【CEDEC2012】みんな大好き「プリキュアダンス」の変遷 ― その技術に迫る | GameBusiness.jp

【CEDEC2012】みんな大好き「プリキュアダンス」の変遷 ― その技術に迫る

子供から大人まで魅了してやまないアニメ「プリキュア」シリーズですが、その中でもエンディングのダンスはシリーズごとにクオリティが高くなっています。CEDEC2012、3日目はその技術の変遷について制作スタッフ3名によるセッションが開催されました。

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子供から大人まで魅了してやまないアニメ「プリキュア」シリーズですが、その中でもエンディングのダンスはシリーズごとにクオリティが高くなっています。CEDEC2012、3日目はその技術の変遷について制作スタッフ3名によるセッションが開催されました。
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子供から大人まで魅了してやまないアニメ「プリキュア」シリーズですが、その中でもエンディングのダンスはシリーズごとにクオリティが高くなっています。CEDEC2012、3日目はその技術の変遷について制作スタッフ3名によるセッションが開催されました。

今回登壇したのは、東映アニメーションの横尾裕次氏(CGプロデューサー)、宮本浩史氏(シニアデザイナー)、中谷純也氏(チーフリギングアーティスト)の3名です。プリキュアダンスが企画された経緯から、実際にMayaを使用しての実演、制作技術の発展などが発表されました。

■制作までの経緯
まず最初に登壇した横尾氏からプリキュアダンス制作までの経緯が説明されました。ダンスが好きな子供が増えているということをうけ、「フレッシュプリキュア!」のエンディングから採用されましたが、作画でのダンス表現はハードルが高い(作画枚数や曲のスケジュール等)ということでCGでの制作が決定したということです。また、ワンピースの映画でCGの制作はしていたということですが、フルCGは初めてだったそうです。プリキュアという人気キャラをCGキャラの表現力を認知させるべく、セルルック(セル画のように見えるCG)に挑戦しました。

■プリキュアダンスにおけるルール
まずはじめに、アニメそのものとも共通しますが、あくまで対象は子供ということで、子供が喜ぶような演出や、親も安心して見せられる表現にしているということです。横尾氏は「例えばナイトクラブのような場所では踊らせない」といった配慮がされているそうです。また、ダンスも覚えやすい演出を心がけ、常に体全体の動きが把握できるようなカットでないとNGがでるということです。しかし、常に全身が写るようなカットだけだと「引きの絵が増えてしまい、映像が単調になりがち」ということで、現在放送中の「スマイルプリキュア!」からは、スクリーンにキャラクターの表情が写るようにしたことで、単調な表現にならないよう工夫しています。

■プリキュアダンスが進化を続ける理由
横尾氏によれば、毎回90秒という決められた尺、必ず年2回制作のタイミングが訪れるということで、「同じことをやれば同程度のものが作れるように」なったといいます。しかし、毎回前期作品の課題点を明らかにし、一つずつ改善していくことでどんどん進化しているといいます。また、プリキュアダンスの制作そのものがスタッフのモチベーションにもなっており、多くのスタッフが参加を希望し、プリキュアダンスを作りたくて入社を志望する人もいるようです。

ここからは実際に、スマイルプリキュア!の前期エンディングを例に、プリキュアダンスが制作工程が説明されました。

■キャラモデル
まずはじめにシニアデザイナーの宮本浩史氏により、キャラモデルについての解説がありました。現在フレッシュプリキュア以降の28体のモデルがライブラリに共有されるなど、初期からの資産やノウハウが確実にストックされ現場に還元されているそうです。これらを活用し、大規模なプロジェクトを見越した仕様化を行っています。まずは全キャラが同一のトポロジーだということ。次にUVレイアウトも統一しているため、形状互換が可能になっています。また、表情やファイナルを見越したルック開発にもこだわっているということです。そしてモデラーに送る仕様書はフォーマットを統一し明確な指示を出せるようにしているということでした。

■リギング
続いて登壇したのは中谷純也氏(チーフリギングアーティスト)です。まず、リギングの仕様書ですが、こちらもかなり細かく設定し、担当者へ配布されます。その仕様書をもとに作業に入りますが、リギングはスクリプトで行い、骨なども手作業で作成していくとのことです。またリギングには専用のサポートツールが使用されているそうです。次に、筋肉表現を取り入れたボディのセットアップです。二の腕など、より本物らしい動きをするようにジョイントベースで構成し、ドリブンキーで設定しています。今回マッスルではなくジョイントで作成した理由としては、リアルな表現に近づけるよりは極力アニメの雰囲気を崩したくなかったということと、処理速度の問題などがあったということです。

