今回は、お金を節約するほどポイントを得ることができるサービス「SaveUp」のゲーミフィケーション要素を紹介していきます。■SaveUpとは…自分の銀行口座とリンクし、借金の返済や節約に成功するとポイントが得られる米国のWebサービス。貯めたポイントをコストに、豪華賞品が当たるクジをひくことができる。公式サイト…http://www.saveup.com/「SaveUp」の節約をするためのゲーミフィケーションを使った仕組みとはどのようなものなのでしょうか。「SaveUp」で行う主な行動に分けて早速見てみましょう。「SaveUp」で主にできる行動は2つです。 1.ポイントを貯める 2.貯めたポイントでクジを引く■1.ポイントを貯める「SaveUp」には、ポイントや経験値といった数値情報が複数存在します。ログインしトップページ上部を見ると、Credits、Plays、Levelといった数値が表示されています。●Credits…SaveUp内で主となるポイント。色々な行動をすることで貯められ、消費することでミニゲーム(クジ)にチャレンジできる。●Plays…1日にクジを引くことができる回数。Creditsを消費しPlaysに変換することができる。日が変わる都度に補充される。●Level…XPというポイントが貯まると増える数値。ユーザーレベル。Creditsは、自分の銀行口座をリンクさせてお金を貯める(節約)、SaveUp内で紹介されている動画を見る、SaveUpに友達を誘うなどの行動をすることによって増やすことができます。CreditsとPlaysを消費することで、後述するクジ(ミニゲーム)にチャレンジすることができます。またSaveUpには、ポイント量を競うランキングも存在します。このページでは順位のほか、現在の称号やLvUpまでの必要経験値なども表示されています。ランキングにはXPというポイントが使用されます。XP = 経験値として扱われ、XPが溜まればLvが上がり、称号を得ることもできると考えられます。XPはサイト内で特定の行動を行うと得ることができます。※XPの入手方法・銀行口座とリンクする・クジ(ミニゲーム)をする・賞を獲得したことを共有する・賞品候補に投票する。(投票数が多いものは賞品としてクジに登場する)・友達を招待する etcCreditsとXPという2つのポイントの区別として、「消費されるかどうか」という点が異なっています。Creditsはクジにチャレンジすることで消費されてしまいますので、通貨的な意味合いが強く、XPは行動をする毎に蓄積され、一度蓄積されたものは無くならないので、自分の上達や成長を可視化したものと考えると分かり易いと思います。■2.貯めたポイントでクジを引くポイント(Credits)が貯まったらクジ(ミニゲーム)にチャレンジすることができます。まず欲しい賞品を選びます。サイト上部にあるPrizesタブを開くと豪華な賞品がたくさん並んでいるので気に入ったものを選びます。今回は、「ハワイ旅行」を選びます。すると、賞品の詳細を見ることができるページに移動します。「Play Now」をクリックすると3種類のミニゲームから選択して挑戦することができます。今回は、「6枚のカードをめくり、3枚揃ったらそのカードに書かれていた賞品を得ることができる」というミニゲームをやってみます。カードが揃うと以下のような画面が表示されます。今回はカードに記載されている賞品のほか、スタンプも入手することができました。以上がクジの一連の流れです。賞品にはポイントや現金などがあり、節約することで更にお金を得るチャンスが発生するので自然と節約に対するモチベーションが高まるのではないでしょうか。■3.分析とまとめ「SaveUp」で使われているゲーミフィケーション要素をまとめると以下のようになります。・可視化…Lvアップの必要経験値(XP)、チュートリアル達成度、節約度合。 ・競争…ポイントランキング(リーダーボード)。 ・リワード(報酬)…称号、スタンプ、賞品。 ・仮想通貨(ポイント)…Credits、Plays。 ・成長…XPポイントの増加によるレベルアップ。・ミニゲームの埋め込み…賞品を得る過程に行うクジ(ガチャ)。 ・ゴール…節約に成功、維持することで金銭管理を最適化する。「SaveUp」の優れている点は以下の2点です。・「賞品を得るための行動に必要なポイントが複数ある」CreditsだけでなくPlaysも消費することによって、回数制限による「ズルの防止」とポイント消費による「アクションの促進」を同時に行っています。・「本来の目標にユーザー心理を捉えた目標を新たに追加した」節約に成功する(またはし続ける)までモチベーションを維持することは簡単ではないですが、「SaveUp」をやり始めると、賞品を得るという「新たな目標」が節約という行動に付与されます。それをゲーム風に言い換えれば、「節約は賞品(アイテム)を得るためのクエスト」と考えることができます。クエスト(節約)を上手くこなしていると、報酬(リワード)が得られたり、レベルアップをして称号を得ることができ、またクエストの上手さを仲間と競い合う(競争)こともできます。これらの要素があることによって、本来節約に含まれる苦労などをあまり意識せずに、段階を踏んで節約の成功というゴールへと進みやすくなっています。また、今後の「SaveUp」の課題として、以下のものが考えられます。・「ソーシャルアクションの増加」Lvアップ等の目標達成時に、他のユーザーからいいね!などの特定人物への意思表示がし辛いです。他のユーザーからいいね!を得たり、バッジ等のリワードを得られるようになれば、モチベーションの維持に役立つのではないでしょうか。ここまでいかがだったでしょうか。「好きこそ物の上手なれ」という言葉がありますが、楽しいや嬉しいと感じる行為は、あまり意識しなくても自然に熱中し上達していきます。ゲーミフィケーションによって嫌いな行為も少し楽しい行為へと変化させることができたなら、日々を今までよりちょっとだけ楽しく過ごせるようになるかもしれません。それでは、また次回の記事でお会いしましょう。
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