【ありブラ vol.26】ゲーム視点からみた「ハイプ・サイクル」(後編) | GameBusiness.jp

【ありブラ vol.26】ゲーム視点からみた「ハイプ・サイクル」(後編)

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【ありブラ vol.26】ゲーム視点からみた「ハイプ・サイクル」(後編)
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GameBusiness.jp、インサイドをご覧のみなさま、こんにちは!

前回は、Gartner, Inc. の最新版「ハイプ・サイクル」上で、ハイプの絶頂期にある技術群についてとりあげました。

後編となる今回は「黎明期」と「幻滅期」「啓蒙活動期」にプロットされた技術について、注目してみたいと思います。

「ハイプ・サイクルって何なの?」という方は、ぜひ前編も併せてご覧下さい。

ご参考:【ありブラ vol.25】ゲーム視点からみた「ハイプ・サイクル」(前編)
http://www.gamebusiness.jp/article/2015/10/23/11543.html

それでは「ありがとう、ブラックボックス」略して「ありブラ」、今週もスタートです!ぜひリラックスしてお楽しみ頂ければと思います。

2015年版のハイプ・サイクル



まずは、8月27日に発表された、最新版(2015年版)のハイプ・サイクルをご覧下さい。

プレスリリース:
ガートナー、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2015年」を発表
企業が注視すべきコンピューティング・イノベーションが明確に
http://www.gartner.co.jp/press/html/pr20150827-01.html

ハイプ・サイクル図(画像への直接リンク)
http://www.gartner.co.jp/press/html/img/pr20150827-01_img02.gif
※GIF画像(41KB)

前回は、このハイプ・サイクルの中から、

・自律走行車
・モノのインターネット
・音声翻訳
・機械学習
・ウェアラブル
・暗号通貨
・スマートアドバイザ


といった、「“ハイプ”の絶頂期」にある技術群について、ゲーム業界的な視点でチェックしてみました。

そこで今回は、

【黎明期】
・スマート・ダスト
・識字テクノロジ
・生体音センサ
・量子コンピューティング
・ブレイン・コンピュータ・インタフェース
・ヒューマン・オーグメンテーション
・立体ホログラフィック・ディスプレイ
・スマート・ロボット
・アフェクティブ・コンピューティング
・コネクテッド・ホーム
・バイオチップ

【幻滅期】
・ハイブリッド・クラウド・コンピューティング
・拡張現実
・仮想世界

【啓蒙活動期】
・ジェスチャ・コントロール


これらの技術について、触れてみたいと思います。

「黎明期」にある技術群



まずは『黎明期』に分類された技術から。

ハイプ・サイクルの曲線に顕れているとおり、まさに「期待度が急上昇」しつつある技術がここにプロットされています。



【スマート・ダスト】は、ハイプ・サイクルに出てくる技術群のなかでも比較的古い技術のひとつと言えます(1990年代に提唱された)。それほど一般的な概念ではないので、聴き覚えのない方も多いかもしれません。

ハイプ・サイクル上の技術には、点の形状で「主流の採用までに要する年数」が表現されていますが、この【スマート・ダスト】は「10年以上」に分類されています。10年どころか、提唱からすでに20年以上も経過している技術です。

プロセッサ、メモリ、無線トランシーバ、電源、といったモジュールで構成された超小型デバイス(=ダスト、つまり、塵のようなもの)を想定しており、このダストを大量にバラ撒くのだそうです。

そうしてバラ撒かれた大量のセンサ群から収集したデータをもとに、環境観察や防災減災での利活用を行い、果ては軍事面での利用も視野に入れているらしいです。

ちょっとSF映画のような構想ですが、最近のコンピューティングデバイスの超小型化や無線通信技術の進歩、ビッグデータ解析プラットフォームの整備を背景に、具現化への道は着実に近づいているのかもしれません。

見方を変えれば、IoTの究極系とも。ナノマシンの世界まで進化してしまうと、ちょっと怖い世界が待っていそうですが…(汗)。

ゲームやエンタメの世界というよりは、社会的意義の大きい環境問題などにフィットする技術のような気がします。

サイズこそ「ダスト(塵)」とまではいきませんが、構成要素に注目すると、全世界にくまなく行き渡ろうとしているスマホは、ある意味でスマート・ダスト的な存在に近いのかも…!?

