ゲーミフィケーションサミットNY 1日目(10) ゲーミフィケーションの法的リスク・・・「世界を面白くするGamification」第48回 | GameBusiness.jp

ゲーミフィケーションサミットNY 1日目(10) ゲーミフィケーションの法的リスク・・・「世界を面白くするGamification」第48回

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合間合間にしかレポートが書けておらず相変わらず進みの遅いサミットレポートです。法律に関するセッションは、第1回のゲーミフィケーションサミットでも取り上げられていました。国内のカンファレンスで弁護士事務所がスポンサードしたり登壇するケースは極めて稀と言っていいと思いますが、こうした点は米国との違いを感じます。

登壇しているのはフィルズベリー法律事務所(Pillsbury Law)のJames Gatto氏です。

彼のプロフィールは同事務所のHP内にありますが、知的財産権に専門を置きつつ、分野としてはソーシャルメディア・エンターテイメント・テクノロジー業界のチームに所属し、バーチャルワールド・ビデオゲーム業界チームのリーダー、兼オープンソースチームの共同リーダーであるとのことです。こういう業界に特化した弁護士あるいはチームがあるというのは羨ましい限りですが、同時にスポンサードするくらいのビジネスチャンスでもあるということはそれだけリスクあるいは係争事が多いということでもありそうです。

やはりというべきか、セッションの内容はリスクについてアラートを上げる内容が中心です。例えばGatto氏はサービス停止時のリスクについて述べています。例えば「それまで(ゲーミフィケーションされたWebサイト上で)費やした時間を金に換算して返せ」というクレームが利用者来ることなど。また、ユーザ生成型コンテンツのIP、知的所有権は誰のものになるのか。所属を明確にしておく必要があるとも述べています。

米国の法律で仮想通貨をどのように取り扱うかということもまだ定まっていない微妙な問題だそうです。ゲーミフィケーションの場合は、必ずしも通貨性が強いわけではありませんが、それでも遊んだことで得られるポイントのようなものが、遊んだことによって得られる価値とみなすのか、(デジタルを含めた)グッズと交換する価値のあるものとみなすかでも変わってくるとのこと。同時に、デジタルグッズは他のサイトに転載されたりオークションなどの売買サイトで処分されるリスクもケアする必要があると説明します。

また、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)についても触れています。これは、ウィキペディアにも説明がありますので詳細は省きますが、YouTubeもこれで大きな損害を受けたとのことでした。英語圏のテックニュースサイトを見ていると、ここ最近はSOPA(Stop Online Piracy Act、オンライン海賊行為防止法案)の文字を見ない日はありませんが、仮にこれが可決されるとさらにリスクは大きくなるだろうと予想されます。

・・・と、リスクの側面も理解した上で実施して下さいということでした。日本と事情が違う部分が大きいのでそのまま参考になるわけではないのですが、ソーシャルメディア運用については炎上するリスクなどがあることは日本でも同じです。利用者にとっても納得の行くような、運用のためのガイドラインはゲーミフィケーションを実施する上でも必要になってくるでしょう。米国のサイトでも、利用者に規約を承認させるようなフローを踏んでいない場合は多く見られます(最近ではサムソンネイションでもそうしたフローは、少なくとも僕が登録した際にはなかったと思います)。まだまだ整備途上な状況ですが、実現にあたっては確かに気をつけることにしましょう。
《深田浩嗣》

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