記野直子の最新北米ゲーム市場分析・・・2014年2月号 | GameBusiness.jp

記野直子の最新北米ゲーム市場分析・・・2014年2月号

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こんにちは。Game Developers Conference(GDC) 2014 のためにサンフランシスコに来ています。極寒の東京を耐えた身体には気温20度を越えるカリフォルニアの天気がちょっと拍子抜けな感じです。17日(月)からサンフランシスコ市Mosconeセンターで開催されるGDC 2014に関しても別途レポートしようと考えていますのでよろしくお願いします。

週末に2014年2月度の北米市場売上データが発表されましたがサンフランシスコに向かうところで一報が入ったので飛行機に乗ってしまいました。今回はサンフランシスコから原稿を送っています。ちょっと遅れてしまいましたね、すみません。

では早速2014年2月度の北米市場を見ていきましょう!

■市場全体動向

2月度はハードウェアの売上金額が前年比42%増! ソフトの売上の落ち込み(9%ダウン)をカバーして前年比9%増の市場規模とのことです。年末商戦が終わり、その余韻も消えてしまうはずの2月。いつもなら静かな市場のはずが、この2月は様相が違ったようで年末の新ハードの発売が市場をホットなまま維持してくれているようです。

■ハードウェア動向

NPDは売上台数を発表しなくなった代わりに「2月のXbox OneはPS4の90%を売り上げた」という感じのコメントを出すので、マイクロソフトが「2月に258,000台のXbox Oneを売ったよ」とアナウンスすると、ゲームメディアは「じゃあPS4は287,000台だ」と報道します。最初から正確な情報を出してくれりゃいいのに。アメリカのメディアの皆様ご苦労様です!

台数で言うとPS4が上回っているものの、本体価格が100ドル高いことを考えると売上総額ではXbox Oneが大きいと言えます。いずれにしても3月のエクスクルーシブタイトル(後述します)の結果がこの2つのハードウェアの第1ステージを見るカギになるでしょうね。

また、Wii Uと3DSの新発売のソフトが好調とのこと。Wii U本体の売上台数は、『Donkey Kong Country: Tropical Freeze』がSKUとしては第4位のソフトになるなどして前年比25%増とされているけれど、旧世代ハードになってしまったXbox 360の売上台数よりも少ないんですよ……。

ちなみに、SKUとは前回「ハード別の個別順位」と言う話をしましたが、ハード別のソフトウェアの単位のこと。マルチプラットフォームのタイトルでPS3、PS4、Xbox 360、Xbox One、Wii U に展開されている場合は「5つのSKU」ということになりますね。

3月頭に世界累計実売600万台を達成したと発表されたPS4。北米では人気のあるXbox Oneと比べても欧州と日本のソニー支持は根強く(日本ではXbox Oneは発売すらされていないし)世界でのインストールベースを見ると200万台ほどの差をつけています。実は1年前に発売されているWii Uを若干ではありますが上回ってしまったようです。

■ソフトウェア動向

相変わらず強い『Call of Duty: Ghosts』や『Grand Theft Auto V』など年末のビッグタイトルはおいといて、ようやく新発売のタイトルがランクインしましたね。 

1. Call of Duty: Ghosts (PC/PS3/PS4/X360/X1/Wii U) - Activision Blizzard
2. The Lego Movie Videogame (PS3/PS4/PSV/X360/X1/Wii U/3DS) - Warner Bros. Interactive
3. NBA 2K14 (PC/PS3/PS4/X360/X1) - 2K Games
4. Thief (PS3/PS4/X360/X1) - Square Enix
5. Grand Theft Auto V (PS3/X360) - Take-Two Interactive
6. Battlefield 4 (PC/PS3/PS4/X360/X1) - Electronic Arts
7. Assassin’s Creed IV: Black Flag (PC/PS3/PS4/X360/X1/Wii U) - Ubisoft
8. Lightning Returns: Final Fantasy XIII (PS3/360) ‐Square Enix
9. Minecraft (X360) - Microsoft
10. Bravely Default (3DS) - Nintendo

日本勢頑張りました!スクウェア・エニックスが2タイトル(『Thief』はEidos制なので厳密には日本発のタイトルとしては『Lightning Returns: Final Fantasy XIII』のみ)、任天堂が久々に3DSの『Bravely Default』でランクイン。1SKUでマルチプラットフォームタイトルのランキングに入ってくるのはご立派ですが、Wii/NDS時代の勢いまでは感じないというのが本音です。

大型タイトルだと必ずと言っていいほどPCがマルチプラットフォームの中に入ることが多い欧米ですが、日本初のタイトルはまだコンソール内でのマルチプラットフォームに寄っている気がします。

日本ではPCゲームの市場が小さかったことから「ゲームソフト」というと家庭用ゲームソフトという流れでしたから仕方ないとはいえ、これだけマルチプラットフォームってキーワードが定着しているのにその中にPCが入らないというのも、きっと日本だけだなと苦笑いをすることもあります。実際、日本のゲーム業界の方々がいまだ「Steam」を知らないことが多くてびっくりするほど。北米でもPCのパッケージ流通は非常に難しく、ダウンロード販売が売上の多くを占めています。

これに対抗してElectric Arts(EA) が運営しているのが「Origin」です。自社のタイトルのみを販売していたEAが他社タイトルを扱いながら後発にも関わらず果敢にSteamに挑んでいますが、長年Steamの独壇場だっただけに現状は水をあけられています。

最近では日本でもソフトのダウンロード販売がユーザーに違和感を持たれなくなってきたと言われてきています。インターネットのインフラも欧米に比べれば日本はダントツの安定性を誇っているはずなのに。ゲームをPC向けに作ってそれをコンソール向けにダウンコンバージョンしてきた欧米のソフト開発と、日本のコンソール単独ソフト開発の違いもあって難しいのかもしれませんが、コアユーザーの多いPCダウンロード販売へのルートは業界としてももう少し積極的に考えてみてほしいと常日頃思っているところです。

さて、北米市場の話に戻ります。3月にはXbox One、PS4のエクスクルーシブタイトルがそれぞれ発売されます。Xbox OneにはEAの『Titanfall』、PS4にはソニーの『Infamous: Second Son』。ハードはそれだけではカラの箱、ソフトが入って初めてステキな箱になる。どっちのステキな箱が北米で売れるのかは来月の結果を見てから分析したいですね。
《記野直子》

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