12月のゲーム業界の転職マーケットは、引き続きソーシャル業界が牽引する形で活況を呈しました。大手パブリッシャーや中堅パブリッシャーから、WEB系エンジニアはもちろんWEBディレクターやデザイナーといったWEB系人材の求人が相次いだことが、これまでにない特徴的な動きです。オンラインやソーシャルに参入したコンシューマー業界が、いよいよ本格的にWEB系人材獲得に乗り出したことが伺えます。■求められるPS3、Xbox360経験者コンシュマー業界では依然としてPS3やXbox360といった次世代機経験者のニーズが高く、プログラマーだけでなくデザイナーの求人も数多くあります。しかし転職マーケットではなかなか経験者とお会いすることがなく、需要と供給のバランスの崩れを強く感じざるを得ません。DSやWiiの経験者は市場に多く存在していることから、コンシューマー業界がDSやWiiの開発に注力した結果、PS3、Xbox360のクリエイターの育成を怠ったことが次世代機経験者不足の要因であると考えられます。逆に転職希望者側からすれば、現状をチャンスと捉えることができるでしょう。PS3やXbox360の経験を有する人材は引く手数多であり、またとない好機であると言えます。■終息にむかうソーシャルバブルソーシャルゲーム業界の活発な採用は、12月も継続傾向にありました。エンジニアは採用ニーズの高い状態が続いています。しかし、ディレクターやデザイナーに関しては現状維持、もしくは求人数の減少も見られるなど、ポジションによってはバブルの終息を感じさせ、ピークは過ぎた感があります。急激に人材を増やしたあとはしばらく教育に力を注ぐことも考えられ、ソーシャル業界もそろそろ組織固めの時期にさしかかってきたのかもしれません。■著者紹介横山 法典(よこやま のりおき)1974年生まれ。山口県出身。山口大学人文学部卒。IT・インターネット・ゲーム業界に特化して採用支援を行う株式会社ワークポートの転職コンサルタント。ゲーム業界の企業担当を経験し業界の求人情報に精通。また、ゲーム業界関係者の転職相談を担当。毎月多くの現場の声に耳を傾けている。企業側の求人情報と転職活動を行う業界関係者からの情報を基にゲーム業界の転職マーケットを分析する。