たとえば、スマホの位置情報を最大点に活用した「Ingress」というゲームで得られているであろう「人の動き」に関するビッグデータには、ゲームに留まらない大きな付加価値がありそうです。

▲塵のような超小型デバイスを大量に使用する「スマート・ダスト」という考え方(写真はイメージです)
photo by Josh Meek (CC BY 2.0 )




【識字テクノロジ】は、そのまま日本語の意味として捉えるならば「文字を認識する技術」となります。ちなみに、英語では「people-literate technology」となっています。

ガートナー社がどのような技術を想定して記載したのか、正確には筆者も分かりません。(素直に「文字認識技術」と考えても良いのですが、それなりに成熟した技術ですし、黎明期に分類するには少し違和感を抱いためです。)

文字認識という意味では、「脳を鍛える大人のDSトレーニング」のように、ペン入力を持つハードではすでにゲームの世界にも使われています。ペンでなくとも、スマホのようにタッチパネル式のデバイスであれば利用可能な技術ですが、事例の数は、なぜかあまり多くないですね。学習アプリやエデュテイメント系では、こうしたミドルウェアの採用ケースも広がっているようです。

少し拡大解釈して、「people-literate」を「生身の人間のように読み書きできること」と捉えてみると、確かにまだまだ未成熟の領域と言えます。

ボクのように、文字が下手な人間にとっても「有用な」識字技術が出てくるのはいつのことになるのでしょうか…。



【生体音センサ】も聞きなれない言葉だと思いますが、ズバリ、人間の(場合によっては人間に限らなくても良いのかもしれませんが)身体から発せられる音(非常に微弱なものも含む)をセンシングするための技術のことです。

代表的なものは、心(臓)音、肺音、脈音、呼吸音、などでしょう。

その性質上、まずは医療やヘルスケアを目的とした利活用が想定されますが、ゲームやエンタテインメントへの応用も比較的しやすい領域だと考えられます。

やや短絡的な発想ではありますが、例えば「プレイヤーの興奮度に応じたゲーム展開や演出の変化」や「プレイヤーのドキドキ度に応じて恐怖演出を加減するホラーゲーム」、「呼吸のリズムを検知してフィードバックするフィットネスやヨガのアプリケーション」などでしょうか。

歩数計(活動計)に連動したゲームはかなり昔から存在しますが、こうした【生体音センサ】を活用したものは、まだ、あまり見かけません。

センサデバイスそのもののコストやゲーム開発用のSDKの整備など、解決すべき課題も確かに多いのですが、コントローラというのはあくまでプレイヤーの「意識」で入力するものであるのに対し、【生体音センサ】による入力は「無意識(カラダの正直な反応)」によるものなので、これまでとは全く異なるユーザ体験をもたらしてくれる可能性が高いです。

▲生体音センサによってプレイヤーの無意識をゲームに反映?
photo by jfcherry (CC BY-SA 2.0)




【量子コンピューティング】は、かなり以前から話題のキーワードなので、ご存知の方も多いでしょう。

従来の「0と1」による2進法のビットではなく「量子ビット」を用いることで、現存するコンピュータと比べて桁違いの高速演算を実現する、というものです。

グーグル、IBM、マイクロソフトといった、IT界の名だたる大手有名企業が目下開発中なので、実用化や我々の日常のなかで活用される日も、実はそう遠くないかも。

スマートデバイスの急激な性能向上により、かつては「もしもしゲー」などと揶揄されたケータイゲームも、据置機との差が日に日に埋まりつつあります。圧倒的なブレイクスルーで、再び、ゲームの「衝撃的なほどの映像表現の進化」が訪れるとしたら、ひょっとすると量子コンピューティングが鍵になる!?

着々と進みつつある「クラウドゲーミング」の世界と融合すると、さらに凄いことになりそうです。

▲Google社の有する量子コンピュータ「D-Wave」
photo by Steve Jurvetson (CC BY 2.0)




【ブレイン・コンピュータ・インタフェース】は、すでにある程度、エンタテインメントの領域で利用されている技術です。

かぶりもののネコの耳を脳波で動かす「necomimi(ネコミミ)」や、スターウォーズの世界観のもとでピンポン球を脳波で宙に浮かせる「フォーストレーナー」、同じくピンポン球を脳波で自在に操ってゴールを目指す「マインドフレックス」など、玩具の世界で製品化が進みました。

今なにかと話題の「ドローン」のなかには、すでに脳波で操縦できるものも発売されているというから驚きです。

現時点の技術では、「集中の度合い」や「リラックスの度合い」を測る用途がメインなので、今後、「思った通りに何かを制御」したり「ユーザの頭のなかの具体的な意志を汲み取る」といった方向に進化が期待されます。

