『Call of Duty』におけるビッグデータ解析術―日本人プレイヤーの声も収集 | GameBusiness.jp

『Call of Duty』におけるビッグデータ解析術―日本人プレイヤーの声も収集

8月29日、米シアトルで開催されていたPAX Prime 2015にて、アクティビジョン所属の研究者らによるパネルイベント「Big Data in Call of Duty」が行われました。

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8月29日、米シアトルで開催されていたPAX Prime 2015にて、アクティビジョン所属の研究者らによるパネルイベント「Big Data in Call of Duty」が行われました。

このパネルイベントでは、アクティビジョンのデータサイエンス主任Justin Shacklette博士、シニアデータサイエンティストSpencer Stirling博士が、『Call of Duty』ユーザーのデータをどのように収集し、ゲームに活かしているかを解説しました。

アクティビジョンは、『Call of Duty』フランチャイズに役立てるデータを収集するために、『Black Ops 2』ローンチの際にデータ解析を行う「Game Science」のチームを発足。現在は25人ほどのメンバーがいるそうです。

物理学者とソフトウェア開発者らにより、現在プレイされている数多くのマッチプレイの満足度調査、ゲームバランスに役立てるための詳細データの収集、プレイヤーの傾向など、さまざまなデータを分析。数学的なアルゴリズムを用いて、プレイヤーがより楽しくプレイするためにはどのように小さな変更を加える必要があるかを調査し、即座に反映させていくという作業を行っているのだそうです。



マルチプレイにおいて、フレンドと談合してリーダーボードの評価を良く見せるために自身やフレンドを意図的にキルさせるけるブースト行為(談合)ですが、他のプレイヤーへの迷惑行為になることから、止めるために様々な対策を行っていると説明。その1つとして「Game Science」のデータが活用されており、ブースト行為を行ったプレイヤーの実例を1つ1つコンピューターに学習(機械学習)させ、ブースト行為を行っているかどうかの判別を自動でできるようにしているとのこと。この方が、「if分(もしXならば、Yせよ、さもなくばZせよ)」プログラムを用いたものよりも効率的なのだそうです。その機械学習により、ブースト行為が行われた時間、場所、キルされたエリアがコンピューターにより識別され、違反プレイヤーを特定できるようになっていると語られました。



プレイヤーの反応や意見をどのように収集しているかについては、Twitterをはじめとしたソーシャルメディアをモニタリングして収集しているのだと語られました。モニタリングには、データ収集専用のツールを用いて英語圏のSNSを重点的に行っていますが、日本のプレイヤーの反応も同様に収集しているのだそうです。プレイヤーのSNSの投稿から、『Call of Duty』に関する意見がポジティブかネガティブかの解析を行い、ゲーム中に問題があるという投稿であれば即座に対応できるようにしているとのこと。このツールは30秒置きにモニタリングを行うそうで、どの国のどの都市からの投稿かも判別し、予測しない不具合が発生しても早急に対処ができるのだそうです。

世界中で非常に多くのユーザーにプレイされている『Call of Duty』シリーズ。今回のパネルイベントでは、チートや不具合対策などのカスタマーケアに多くの投資を行っていることが明らかになりました。プレイヤーが快適に遊べている裏では、データ収集チームによる地道な作業があったことに驚かされますが、彼らの活躍により、『Call of Duty』シリーズは今以上に良いものへとなっていくのかもしれません。
《Daisuke Sato》

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