そして揺れ物のクオリティも、本作から格段に上昇したということですが、各作品ごとに説明があったので、ご紹介していきたいと思います。

■揺れ物表現における技術の変遷
【フレッシュプリキュア!】
・初作品ということでノウハウがなく、全て手付けのアニメーションで制作
【ハートキャッチプリキュア!】
・社内プラグインを利用し、簡易ダイナミクスを実装
・操作のたびに計算が変わるため、リテイク対応が難しく勝手が悪い
・リグの上流でダイナミクスが計算されるプリダイナミクスとしてアップデート
【スイートプリキュア】
・フェイシャル以外はmotionBuilderで実装したが、ノウハウ不足で問題はあった
・最終的には全ての揺れ物が自動で揺れるクオリティアップができた
【スマイルプリキュア!】
・前作と同様の内容をMayaで実装、Delay機能・Bounce機能追加で動きが柔らかく
・上記機能の実装で一層のクオリティアップ
というように、各作品ごとに新たなチャレンジをしていき、現在のクオリティにいたっているということです。

■モーションキャプチャーの技術
スイートプリキュアから自社でキャプチャーを行う部署が出来たそうです。それまでは外注していましたが、外注するよりもスケジュール管理がしやすく、コミュニケーションも取りやすいので、楽だということです。

現在24台のカメラで撮影を行っており、プリキュアダンスのキャプチャは6m×6mの範囲で行われますが、オールスターズでは隊列の組み替えなどがあったため、11m×7mのスペースで行われました。キャプチャは全関節で行われます。ちなみにアクターは全員スカートを着用することになっていますが、これはプリキュアの衣装が外に開くスカートが多いので、手がスカートをすり抜けないように、注意してもらうようにはいてもらっているそうです。

現在はフィンガーモーションキャプチャーも同時に行われているそうですが、左右全指の
関節をキャプチャしようとすると、ノイズがのってしまうなど、不具合が多いとのこと。スマイルプリキュア!では数を少なくして取り込みましたが、どうしても上手くいかないということで、結局手付けで処理したということです。

■アニメーションの作業
揺れ物とモーションキャプチャーの説明がありましたが、この後の解説は、制作工程最後のアニメーションの作業になります。まず、アニメーションではボディの徹底的なクオリティアップをします。ここで、横尾氏により、Mayaを利用した作成例が実演されました。

まずは関節ですが、特に腕に関しては、アニメ独特の表現で、腕を曲げると本来の長さより少し短く描くという表現をします。CGでもこの処理を行わないと、最も重要なアニメとの整合性が保てないので、2重関節をいれることで、よりアニメらしい動作と表現を実現しています。今回、初めてMayaを導入したことで、「アニメーターがモデリング並みの作業ができる」と横尾氏は言っていました。

ボディのクオリティアップ後は、フェイシャルの自由度とクオリティアップの作業に入ります。どうしても、横顔がアニメのような描写にならず違和感がある場合などは、横のアングルからでもアニメらしく見えるような表現にしているとのこと。前髪も自由に調整できるので、幅が広がっているそうです。

そのあとは、motionBuilder上で、ダンスに「タメツメ」をしっかりつける編集を行うということです。この作業のあるなしで、全くというほど印象が変わってくるそうです。ちなみに「あくまでアニメキャラなので、生々しくならないように」(横尾氏)注意しているということです。また、冒頭にもふれた、スクリーンのカットもこの段階で編集されるということです。

■仕上げ
アニメーションの制作が終了し、遂に最後の仕上げとなります。まず始めに、Mayaを使用し、テクスチャを貼り付けて線の強弱をつけます。ちなみにUVとトポロジーが共通化されているので、同じテクスチャの利用が可能です。

そして最後にNukeを使用してコンポジット作業を行います。今回のスマイルプリキュア!では、前半はアニメの本編から入るので、子供に違和感がないようアニメ色を色濃く出しているということです。後半に関しては、トゥーンレンダでもリアルのような表現をめざしたということです。
《宮崎紘輔》

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