…でも、あまり発達してしまうと怖い技術の1つでもあります(汗)。

ご参考:気持ちを伝える「ネコミミ型コミュニケーションツール」
http://jp.necomimi.com/about.html

ご参考:Star Wars Science - Force Trainer
http://amzn.com/B001UZHASY

ご参考:マインドフレックス
http://www.amazon.co.jp/dp/B003CE6FJ6


▲筆者も体験したことのある「necomimi」、非売品だそうですが、なんと尻尾バージョンもあるそうです




【ヒューマン・オーグメンテーション】は、直訳すると、「人間拡張」。AR(オーグメンテッド・リアリティ)に比べると、まだあまり世の中に認知されている概念とは言えないかもしれません。

この言葉に限らず、ハイプ・サイクルにはしばしば「ある技術を別の視点からとらえた場合の技術概念」が登場します。

このヒューマン・オーグメンテーション、人間の知覚や能力を拡張するという点では、「ウェアラブルデバイス」や「埋め込みデバイス」、「ナノマシン」などを用いて具現化されるものだと思います。

つまり、最近の事例を探すと、アップルウォッチやグーグルグラスは、この人間拡張に該当するデバイスだと言えます。



【立体ホログラフィック・ディスプレイ】は、もう説明するまでもないかと思います(笑)。

「スターウォーズ」に出てくる「レイア姫」のアレです(と書きつつ、最近の若い方は分からないかも?と心配になりましたが、最新作も来月公開なのできっと旧作も観て頂けると思うので!)。今年なにかと話題になった「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」に出てきた「ジョーズ19」の街頭ディスプレイも立体ホログラフィックでしたね。

こうした映画に出てくるような立体ホログラムはまだ実現されていませんが、今後の具現化の可能性を予感させる技術はいろいろと登場してきています。

CEATEC出展のたびにできる体験待ちの行列が印象的な、アスカネットさんの「エアリアルイメージングサービス」。
http://www.asukanet.co.jp/main/contents/ai.html

そして、落合陽一氏による「Tangible Holographic Plasma」。とにかく動画を見ていただくのが一番分かりやすいと思います。


▲触れることができて、触れると反応があるホログラム!


さらに、プラスチック製のCDケースと手持ちのスマホで立体ホログラムを実現してしまう強者も登場(笑)!詳しくはリンク先をどうぞ。
http://wired.jp/2015/08/11/smartphone-holographic-display/

ゲーム業界的には、やはりなんといってもマイクロソフト社の「HoloLens」ですね。はやく体験してみたいです。ゲームだけではなく、医療やIoTなど、幅広いユースケースを想定して開発が進んでいるそうです。





【スマート・ロボット】は、いろいろな定義の仕方があるようですが、「スタンドアロン動作ではなくインターネットに接続されクラウドと連動して動作するロボット」という感じで理解すれば良いと思います。

すぐに思い浮かぶのは「ペッパー」ですね。ボクの知り合いにも購入者がけっこういます。ロボットがクラウドコンピューティングで進化する、という構想は非常に未来的です。

ちなみに、我が家には、今は動かなくなってしまった「aibo」が大切に飾られています。aiboにプログラミングを行うソフトも個人的に購入したりして当時いろいろと遊びました。だからというわけではありませんが、クラウドやIoTといった技術面の準備が整った今だからこそ、こうしたエンタテインメントとしてのロボットの再定義も、もっと盛り上がっても良いのでは?と個人的には思います。

ゲームとロボットの関係といえば、やっぱりファミコン時代の「ジャイロセット」が印象に残っています。当時、すごく欲しくて親にねだったのですが買ってもらえなくて、今でもそれを根に持っています(笑)。


▲国外では「R.O.B.(Robotic Operating Buddy)」という名称で発売されたそうです
photo by Order of Týr (CC BY 2.0)




【アフェクティブ・コンピューティング】は、人間の感情や情緒に関係するコンピューティング技術のこと。人間の感情を捉えて、蓄積・処理・解釈などを行います。

分かりやすく言うと、コンピュータが人間の「喜怒哀楽」などの感情を捉え、理解し、それに基いてアウトプットを出したり、何らかの行動を促してくれるというものです。

【生体音センサ】と類似点のある技術とも言えますが、人間の「感情」に特化している点が特徴です。ゲームやエンタテインメントへの応用可能性も高そうです。

それこそ、擬人化の象徴でもある「ロボット」に応用すると良いのではないでしょうか。



【コネクテッド・ホーム】は、この「ありブラ」でも何度かとりあげたことがあるので、すでにご存知の方も多いかと思います。スマートハウスと表現されることもあります。

ご参考:体験者に聞く、勃興の兆しの米国の最新コネクテッドホーム事情【ありブラ vol.12】
http://www.gamebusiness.jp/article/2015/07/03/11094.html

