IGDA日本グローカリゼーション部会、第4回研究会「大規模プロジェクトにおけるローカライズフロー」(前編) | GameBusiness.jp

IGDA日本グローカリゼーション部会、第4回研究会「大規模プロジェクトにおけるローカライズフロー」(前編)

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IGDA日本のグローカリゼーション部会は27日、第4回研究会「大規模プロジェクトにおけるローカライズフロー」を開催しました。
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IGDA日本のグローカリゼーション部会は27日、第4回研究会「大規模プロジェクトにおけるローカライズフロー」を開催しました。

IGDA日本は「国際ゲーム開発者協会」の日本支部。グローカリゼーション部会は、そのIGDA日本に属する専門部会で、ローカリゼーション技術の向上、海外向け配信の可能性などについて議論します。
今回はそのグローカリゼーション部会による研究会の4回目。こうした研究会には、基本的に誰でも(=ゲームメーカーに所属していなくとも)参加することができます。

発表に先立ち、IGDA日本の世話人のひとりであるゲームジャーナリスト・小野憲史氏がこうした概要を説明。来年からは現在8つある部会に加え、テクニカール・アーティストの専門部会と、アンドロイドの専門部会が立ち上がる予定であることを明らかにしました。
第4回目となるローカリゼーション部会のテーマは、「ローカライズを含めた大規模プロジェクトのフロー」で、登壇するのは『ラングリッサー』、『グローランサー』、『ワンダと巨象』などに携わってきたゲームデザイナー・簗瀬洋平氏です。

ここでいう「大規模プロジェクト」とは、常に50〜60人の人間が2年ほど開発に従事しており、延べ人数で120人程度のもの。予算は10億円を超えるものを想定しているといいます。

簗瀬氏は企画の立ち上げ、海外のクライアントへのプレゼン、仕様の決定、シナリオ執筆、ローカライズ、外部向けの資料作成などを担当。自身は翻訳ができるわけではないものの、海外のほうが販売数が多いタイトルでもプロジェクトの全貌を把握する人間がいなかったため、こうした仕事をするようになったといいます。

今回こうした発表をする意図としては、ローカライズ=翻訳というイメージが強いが、海外でゲームをうるためには立ち上げからマスター後のプロモーションまで外国語の関わるところが多いことにあるとのことです。「翻訳しか見えていないとディスコミュニケーションが起こりやすい。ここで全貌をまとめることでローカライズの知識を共有できれば」と簗瀬氏。

ここからは、各段階を具体的に見る形で話が進められます。

■企画立案
企画立案の段階では、過去の資産や技術をもとにコンセプトを立てます。海外のクライアントに見せるため、そうした案を20〜30用意するとのことです。ここで注意したいのは、「明らかに流行するものには乗らないことだと」だといいます。
海外のディベロッパーはひと足先に動いていると簗瀬氏。「映画『トワイライト』が流行ったからといって、ヴァンパイア物の企画を持っていっても遅いのです」

■企画草案作成
海外担当の外国籍を持つ社員に、早い段階から相談し草案を作成します。しかし、これはいわば「地雷」を踏まないようにするためで、その社員を「救世主」のように見るわけではないといいます。
また、海外のクライアントに見せる企画案では極端な話、そのゲームでは「どのキャラクターがいつ誰と戦うか」が最も重要で、、ゲームジャンルにはこだわらず先方に合わせて便宜上に付ければいいとのことです。

■プレゼン
TGSやE3、GDCといったイベントの際、海外のクライアント候補と接触します。このとき、1タイトルに付き2ページ程度の草案を見せ、意見を聞き、後日持ち込む企画書に反映させます。たいてい1時間ほどしかないため、用意した20〜30の企画のうち、そのクライアントに合ったものをいくつか見せます。
ここでは各社の動向を把握すると同時に、雑談からいろんな情報を得ることも重要。海外掲示板のチェックやコンサルタントと契約し、意見を求めてもよいとのことです。

ここで「閑話休題」と簗瀬氏の経験談が入ります。
簗瀬氏はかつて、海外のクライアントにプレゼンする際、本人→通訳→クライアント→通訳→本人…という手順を踏んで会話を進めていたといいます。
しかしこれでは、クライアントと会う時間の大部分が通訳に割かれてしまいます。そこで、英語のpodcastを毎日聞き込むことでクライアントの話している内容が半分は理解できるようになり、時間の大幅な節約になったとのことです。
英語が苦手な方は、この方法を試してみてはいかがでしょうか。

さて、本題に戻ります。

■企画書
プレゼンで草案に興味を示してくれたクライアント側のプロデューサーが、(クライアント側の)社内で企画を通すための企画書を作ります。このとき、予算は自社の持ち出しになるものの、プリプロ映像もしくはプロトタイプ版があったほうが良いといいます。
同じ予算と期間があると仮定すれば、プロトタイプ版よりはプリプロ映像のほうが、よりイメージを伝えやすいと簗瀬氏はいいます。

■GDD
ここでいうGDDとは「Game Design Document」の略で、ゲームそのものの仕様書をいいます。簗瀬氏は「これだけで一講演できる内容になってしまう」とし、この段階を割愛。「いずれにせよ、相手を納得させられるきめの細かさとスピードが重要」といいます。

■プロト作成
提出した企画をどう実現するか、形として示すためプロトタイプを作成します。これをきっちり作ることで、クライアント側の担当者との話を進めやすくなるとのこと。そのためには本編の一部としてよりも、完結したプロジェクトとして作るべきだと簗瀬氏。「企画が通ったらプロトタイプを捨てるくらいの気持ちで、ひとつの作品として見ます」
また、プロトタイプの段階で一度ローカライズをしておくと、のちの本制作時に良い影響をもたらすといいます。

■市場調査
クライアント側もディベロッパー側も、企画の良し悪しを根拠のない感覚で語りがちです。そこで必要となるのが市場調査です。これはプロトタイプ作成と並行して行うか、本制作が始まった段階で行うといいます。
クライアントに見せた企画書とは別の資料を用意し、アンケートやフォーカステストで現地の人たちの反応を見ます。このとき、キャラクターやデザイン、設定案を複数見せることで、それぞれの期待度をはかることができるとのことです。ただそのとき、コンセプトを外さないように留意しなければなりません。

ここで再度、「閑話休題」です。
簗瀬氏によると、海外のクライアント(候補)と話をする際、相手の名前がわかっていればLinked Inなどを使って経歴を調べておくといいとのことです。というのも、相手の好みや関わってきたゲームを知ることで、それらを例にとって企画を説明することができるからです。また、「あなたがプロデュースしたゲーム、好きなんです」といった雑談から企画の持ち込みにつながることもあるといいます。

レポート後編では、いよいよ本制作の段階に入ります。
《土井大輔》

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