遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。2011年は激動の年でした。「2011年は」と書きましたが、2012年も激動の年であることは間違いないでしょう。ゲーム、エンターテイメントは不要不急のものである、と任天堂の山内溥前社長は言いました。だからこそ切磋琢磨して、人々を驚かせるものを作らなければ一瞬にして任天堂のような大きな企業さえ崩れてしまうと。それは今も変わりません。一時興隆を誇った企業が一瞬にして地獄を見る。ダメだと思われていた人が再び輝きを放つ。そんなことも珍しくありません。今、ゲームというものの定義が広がっています。これはゲームなのか、アニメなのか、漫画なのか、映画なのか、音楽なのか、小説なのか、体験なのか、そうした遊びのプラットフォームや媒体、デバイスといったものが崩れつつあり、それらを超えて包括したものを提案していかなければ人々を驚かせるのが難しい時代になってきました。ゲームという遊びは不要不急なものである一方、生活や人生に彩りを与えるものです。東日本大震災で被災された地域で、衣食住の次に求められたのはゲームだったと聞きます。また、ゲーミフィケーションという言葉がバズワードになり、ゲームニクス、シリアスゲーム、エデュテイメント、色々な言葉がありますが、ゲームという遊びをエンターテイメント以外の分野で活かす取り組みも広がっています。「衣食住ゲーム」とはいかなくとも、「衣食住遊」と言われる日も来るかもしれません。あらゆる産業がそうであったように、ゲームという産業もIT産業によって影響を受け、ITが進化のドライバーとなり、ITと融合した産業となりました。それによって進化のスピードはますます速くなり、2012年も激動の年であることは間違いありません。この業界、産業に関わる全ての人が切磋琢磨し、楽しい提案をし、今年の干支の辰、龍のように飛躍の年になることをお祈りして新年の挨拶とさせていただきます。GameBusiness.jpも日本で唯一のゲーム業界紙として2012年も新しい遊びに挑戦する皆さんと共にあるべく努力して参ります。土本 学