Apple の HomeKit、Google の Nestなど、コネクテッド・ホームの中心的存在を狙った競争がすでに熾烈化してきていますが、日本にいると、いまいちピンと来ないのも事実。

現時点では、防犯や監視などのセキュリティ、スマートグリッド、空調など「実用的」な目的が主流の【コネクテッド・ホーム】。

今後は、そこに住む人がよりリラックスしたり笑顔になれるような、いわば、精神的な居住快適性を実現するための技術としての進化があっても良いのでは、と。あるいは、来客時に、よりゲストに楽しんでもらえるホスピタリティを実現するようなスマートハウスという発想も(どこかのIT長者の自宅みたいですがw)。



【バイオチップ】は、特定の分子や化合物を検出するためデバイスのことです。タンパク質などの生体物質を使って構成されています。

遺伝子検査サービスで使われているDNAチップも、この「バイオチップ」の一種です。

医薬品だけでなく、健康・美容・環境分野においてもニーズが高まっているとのこと。

個人情報保護の観点から、得られた情報は厳密に管理されることが前提になりますが、既出の生体音センサやアフェクティブ・コンピューティング、BCI(ブレインコンピュータインタフェース)等と組み合わせて活用することで、「各ユーザに最適化されたコンテンツ」や「(真の意味で)あなただけにカスタマイズされたコンテンツ」を実現するための重要な技術になるかもしれません。

…かなり未来の話かもしれませんが。

「幻滅期」にある技術群



『幻滅期』という言葉はずいぶん強い印象を与えますが、黎明期や過度な期待のピークを経て、「啓蒙活動期」や「生産性の安定期」に向かおうとしている過程のタイミングとも言えます。

つまり、ある程度の試行錯誤が終了し、ベスト・プラクティスも生まれ、よりフィットする製品やサービス、市場にその技術が使われ始めている時期でもあります。



【ハイブリッド・クラウド・コンピューティング】は、パブリッククラウドとプライベート(クラウド)を組み合わせたものです。

一見、システム構成が複雑化するように見えますが、自社の製品やサービスの内容に応じて、期待するセキュリティ水準やパフォーマンスを実現しつつ、コストを抑えることができるという大きなメリットがあります。

業界や企業の大小を問わず導入が加速しているハイブリッド・クラウドですが、ソーシャルゲームを展開する、いわゆるSAP(ソーシャル・アプリケーション・プロバイダー)系企業も積極的に導入を検討していると聞いています。

ゲームではありませんが、つい先日も、オンラインのダーツ筐体やサービスを手掛けるダーツライブ社がハイブリッド・クラウドの導入について発表されています。

ご参考:ハイブリッドクラウドインフラ導入でオンラインゲーム配信システム強化--ダーツライブ(ZDNet Japan / 2015年11月5日)
http://japan.zdnet.com/article/35072965/



【拡張現実】は、もう改めて説明するまでもないでしょう。「AR」のことです。

ゲームにおいては、やはり、ニンテンドー3DSの「ARゲームズ」が記憶に新しいところです。
http://www.nintendo.co.jp/3ds/hardware/ar/

また、前回のエントリでもご紹介しましたが、任天堂が「Ingress」のNiantic社と共同開発した『Pokemon Go』も、この【拡張現実(AR)】の事例として捉えることができます。(ちなみに、前回は、IoTの一例としてご紹介しました。)

カメラのライブ映像にリアルタイムで画像を追加したり加工したりするパターンのARは、フレームレートや追従性など、処理負荷の点で課題が多いせいか、本格的なゲームというよりもカジュアルゲームやエデュテイメント、メディアアート系での利用が多い印象です。

ただ、さまざまな処理性能の向上により、こうしたストレスも緩和されユーザ体験が向上することで、活用範囲はさらに拡がっていくことが見込まれます。

幻滅期の名の通り、確かに「AR」と聞くと少し食傷気味で、あまり目新しさは感じなくなりましたが(むしろ、もっと古臭いはずの「VR」が盛り上がっていますねw)、これからが正念場と言えるかもしれません。



【仮想世界】は、こうして日本語で聞くと、セカンドライフやHomeなど、メタバースのことを指しているように感じます。

ですが、英語版をチェックしてみると「Virtual Reality」となっています。つまり、皆さんもおなじみの「VR」=仮想現実、のことです。

VRといえば、Oculus Rift や、Gear VR、PlayStation VR、Google CardBoard、ハコスコなど、まさにブレイク前夜という様相で、盛り上がりつつあります。

その点で、ハイプ・サイクル上の「啓蒙活動期」や「安定期」を目指し、他の技術から一歩抜きん出て、爆走中という感じだと思います。

「啓蒙活動期」にある技術群



そして最後が、『啓蒙活動期』。



【ジェスチャ・コントロール】といえば、やっぱり「Wiiリモコン」ですよね!

