
東京ゲームショウ2026(TGS2026)のDMM GAMESブースにて、15周年を迎える同サービスの今後を紹介するビジネス向けステージが実施されました。
4,000万人を超える会員基盤を持ち、PCからスマートフォンまで幅広い環境でゲームを展開してきたDMM GAMES。長年にわたり国内ゲーム市場で独自の存在感を築いてきた同サービスが、次の成長に向けてどのような戦略を描いているのかが語られました。
当日は、合同会社EXNOA CEOの東條寛氏、執行役員 マーケティング本部長兼プロダクト本部長の網代勇気氏らが登壇。続く別セッションでは、ビジネスアライアンス本部 シニアアカウントマネージャーの高田康孝氏が、PC版同時リリースを軸とした事業戦略を紹介しました。
一連の講演では、DMM GAMESの事業戦略に加え、PC版展開やUnreal Engine向けSDK、MCPサーバーなど、ゲーム開発・運営の現場に役立つ取り組みも数多く紹介されました。
15周年のDMM GAMES、iPhone・海外へ展開を拡大

まず東條氏は、DMM GAMESの15年間と今後の成長戦略を説明。DMM GAMESは2011年12月にサービスを開始。現在は会員数4,000万人を超え、オンラインゲーム約260タイトル、ダウンロード型ゲーム約1万5,000タイトルを展開しています。2026年8月31日にはiOS向けのゲームストアもリリースされ、更なる展開が見込まれます。
DMMグループ全体では6,000万人を超えるユーザー基盤を持ち、他サービスとの相互送客もできるのがプラットフォームの強みとして挙げられました。

コンテンツ面では、今後3年間で200億円規模を投資する方針を改めて示します。現在、自社パブリッシングタイトル39本の運営以外にも、開発中タイトルが16本あると発表します。アジア圏や英語圏を中心とした海外展開も進めていくとしました。
DMM GAMESの売上、66%はPC

続いて網代氏は、DMM GAMESのユーザーデータを紹介しました。ユーザーは男性が92%、女性が8%。年代では30代がもっとも多く、20代から40代が中心です。デバイス別の売上ではPCが66%を占めており、マルチデバイス化を進める現在でもPCが大きな基盤になっていることを明らかにしました。
1人あたりのプレイ本数は平均で3.5本。複数タイトルを遊ぶユーザーが多いことも特徴として挙げました。PCのみならずAndroid版の実績も明かされました。
Android版『GAMES STORE』は730万DLを突破。iPhoneについても同程度の市場規模を目標としており、2026年12月までにはパートナー企業にもゲームストアを開放する準備を進めています。新規アプリタイトルについては、AndroidとiPhoneでの同時展開も推進する方針です。
15周年施策としては、2026年11月から2027年1月にかけて、プレゼント企画やポイント還元、15周年の歴史を振り返る企画、限定商材などを展開する予定とのこと。

ここまでのセッションでは、4,000万人を超えるユーザー基盤を背景に、コンテンツへの投資とiPhoneを含めたマルチデバイス展開を両輪として成長を図るDMM GAMESの現在地が示されました。
PC版同時リリース時代の事業戦略

続いて行われた「DMM GAMESプラットフォーム戦略発表 PC版同時リリース時代の事業戦略」では、合同会社EXNOA ビジネスアライアンス本部 シニアアカウントマネージャーの高田康孝氏が登壇しました。
こちらのセッションでは、アライアンスの観点からPCゲーム市場の動向や、スマートフォン版とPC版を同時にリリースする「同発」、開発者向け支援、パートナー企業との協業について説明されました。
PC市場の拡大を背景に、スマホとの「同発」を提案
講演で示されたデータによると、国内のPCオンラインゲーム市場は2023年度の2,359億円から2025年度には3,101億円まで拡大し、3年間で31.5%成長しています。

また、家庭用ゲーム、PCゲーム、モバイルゲームを遊ぶ国内ゲーム人口5,639万人のうち、複数のデバイスを使って遊ぶユーザーは2,446万人。全体の43%を占めるといいます。こうした市場の変化を踏まえ、DMM GAMESが提案するのが、スマートフォン版とPC版を同時にリリースする「同発」です。
高田氏はその背景として、ゲーム開発費の高騰やユーザーの可処分時間を巡る競争、多面的なユーザー導線の必要性を挙げました。

DMM GAMESでは、PC版を同時に展開する意義を「獲得」「初速」「回収」の3点に整理。スマートフォンだけでは届かないPCユーザーを獲得し、サービス開始時から複数の市場で初速を作るとともに、ユーザーが生活に応じてデバイスを使い分けられる環境を作ることで、長期運営につなげる狙いです。DMM GAMESのデータでは、“同発”でリリースされたタイトルにおいては事前登録ユーザーを集めやすい傾向も示されました。
さらに、複数デバイスを利用するユーザーは、単一デバイスのみを利用するユーザーと比べて、課金額やログイン日数が高い傾向にあることも、PC版展開を推進する理由として紹介されました。
Unreal Engine向けSDKやMCPサーバーで開発者を支援
PC版を展開するメーカー向けの開発環境も拡張しています。DMM GAMESでは従来Unity向けSDKを提供しており、Unreal Engine向けSDKを新たに提供する方針を示しました。さらに、Cocos CreatorやGodot向けSDKも今後の対応先としてスライド上で示されています。 開発者向けMCPサーバーの導入も予定されています。

現在提供している開発者向け「デベロッパーセンター」の情報をMCPサーバー経由でAIから利用できるようにすることで、技術調査や実装方法を調べる時間を削減し、ゲーム開発そのものに集中しやすい環境を目指すとのこと。
実際のPC展開例としては、『SDガンダム ジージェネレーション エターナル』を紹介。同作はスマートフォン版のサービス開始後、2026年7月にDMM GAMESでPC版がリリースされました。
一方、『シノビNEXUS -閃乱カグラ-』では、サービス開始前からDMM GAMES上で事前登録施策を展開。トップページでの訴求や専用LP、ミニゲーム、DMMポイントなどを組み合わせ、プラットフォーム側からもプロモーションを支援しています。
パートナー企業との協業については、既存タイトルをDMM GAMESで展開するサードパーティー型だけでなく、共同開発、共同事業や出資といった形も提示しました。また、投資対象はゲームだけに限らず、書籍、アニメ、音楽、マーチャンダイジング、舞台、映画、ライセンスなど、IPを軸とした幅広い領域を視野に入れているとのこと。
TGS2026での講演からは、DMM GAMESがPC市場への展開を単なる販路の追加にとどめず、開発環境やマーケティングを含めた包括的な支援として捉えていることがうかがえます。
特にUnreal Engine向けSDKやMCPサーバーなど、タイトルを受け入れるだけでなく、その前段にある開発環境まで整備しようとしている点は今回の講演でも印象的です。PC版の「同発」を広げるうえで、こうした開発者向け施策がどのように活用されていくのか注目されます。






