活動のご参考になればと思います」とまとめました。

◆鼎談「ゲームと共に生きる、働く」


準備講座を締めくくるのは、それぞれ異なる立場でゲームに関わる生き方をする三名による鼎談。登壇者は、プロゲーマーのときど氏、プロゲーマーにして、スクウェア・エニックスの社員でもあるネモ氏、スクウェア・エニックスで3DS版『ドラゴンクエストXI』のプロデューサーを務めた横田賢人氏。ときど氏とネモ氏はプロゲーマー同士として交流があり、ときど氏と横田氏は中学・高校時代の同級生、ネモ氏と横田氏は同じ会社の同僚、という接点があります。

写真左から、ネモ氏、ときど氏、横田氏

■学生時代に持っていた将来のビジョンは?

ときど自分は「好きなようにゲームをしたいから、学業もやってきた」だけでしたので、就職を意識したのは、周りが動き始めてしばらく経ってからのことでした。

横田まるで他人事のようですね……(笑)。

ときど(笑)。もっと早めに動いておけば、驚かなくてすんだなとは思います。

ネモ僕は大学には行きましたが、心情は「単位が取れればいいや」という程度のもので。卒業が近づいてきて親から「卒業したらどうするの」と聞かれ、就職を意識しました。当時は漠然とゲーム業界に就職できたらおもしろいんじゃないかなと思い、実際に業界に入られた方たちに話を聞いてみたりもしたのですが「やめたほうがいい」と言うんですよ。

「忙しいから、ゲームが嫌いになっちゃうかもしれない。それに、もっと(大会とかで)活躍したいでしょ?」と。それで、大学の就職課に相談して、ゲーム業界とはかかわりのないSEとして内定をもらいました。

横田「好きなものを仕事にするのはいいことか、悪いことか」というのは、ゲーム業界にかぎらずある問題ですよね。

ときどたしかに、ゲームを趣味として続けるのもアリだと思います。でも、横田さんは作る方にいったと。

横田ゲームっておもしろいものじゃないですか。だから「作るのも絶対楽しいでしょ」と(笑)。でも実際に従事してみるとやっぱりそれだけではなく、陰の部分もある。どんな仕事でも、陽の部分と陰の部分は絶対あると実感しました。お二人は、お仕事がイヤになったりしたことは?

ネモ前の会社には10年勤めましたが、イヤになることはありませんでした。上司に恵まれて人脈ができましたし、趣味にまわす時間も取れましたしね。

ときど「これは勝てる」と確信をもって臨んだ大会で勝てなかったときは本当に辛かった。今なら過去の自分に説教できるけど、そのときは何をどう改善すればいいかもわからなくて……。そんなとき、先輩方の意見は本当に参考になりました。今振り返れば、ゲームへの取り組み方を改めるいい機会になりました。

■プロゲーマーを目指すという選択

ネモ僕が就職活動をした時期はまだプロゲーマーという制度すらありませんでしたので、当然目指すという選択肢もありませんでした。最近になってeスポーツとして話題にのぼるようになり、上司や親などに相談しやすくなりました。

横田近い人の理解は、得られたほうがいいですしね。

ときど僕は当時「プロゲーマーを目指すか、公務員になるか」の二択で、極端すぎて誰に相談しても「うーん……」という答えしか返ってこなかった(笑)。今は、メディアに出られる機会も増えてきましたね。

ネモ僕は、制度ができてもすぐにはプロゲーマーを目指さなかった理由は、やっぱり将来への不安です。ウデに自信があっても、同じ理由で踏み出せない人も多いのではと思います。でも、海外の大会に出場したときに見聞きしたことは、ゲーム業界で活かせるのではとも思っていて。そんなとき、プロゲーマーとの両立を許してくれたのがスクウェア・エニックスだったんです。

前職はゲームとは関わりのない業界ですので転職にリスクも感じましたが、自分のやりたいことはこちらだなと。プロゲーマーでありつつ、社員としてどういう仕事ができるだろうと模索する日々です。

ときど逆に、どうすればプロゲーマー一本でやっていけると思う?

ネモみんながプロゲーマーだけで食べていける世の中になればいいけど、現状はそうではないよね。だから、こういった(=自分のような)道もあるよというのを見せて、プロゲーマーへの道への手引きにできればなと。

横田ときどさんは、プロゲーマーだけでやっていくことへの不安は?

ときど先のことは考えられない性格なんですよ。「そんなのやってみなくちゃわからない、もしやってみてダメでも、なにか他の道がある」としか思わなくて。あれこれ悩む前に、踏み出してみるのも大事かとは思います。踏み出すことで、心が乗ってくるのもありますし。

横田僕も「思ったのにやらない」のは避けるべきだとは思います。やって失敗しても、それで得られるものもあります。

ネモ思い立ったら行動し、わからないことは相談して助けてもらう。これが大切ですよね。

最後にときど氏は「僕にとって、就職活動は「初めて自分の本音が聴く」よいきっかけになりました。このときになって初めて「将来はどうするの?」という問いを自分に突きつけることができた。ぜひみなさんも、自分と向かい合ってみてほしいです」と対談をまとめました。

◆ウメハラ氏らプロゲーマー3名がSPI性格検査にチャレンジ!


講座と講座の間には、プロゲーマーのウメハラ氏、ボンちゃん氏、マゴ氏がSPI性格検査にチャレンジする特別短編動画が公開されました。挑戦と確実、協調と自立という4つの要素の中で自分がどこに位置するかを自己分析し、その後、SPI性格検査で出た結果と比較するという企画でしたが、3名とも自己分析と検査結果がほぼ同じという結論に。動画の一部始終を来場者とともに見届けた金子氏は「自分が3人に抱いている印象ともズレがありません。信頼できる検査だと思います」と語りました。

写真左からボンちゃん氏、マゴ氏、ウメハラ氏

3名とも自己評価と検査結果がほぼ一致。「30年以上生きていれば、さすがに自分のことは分かるよね(笑)」とボンちゃん氏


(C) TOPANGA.All rights reseraved.
《蚩尤@インサイド》

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