ゲーム業界に非常に大きなイノベーションをもたらした、まさに革命的な発明でした。Wiiの発売日が2006年ですから、啓蒙活動期にある、というのも頷けます。

ゲーム業界は、他のどの業界よりもはやく、この【ジェスチャ・コントロール】に取り組んできたと言えます。PlayStation Move や Kinnect など、すべてのプラットフォーマーがジェスチャー・コントロール可能な遊びの仕組みを提供しています。

先日、日本でも発売されたばかりの「新型AppleTV」は、リモコン(Siri Remote)に加速度センサーとジャイロスコープが内蔵され、ジェスチャーによる入力に対応しました。同時に、AppleTV専用ではありますがAppStoreに対応したことにより、リビングでジェスチャー入力によるゲームを楽しむことができるプラットフォームになっています。

ちなみに、皆さんもお持ちのスマホはさまざまなセンサの塊ですので、いつでもジェスチャ入力が可能なポテンシャルを秘めています。傾きでハンドル操作を行うレースゲームは、スマホ誕生の初期の頃から話題になりました。ただ、激しいジェスチャを要求すると、肝心の画面が見えなくなってしまうのが悩みどころです(笑)。



というわけで、前後編の2回に分けてお届けしてまいりました「ゲーム視点からみたハイプ・サイクル」、いかがでしたでしょうか?

前編でも書きましたが、一般的には「“ハイプ”の絶頂期」にプロットされている技術群が、ゲーム業界という視点でみると、それほど「ハイプ」や「幻滅期直前」には思えないということにお気付き頂けたかと思います。また、今回ご紹介した「ジェスチャー・コントロール」のように、ゲームの世界が率先して活用してきた技術が「幻滅期」を経て「啓蒙活動期」に分類されているというのも、感慨深いものがあります。

ハイプ・サイクルをじっと眺めていると、ゲーム業界が、産業界全般における「イノベータ」としての役割を果たしている、と言っても過言ではない気がしてくるのでした。

皆さんは、どうお感じになりましたか?

なお、10月27日に「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2015年」が発表になっていますので、ご興味のある方はぜひこちらもご参考ください。

ご参考:ガートナー、「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2015年」を発表
http://www.gartner.co.jp/press/html/pr20151027-01.html


…さて、今週の「ありブラ」はここまで。
それでは、また次回の更新でお会いしましょう!

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幅朝徳(はば とものり)

株式会社CRI・ミドルウェア 商品戦略室 室長、CRIWAREエヴァンジェリスト。学習院大学卒業後、CRIの前身である株式会社CSK総合研究所に入社。ゲームプランニングやマーケティング業務を経て、現CRIのミドルウェア事業立ち上げに創業期から参画。セガサターンやドリームキャストをきっかけに産声を上げたミドルウェア技術を、任天堂・ソニー・マイクロソフトが展開するすべての家庭用ゲーム機に展開。その後、モバイル事業の責任者として初代iPhone発売当時からミドルウェアのスマートフォン対応を積極推進。ゲーム企業とのコラボでミドルウェアの特性を活かしたアプリのプロデュース等も行う。近年は、ゲームで培った技術やノウハウの異業種展開として、メガファーマと呼ばれる大手製薬会社のMR(医療情報担当者)向けのiPadを使ったSFAシステムを開発、製薬業界シェアNo.1を獲得しゲーミフィケーションやゲームニクスの事業化を手掛ける。ますます本格化するスマホゲームのリッチ化を支援するためにモバイルゲーム開発者におけるミドルウェア技術の認知向上のためエヴァンジェリストとしての活動に注力中。最近は、ウェアラブルやIoTといった領域での新規の事業開拓や未来のサービス開発を担当、業界の枠組みを超えた協業、世の中にとって全く新しい付加価値の実現のために日々奮闘中。

趣味は、クロースアップマジックと陶芸、映画鑑賞とドライブ、鳥類/フクロモモンガ/爬虫類の飼育、そしてもちろん、ゲーム。デジタルガジェット大好きなギーク。

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《幅朝徳》

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