ユーザーに商品購入を促す、楽天市場の仕組とは 〜リテンションを高めるゲーミフィケーション要素活用事例〜・・・「世界を面白くするGamification」第43回 | GameBusiness.jp

ユーザーに商品購入を促す、楽天市場の仕組とは 〜リテンションを高めるゲーミフィケーション要素活用事例〜・・・「世界を面白くするGamification」第43回

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こんにちは、fishmenです。今回は、日本国内最大級のインターネットショッピングモール 「楽天市場」におけるゲーミフィケーション要素についてお伝えしていきます。
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【楽天市場とは?】
楽天株式会社(以下、楽天)が運営する日本国内最大級の インターネットショッピングモール。楽天市場会員数7,200万人 1日あたりの注文件数41万件、楽天の国内EC流通総額(年間)1兆906億円、少なくとも楽天市場内の店舗数は36,890以上存在しており、ビジネスモデルは出店企業からの出店費用および売上による手数料(約2~5%)。(※1企業1店舗の場合。1企業で複数店舗を運営している場合は、この数の限りではありません)
参照資料:出店ガイドブック および決算資料

本来、ゲーミフィケーションの定義は、「プレイヤーを楽しませ、没頭させるためゲームで使われている要素を ゲーム以外の領域に活用すること」で換言すると顧客のエンゲージメントを高めることに活用される仕組みともいえます。

誤解として多いのが、ゲーミフィケーション要素をいれれば売り上げが何%向上します!とすぐに何かが変わる魔法の杖のようなものと思われがちであるということです。

楽天市場において、、出店している店舗の売り上げを上げることが、運営者である楽天の増収につながるため、ユーザーに、出店企業の店舗に来てもらう、お買い物をする・しやすくなる仕掛けを実施することが必須になります。

楽天市場では、出店店舗へのリテンション(既存顧客の再来訪)を高める仕組みとして、ゲーミフィケーション要素を用いており、ユーザーを購買行動に導いています。

具体的なゲーミフィケーション要素として、以下のものが挙げられます。
■会員ランク
■楽天スーパーポイント
■各種キャンペーン(期間限定)
■くじ

それでは、4つの要素がどのように関連して購買行動を促進しているか、見ていきましょう!

1:会員ランク&ランクキープ

楽天市場にログイン後、TOP画面右側に会員個人の利用状況を表す情報が表示されます。ここに表示されているのが、ランクガジェットです。楽天Point Clubの詳細でランク情報の詳細が確認できます。





楽天のランクには、レギュラー、シルバー、ゴールド、プラチナと4段階のランクがあり、過去6カ月間で、以下の条件を満たしたときにランクが上昇します。



受けられる特典も、各ランクにより「特典の数が増える」、「キャンペーンなどで付与されるポイント倍率が上昇する」など利用していてメリットのあるものが用意されています。そして、このランクが仕組みとして秀逸である点は、「ランクアップ」だけでなく 「ランクキープという概念が存在する」ことにあります。

過去6カ月間の楽天の利用実績を遡り、各ランクアップに必要な基準ポイントの獲得とポイント獲得回数を、月始めまでに満たすことで、翌日の2日0:00分にランクが昇格します。問題は昇格したあと、次月に発生するランク判定です。そこからも過去6カ月の利用実績を遡り、現在のランクを維持するために必要な「ポイントを獲得しているか」、「獲得すべきポイント獲得回数を満たしているか」確認が入ります。



つまり、過去6カ月間に必要な条件を満たし、ゴールド会員になれたとしてもその次の月に「何も買い物をしていない場合、現在の会員ランクを維持する条件を満たせずシルバーにランクが落ちてしまう可能性がある」ということになります。ユーザーからすると、「せっかくランクが上がったのに」という心理状態になり、 何かしらインターネットで商品を購入する必要がある場面で、「楽天で買い物をしよう」 と考えるキッカケになります。

また後ほど詳しくご説明しますが、ランクを維持することによってスーパーポイントの還元率が変わるなど、ユーザーメリットも変化するので、両方を合わせてユーザーとしてはランクを維持しようと思うのです。

2:楽天スーパーポイントと各種キャンペーン
楽天のランクを上げるときに、指標となるのは楽天のスーパーポイントです。スーパーポイントは、買い物をすると金額に応じて必ず付与される「通常ポイント」 とキャンペーンやイベントに参加することで、付与される使用出来る期間が決まっている 「期間限定のポイント」の2種類が存在します。

「通常ポイント」の付与率は、購入金額の1%でよくあるポイントプログラムとさして変わりがありませんが、影響が大きいのが「期間限定ポイント」です。例えば、楽天で実施しているキャンペーンにエントリーして取得したポイントなどが該当します。



この見出しを見たら、何か欲しいものがあった場合通常よりもいいポイントの還元率ならば、「今買おうか」と購買を促す仕組みになっています。秀逸なのは、使用期限の決まったポイントの使用期間の設定で、楽天市場で買い物をしたのを忘れないスパン(半月に1度)などになるように設計されています。



