カナダ発のパズルゲーム『Grumz』のデザイナーを直撃!アプリ時代の『パックマン』を目指すmomo氏の温故知新とは・・・中村彰憲「ゲームビジネス新潮流」第39回 2ページ目 | GameBusiness.jp

カナダ発のパズルゲーム『Grumz』のデザイナーを直撃!アプリ時代の『パックマン』を目指すmomo氏の温故知新とは・・・中村彰憲「ゲームビジネス新潮流」第39回

今回は、旧東欧圏を中心に9カ国のストラテジージャンルで1位を獲得したこともある注目のパズルゲーム『Grumz』のデザイナー、momo氏を直撃。同作開発の経緯やゲームデザイン、そして彼自身のゲームに対する想いなどを存分に語っていただきました。

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カナダ発のパズルゲーム『Grumz』のデザイナーを直撃!アプリ時代の『パックマン』を目指すmomo氏の温故知新とは・・・中村彰憲「ゲームビジネス新潮流」第39回
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ランナー系ならぬ、ストッパー系。止める、放す、のアクションを究極まで極める



――『Grumz』の特徴を教えてください。

momo:今回提案したゲーム・メカニクスで、新しいジャンル、無限ストッパー系が生まれたと思っているよ。これは、いわゆる無限ランナー系というジャンルの「対」だね。ある意味『パックマン』は無限ランナー系って言えると思う。プレイ操作の基礎は基本的にキャラクターの動く方向を変えることだからね。岩田徹氏があのゲームをデザインして数十年を経て、今度は止めるという行動を端緒としたミニマリズが追及されたんだ。そしてこのアクションはスマートフォンというモバイル向けだから出来るのさ。これは、縦型の中心線を加えることで出来るようになった。この発想をきっかけに、全てのメインビジュアルの焦点を中央へと向かわせることにした。
あと、開発では、プロトタイプから最終段階にうつる時、色調を抜本的に変えたんだ。これは、サウンドの仕様を現在の方向性に変えたからさ。それでいまのようなゲームに落ち着いたんだ。

――開発中に友達や外部からのフィードバックを得ましたか?どのようにゲームに反映させましたか?

こちらはゲームイベントでのテスティングの風景

momo: 開発段階では、自分たちが信頼をおける、ゲームのプレイ度合いもゲームセンスもちがうひとたちにプレイしてもらった。色調については、僕の弟の提案さ。チームもそれを受け入れて現在のものにしたのさ。あとは、より戦略的な要素を入れるべきという提案も受け入れたよ。そこで、ゲームに新たなオブジェを追加している。このオブジェは、画面に登場してもプレイヤーがスクリーンをタッチしない限り攻撃弾を発射しないんだ。これでプレイヤーがいつ画面をタップすべきか真剣に考えなくちゃいけなくなる。ゲームプレイに深みを与えたんだ。

――インディーゲームの開発者で影響を受けた人は?

momo: 子供のときは、イギリスのThe Bitmap Brothersの大ファンだったよ。Amigaのゲームコミュニティで大人気だったね。あと1989年にリリースされた、『Lost Patrol』は、小チームでつくられましたが、戦争をより批判的にとらえようとしたゲーム。これは、現代のインディーゲームにもつながるんじゃないかな。「インディー」というと、ビデオゲーム史の中での概念的な「インディー」や創業まもない開発者、またはグラフィック的に斬新な作品という意味でも使われるけど『Pac-Man256』以降のHipster Whaleなどもインディーと言えるかな?一般的な「インディー」という意味ではToby Foxの作品にはすごく驚かされたよ。コミュニティのレベルでは、 Rami Ismailかな。作品ばかりでなく他のみんなを助けたいという熱意には感動するよ。 Robin Hunicke のゲーム・ナラティヴの教育法が与えたインパクトは大きいと思う。Tom Happの『Axiom Verge 』も大好き。あとDan Adelman氏は インディーを助けてくれることで一定の評価があるかな。いつかこれらの人たちやもっとたくさんのインディーのひとたちに会いたいね。

――ゲームを開発する段階で他国展開について意識はしましたか?ゲームデザインにはどのように反映されていますか?

momo: 僕らの開発室は人種的多様性があるカナダのトロントにあるんだ。だから様々な背景を持つひとたちと関わることが普通なのさ。そんなこともあって、もともと出来るだけ多くのひとにアピールすることを前提にデザインされたのが『Grumz』なんだ。直感的っていうところだね。でもゲームはあえて難易度がすぐに高くなるように設定したんだ。チャレンジはフェアにしたいからね。でも前にも言ったとおりいろんなスキルレベルのひとにテストプレイはしてもらっているよ

カナダ最大級のゲームイベントで大賞を受賞。憧れのゲームデザイナーにも会え感無量に



―― MIGS15(※1)の BIG INDIE PITCH(※2)で大賞をとったとのことですがそのときの感想を教えてください。

受賞後の記念撮影

momo: BIG INDIE PITCHで大賞を取ったときは凄く興奮したよ。前日「もし僕らが賞を取れたらカナダの最小規模のスタジオが受賞をとったことになるね!」って冗談で言っていたんだけど、実際、プレゼンをしたときはまったく緊張しなかったよ。たぶん、『Grumz』を信じていたからかな。ゲームもしっかりアピールできたと思ったし。実際、反応もよかった。審査員も最初は、説明を聞いていたときはかなり冷静だったけど、ゲームをプレイしたすぐにわかってくれて、ゲームを分かってくれてみたいだったよ。すこし難しい質問も受けたけどね。

ただ、イベントで一番記憶にのこっているのは、Kevin Toms氏のリアクションさ。かれは、『Football Manager』をつくったひとで、このゲームはAmigaの『Kick Off2』っていう僕が大好きだったゲームがあるけど、そのインスピレーションになったゲームだよ。子供のときから彼にはすごいインスピレーションを受けてきた。自分のゲームをプレゼンした後にすぐにKevin氏と話したんだ。審査結果をすこし心配してるって伝えたんだけど、Kevinは賢明にも、「審査時の雰囲気で判断しちゃいけないよ」って言ってくれた。そして見事僕らは大賞を射止めたんだ!本当に信じられなかったよ!

