nanapiの投稿を促す仕組み・・・「世界を面白くするGamification」第62回 | GameBusiness.jp

nanapiの投稿を促す仕組み・・・「世界を面白くするGamification」第62回

先日、 Webマーケティングリレーセミナー にて 株式会社nanapi代表取締役のけんすうこと古川さん とパネルディスカッションの機会を頂きました。最初に僕の方からゲーミフィケーションに関する概要説明をした後にパネルディスカッションという流れだったのですが、古川

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先日、Webマーケティングリレーセミナーにて株式会社nanapi代表取締役のけんすうこと古川さんとパネルディスカッションの機会を頂きました。最初に僕の方からゲーミフィケーションに関する概要説明をした後にパネルディスカッションという流れだったのですが、古川さんの方から非常に興味深いご意見を頂いたのでこちらでも紹介しようと思います。



ゲーミフィケーション的には大体いつもデシの自己決定理論を引用し、「外発的動機付け(≒金銭的報酬)よりも内発的動機付けの方が継続的でありかつ強い」という説明をするわけです。セミナー当日もやはりそのような説明をしていました。するとパネルディスカッション時に古川さんから「ナナピではドラクエのようなレベルのような概念を以前入れてみた時に全く有効に機能しなかった。1投稿に対し(数百円程度の)報酬を設定した際に投稿の質も量も良くなった」というお話がありました。

なんと、そういうこともあるのかとかなり驚きでした。詳しく伺ってみたかったのですが残念ながら当日は古川さんとパネルディスカッション後にお話する時間が取れませんでした。まだ現段階で理由は明確ではないのですが、ディスカッション時に出たお話などを元に考察してみたいと思います。

ナナピとは、ご存じの方も多いと思いますが、生活に関連する様々な豆知識が投稿されているCGMサイトです。「nanapiは日本最大級のライフレシピサイトです。ありとあらゆるHow Toを集めています。」との紹介文がサイト内に書かれています。トップページに記載されている投稿件数を合算すると約25000件。

まず印象に残っているのがその後の古川さんのコメント「ナナピの投稿は、あまり投稿意欲をそそられるようなお題でないが、それを知りたい人は多いだろうという内容が主」という点。確かにサイトを見てみると「Facebookの退会方法」「夫婦げんかの時に言ってはいけない禁句」「土間土間風やみつき塩キャベツの作り方」などわざわざ書くのはちょっと面倒だけど、書いたらたしかに読まれるかもという気がします。

投稿のお題についてはナナピワークスというサイトがあり「在宅でライターの仕事を」というコピーとともに記事のお題がたくさん掲載されています。このお題がサイト運営側からの提示なのか、ユーザからの投稿なのかざっと見た限りでは判別できませんでした。ただ投稿者に対してはお仕事感の強い見せ方をしている印象を強く受けます。またポイント交換にはPeXを利用しておりその説明ページを見るとアクセス数によるインセンティブも設定されているようです。ちなみにレートを換算すると大体1投稿につき確かに数百円。?お題の内容は基本的に専門性を要するものではなく(率直に言って)、従って投稿者の幅は広く取れそうです。

サイトを見て気づくことは、閲覧数の多い投稿を見ても反応があまりなさそうなことです。先ほどの「夫婦喧嘩時の禁句」は閲覧数が4万以上あるのに評価2件しかありません。(※Facebook退会方法はちょっと仕組が違うのか、閲覧数を確認できませんでした。ただこちらはいいね数は2000件以上と非常に多かったです。ざっと見ると基本的なフォーマットとしては夫婦喧嘩時の投稿に準じているようなのでそちらを基準にします。Webサービスの使い方説明はまた別なのかな?)

であれば投稿者のモチベーションとしてはやはり金銭になるのでしょうか。であるとするとアクセス数によるインセンティブがどの程度なのかが重要になりそうですが、ナナピ内の情報からはそれは見つけることができませんでした。

・ドライブさせたい行動をまず取ってもらうためには金銭的報酬でハードルを下げるというやり方はあり得る

ということについてはわかるのですが、その後の投稿の質をキープするための工夫が是非知りたい所です。現在、サイトを見て得られる情報から考えると、いくつかの仮説が考えられます。

・アクセス数によるインセンティブが十分に機能するくらいの金額となっている
・投稿者は普通にアルバイト感覚で投稿しているため一定の質が確保される(→「仕事」と認識してもらうこと、適当な投稿に対しては運営者側からフィードバックを返すことなどで質を確保している。運営の負担を割りとかけている)
・いずれにせよソーシャルリワードは実質的に機能していない(→だとするとこれは非常にもったいないです。ここを機能するようにすれば金銭的報酬に依らない、あるいはそれを少なくして投稿の量・質の維持あるいは向上が実現できる気がします)
・あるいは投稿後に実は内発的リワードやソーシャルリワードが付与される仕組がある(※そこまで見れていません)

情報が足りないので「違うよ!」というツッコミが古川さんからあるかもしれません^^; 是非また一度詳しくお話聞かせて下さい!

今回のディスカッションで感じたのは、事前にもっとナナピのサイト見ておけばよかったということですね。そうすればこのあたりを突っ込んで質問できて、もっと濃い内容に出来たかもしれません。次回以降気をつけようと思います。
《深田浩嗣》

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