底知らずのソーシャル市場・・・横山法典「転職コンサルタントが見たゲーム業界のいま」第2回 | GameBusiness.jp

底知らずのソーシャル市場・・・横山法典「転職コンサルタントが見たゲーム業界のいま」第2回

■底知らずのソーシャル市場

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■底知らずのソーシャル市場

先月はまさに、「ソーシャル一色」と呼べる月でした。ソーシャル市場の「これでもか!」という採用意欲には驚かされます。大手モバイルコンテンツプロバイダーも、採用の競合相手としてSAP(ソーシャルアプリケーションプロバイダ)を強く意識しています。

このようなSAPの採用では「決断の早さ」と「懐の深い採用基準」が特徴です。SAPには若いベンチャー企業が多いため、選考回数や面接日程の調整など、柔軟な対応が可能であり、選考が非常にスピーディーです。また、他の業種・業態の企業と比較すると、採用基準が緩やかであり、採用決定に至りやすいと言えます。伸び盛りの業界で、とにかく人手が足りない状況であれば、企業側は「先に人材を確保し、採用後に育成する」という戦略を採るようになります。SAPは今まさに、そうした状態にあるのです。

■コンシューマ業界では経営悪化企業が増加

コンシューマ業界からの転職相談者が増えています。これらの方々の半数以上が、現職企業の経営悪化を転職理由に挙げています。既に解散状態にある企業や、倒産寸前という企業が少なくありません。しかも、数年にわたって経営が安定していたにもかかわらず「今年になって急激に経営状況が悪化した」という話も耳にします。特に目立つのはディベロッパーですが、パブリッシャーも例外ではありません。コンシューマゲーム市場の縮小が、転職マーケットにも大きな影響を与えています。

■転職活動に苦しむデザイナー

ゲーム関連職種にはプランナー、ディレクター、プロデューサー、プログラマー、デザイナーなどがありますが、中でも最も転職活動に苦しんでいるのはデザイナーの皆さんでしょう。特に3Dデザイナーの方が転職に苦戦するケースが多く見られます。その理由のひとつに、需要と供給のアンバランスが挙げられます。求人枠に対して転職希望者の人数が多く、さらに専門学校を卒業した多くの新卒人材が毎年参入してくるため、供給過多の状況が続いているのです。また、企業側の教育不足も大きな要因と言えます。選考不通過の理由として最も多いのが「年齢に対する経験不足・スキル不足」です。独学に依存する環境が、若者のスキル低下を招いているように思えます。

■著者紹介

横山 法典(よこやま のりおき)
1974年生まれ。山口県出身。山口大学人文学部卒。IT・インターネット・ゲーム業界に特化して採用支援を行う株式会社ワークポートの転職コンサルタント。ゲーム業界の企業担当を経験し業界の求人情報に精通。また、ゲーム業界関係者の転職相談を担当。毎月多くの現場の声に耳を傾けている。企業側の求人情報と転職活動を行う業界関係者からの情報を基にゲーム業界の転職マーケットを分析する。
《横山法典》

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