楽天から「もうすぐポイントが失効してしまいますよ。ポイントを使いませんか?」という内容をメールで通知されると、ユーザー心理としては、〜00円分のポイントがある「今、使っておかないと勿体ない」と、ついつい楽天で商品を購入してしまうのではないでしょうか。実は、私もよくこの例に当てはまるユーザーの一人です。複数のキャンペーンにエントリーした状態でポイントが何倍にも倍付されて付与されたあとに、「なくなりますけど、どうします?」と聞かれて使わないなんて勿体なくて、、できません。見事に、購入後に付与される期間限定ポイントを使用するために「楽天にアクセスして買い物をしてしまっています。」

3:くじ
会員ランク、ポイントの有効期限と使わせ方に続いて、1ポイントを1円として使える楽天のポイントを、買い物以外でも手にいれられる仕組みが、「くじ」です。楽天市場内には、「ラッキーくじ」という簡単なFhashゲームが存在します。




獲得できるポイントは、当たれば1ポイント、運が良ければ1000ポイントが貰えるというものです。 ※はずれもあります。

この「ラッキーくじ」は、参加するだけでポイントが貰えるので、コツコツとポイントを貯めたいユーザーは挑戦する楽しみがあります。ただ、くじにも制限があり、1つのゲームにつき、1日1回しか挑戦することができません。「もっとポイントが欲しい!」と考えているユーザーは、ほかのくじを選んだり、くじに挑戦するため、翌日、翌々日と楽天にアクセスするでしょう。楽天は、くじに挑戦する条件として、「その他の楽天サービス」のメール購読を条件に挙げています。くじに挑戦することを繰り返すことで、複数の楽天サービスからメールが届くようになり、「楽天というサービスに触れる機会」ができ、楽天に訪問する きっかけが自然と増えている状態になっています。

4:組み合わせることによる相乗効果
これら楽天で実施されている仕組みを利用することで以下のように繰り返し1から4の流れを繰り替えすことになります。

1:買い物をする前に、キャンペーンに応募する。(きっかけ)
2:商品を購入する(行動)
3:買い物をした結果、ポイントが付与される。(報酬)
4:キャンペーン参加分のポイントが付与されて得をした
ランクも上り獲得できるポイントも増えて嬉しい。なんか得した気がする。(感情)

+α(マイナス要因により再来訪を促す仕組み。)
・ポイントが消えてしまうのが、勿体ない。使わないとポイントがなくなる。
・また購入しないとランクも下がってしまう。ランクが下がると受けられる特典が減ってしまう。

■:楽天におけるゲーミフィケーションまとめ

楽天市場では、ありとあらゆる仕掛けにより「再来訪を促すこと」を徹底して実施しています。これらの再来訪を促す仕組みを実施する理由は、出店店舗から見て、楽天市場による 「集客力」を期待されているからです。楽天市場に出店することで、楽天の会員に対して、 「店舗のページ・商品を見つけ購買して貰える可能性がある」ので、 出店店舗は、商品力を強化・販売することに集中できるのです。この購買を促すための部分にお金をかける、集客をするということについては、リアル店舗が多数入居するデパート、大型ショッピングモールなどの 商業施設の運営事業者とやっていることは同じです。

そこから、1歩踏み込みポイントが倍付けされたり、ランクが無作為に上がるだけの仕掛けではなく「ポイントがなくなる」、「ランクが下がる」など、マイナス要因になるものを利用して、 より強固に来訪を促す仕組みを構築していることが、結果としてユーザーの来訪を促しているです。購買者であるユーザーにとっても、これらの仕組みにより、「楽天市場で買い物をすれば得をする」、 「楽天市場に行けば、探しているものが見つかる」などのメリットが提供されています。

結果、楽天は出店企業・店舗が商品を売りやすく、ユーザーには商品を買いやすくするなど双方にメリットを提供することでロイヤリティを高め、エンゲージメントすることに繋げているのです。

以上が、現在の楽天におけるゲーミフィケーション要素の活用事例のまとめになります。基本的にこれらのポイントを軸に置いた仕組みで、現在の楽天成り立っているわけですが今後ポイントなどによる金銭に代わる外的要因だけでなく、お金に依存せずユーザーが自ら セルフモチベートし行動する内的要因による、継続利用を促す仕組みができることを期待しています。

それでは、次回の記事でお会いしましょう!

■著者紹介

深田浩嗣(ふかだこうじ)
株式会社ゆめみ(代表取締役 社長)。1976年京都生まれ。京都大学大学院情報学研究科在学中2000年1月に株式会社ゆめみを設立。高い技術力を駆使し、モバイルEC、メール配信、大規模CRMの開発やソーシャルゲームプロバイダなど「モバイルを戦略的に使うためのコンシェルジュ」として、モバイルインターネットサービスの企画・開発・運営を手がける。ゲーミフィケーションの詳細はコチラ公式ブログほか、Twitterはコチラ。facebookはコチラです。
《深田浩嗣》

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