【SIG-Glocal#11】事例を元に紹介したローカリゼーションツール導入の効能・・・GDC2013報告会 | GameBusiness.jp

【SIG-Glocal#11】事例を元に紹介したローカリゼーションツール導入の効能・・・GDC2013報告会

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NPO法人IGDA日本のグローカリゼーション専門部会(SIG-Glocalization)は、2013年05月25日(土)に東洋美術学校で「GDC2013ローカリゼーションサミット報告会」を開催しました。
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最初の講演を行ったのはSIG-Glocalizationの正世話人で、架け橋ゲームズにてローカライゼーション・ディレクターを務める矢澤竜太氏。Sony Computer Entertainmentの「Return on Investing in a Robust Localization database(堅牢なローカリデータベースの費用対効果)」とBlizzard Entertainmentの「Implementing Blizzard's Localization Vision in Real Time(Blizzardのローカリビジョンをリアルタイムに実現するために)」の2つのセッションについて報告を行いました。

ここ最近のローカリゼーションサミットでは毎年のようにツールについて語られており、昨年で言えば処理の自動化とアセット管理のデータベース化の提案というのが大きな柱になっていました。本年のセッションではそこから一歩進み、実際の開発事例を明示して、どれほどのコスト削減効果があるのを具体的に数字で示した、というのが大きな特徴です。

Sony Computer Entertainment Europeは自社の『inFAMOUS 2』と『Resistance: Burning Skies』について、いくつかのタスクとそこにかかった時間を比較したデータを提示しました。『inFAMOUS 2』はまだローカリゼーションツールを作成したばかりの頃のタイトルで、一方の『Resistance: Burning Skies』はそこからツールの改善、最適化がされたあとのタイトルです。例えばダウンロード再生からストリーム再生へと変えた音声チェックでは、465時間かかっていたものが62時間と大幅な時間短縮に成功しており、80時間を要していたアセット検証に至ってはたったの24分と驚異的な改善を見せています。2つのプロジェクトを比較すると17.5人週の作業を削減がなされ、結果的に$65,320のコスト削減効果があっただろうと結論づけました。

ツール採用にあたって重要となるのが、プロジェクトごとにツールを変えたり、調整したりせず、基本的にそのままの状態で使えるように標準化することです。例えば『StarCraft 2』から採用したBlizzard Entertainmentのツールは、現在では『World of Warcraft』をはじめとする複数のタイトルで使われているそうで、標準化が進んでいます。さらに標準化を強く推し進めているのがSony Computer Entertainmentです。同社のツールは自社での使用にとどまらず、3rdパーティへの提供も行われており、かなり汎用性の高いツールになっていることが伺えます。

「ここまでが今回のセッションの骨子である」とまとめた矢澤氏は、セッションから読み取れるいくつかの内容について語りました。

実際にそういったツールを導入するにあたっては、その決定打となるような案件や事例が必要なように感じられますが、逆にそういったものがなかったのではないか、と矢澤氏。だからこそ反発の生まれづらい小規模なツールから着手し、そこで実績を生み出して周囲を説得しつつ、規模を大きくしていったのではないかと推測しました。

矢澤氏が引用したBlizzard EntertainmentのWilliam Barnes氏の言葉「最近特に重要になっていることは、コストのかかる『ローカリゼーションとツール構築』を正当化するための理由を報告すること。何がどれくらい効率化に繋がったのかをしっかり伝える」にもこれは現れており、実績を積み重ねつつも、そこに対する明確な理由づけと周囲へのアプローチが大きな意味を持つということが強調されていたように感じました。

続けて矢澤氏は、開発側のデータ構造も標準化しなければならなかっただろう、と指摘。ローカリゼーションツールの安定化、改善だけではなく、それを実際にプロジェクトと結びつけるためのパイプラインにあたる部分の最適化の話でもある、と語りました。

また、過去のセッションと比較して、アクセスのしやすさが要点になっている、と矢澤氏。これは特定の権限を持つ人、あるいはそういったマシンでしかアクセスできないデータは、プロジェクトの敏捷性を損ないがちである、という問題を取り上げたものです。

例えば従来のような厳しいアクセス権限がしかれていると、テキストの誤りを発見した人はそれをまずバグトラッキングシステムに報告し、開発側からの修正を待たなければなりません。しかし、Blizzard Entertainmentでは開発の手間をわずらわせることなく、発見者がそのままアクセスして修正できる体制を採り、柔軟な対応を可能にしているのだそうです。これはアクセス権限の問題でもあるため、一筋縄ではいかない部分がありそうですが、コスト削減という観点からもアクセスのしやすさは大切な要素と言えそうです。

Sony Computer Entertainment、Blizzard Entertainmentの両社ともツールは社内の人員が開発していたのが特徴です。これについて矢澤氏は、いつでも連絡が取れることで、継続的にツールの拡張が可能であったことがツール開発の鍵になったのではないか、とまとめました。

最後に矢澤氏は、ツールを標準化して使う機会が増えるほどコストの回収はしやすくなることをあらためて強調。同時にプロジェクト終了後の見直しやツールの費用対効果の検証といった振り返りが重要である、と説きました。そして、ローカライズチームだけの問題とせず、開発側への継続的なアプローチや喚起を行ない、標準化に向けた開発の体制変更を含めた動きができれば、と続けました。

また、ソーシャルゲームなどの長期の管理を必要とする「サービス化したゲーム」について、ローカライズに関連した管理ノウハウが個人へと集約されやすい、と指摘。そういったタイトルを複数抱えるのであれば、本講演で扱ったようなAAAタイトルでなくとも同様にツールの導入を検討すべきではないだろうか、と締めくくりました。
《千葉芳樹》

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