――リリース後でのユーザーの反応はどうですか?

momo: 『Grumz』は僕らが商業的にリリースした初めての作品なんだ。だから発売日がどうなるかなんてまったく未知の領域だった。でもすぐに学んだつもりさ。現在、35%のDLが北米から来ている。あとアンドロイド向けについてはかなりの量がロシアからのダウンロードみたいさ。

何人かは難しそうにしてたけど、『Grumz』の止める、放すというメカニクスをマスターするとすごくうまくなったよ!

――移植は大変ですか?

momo: Unityで開発されているから移植作業は最低限で出来るんだ。僕らとしてやれるのはアップルのガイドラインを理解してそれに従うことかな。ただチーム自体が小さいからそれ自体がチャレンジになるね。僕らが成長すればいいはなしだけど。

――iOSでリリースされてからの反応はどうでしょう?

momo:アップルストアでリリースされてほどなくしてアップルから『Grumz』をフィーチャーに入れたいって言ってきたんだ。それによってグローバル規模での認知度が高くなっていったよ。フィーチャーされてから、『Grumz』は、多数の国々の「アーケード」または「ストラテジー」ジャンルでトップ10、あるいはトップ100に入るようになった。ゲーム大国のアメリカでは「アーケード部門」でトップ100位以内に、フランスでもおなじく「アーケード部門」で37位までランクインしたよ。ポーランドではついに「ストラテジー部門」で1位を獲得できた。今後もグローバルな成功を続けたいと思っているよ。

――『Grumz』のこれからの予定を教えてください。

momo: いまの段階で、世界はやっと『Grumz』の存在に気づきはじめたってところだね。今後もプレイヤーからの声をよく聞いて追加要素を加えていくよ。ミッション制とかね。僕らはソーシャルメディアのアカウントを持っているから是非、フォローしてもらいたいな。ツイッターでゲームについてつぶやいてくれた人には特典を準備したり。そしてこれからも、斬新で面白く、そしてクールなゲームを作っていくよ。

『Grumz』ゲームディレクター、momoさんのGAME LIFE !



――momoさんが初めてゲームをプレイしたときのことを教えてください。

momo:  僕は末っ子として育ったんだけど。幸い、ゲームをすることに対して肯定的な家だったので、ちいさいときからかなりゲームしたよ。Atari,コレコ:ビジョン、もちろん、任天堂のGame &Watchもね。MSXは驚きだったな。『イーアール・カンフー』をきっかけにMSXで販売されていたコナミのクラシックゲームはひととおりプレイしたよ。もうすこし成長してからはComodoreのAmiga500を買ってもらったんだ。これがいまの自分自身がゲームに対する情熱の基盤になっていると思う。それ以降は、あらゆるプラットフォームで展開されるゲームに喜びと好奇心をもって受け入れるようになったんだ。

――これまでプレイしたゲームの中で一番好きなタイトルをあげてください。

momo:全プラットフォーム、あらゆるジャンルをプレイしてきた僕にとってどれを選ぶというのはすごく大変なんだけど、まずはマリオ、ゼルダといった任天堂の古典、パックンをはじめとしたナムコの古典的ゲームは基礎になっていると思う。あとセガでいえば、Shinobi、ソニックシリーズ、Amigaだったら『Kickoff 2』、『Shadow of Beast』 アイレムの『R-Type』シリーズもすごく記憶に残っているよ。もちろん、『Street Fighter』シリーズのような格闘系もね。SNKの『King of Fighters』シリーズも大好きだったな。その他、『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』、、『Super Metroid』もいいね。 『Castle Wolfenstein』や『Final Fantasy Tactics』、『Chrono Trigger』、『Monkey Island』シリーズ、グラフィック的には『Ikaruga』シリーズも大好きさ。モバイル系では『Monument Valley』かな。

――いまプレイしているゲームを教えてください。

momo:『Undertale』も好きだし、最近は『Axion Verge』をクリアしたよ。また最近『Street Fighter3』や『Fallout4』もプレイしている。あと、『悪魔城ドラキュラX』もね。あと音楽では、山根ミチルによる『Turrican2』も聞いているよ。この過去と現在を対にするという考え方は僕のクリエイティブともつながることがあるんだ。あとチェスとかもプレイしている。とにかくあらゆるプラットフォームにある様々なジャンルのゲームをプレイしてインスピレーションにしたいと思っているんだ!

――ありがとうございました!

※1:MIGS15
Montreal International Game Summitの略称。カナダモントリールで開かれるカナダ最大規模のゲームイベント。大規模スタジオやインディースタジオまで大中小様々なゲーム関連企業が肩を並べてブースを構えられるのが特徴。展示会の他に開発者によるカンファレンスなども同時開かれる。

※2:BIG INDIE PITCH
Pocket Gamersが主催するインディースタジオが自分のゲームについてアピールしその面白さを審査するというイベント。同社は、様々なゲームイベントでこのイベントを開催している。



■Grumz:アップルストア
https://itunes.apple.com/us/app/grumz/id1055818894?mt=8

■Grumz:Android
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.picnicgamelabs.grumz&hl=en

■Picnic Game Labs
http://picnicgamelabs.com/

■BIG INDIE PITCH
http://www.pocketgamer.biz/tag/239/big-indie-pitch/
《中村彰憲》

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