
ゲームの企画・開発・運営事業を展開するサイゲームスは9月4日、自社の基礎技術研究所Cygames Researchと東京科学大学による共同研究論文が、コンピュータービジョン分野の国際会議「ECCV2026(European Conference on Computer Vision)」に採択されたと発表しました。
ECCVはCVPR、ICCVと並ぶコンピュータービジョン分野の主要国際会議のひとつで、2026年は9月8日(火)から12日(土)までスウェーデン・マルメで開催されます。今年の採択率は27.5%(10,473件中2,883件)となっており、狭き門であることがうかがえます。
演技の強弱をスライダーで調整する「Motion Style Slider」

採択された論文のタイトルは「Motion Style Slider: Endpoint-Supervised Continuous Style Control for Human Motion Diffusion」です。著者は東京科学大学の廖振傑特任助教、小池英樹教授らと、サイゲームスの小野祐為氏、花岡洋輝氏、倉林修一氏ら、東京大学の研究者を合わせた8名です。
提案された新技術は、感情表現のない標準動作と演技スタイルを付与した動作の2種類のデータを入力とし、演技の強弱をスライダーのように連続的に調整できる点が特徴です。中間的な演技データを事前に用意する必要がなく、控えめな演技から強調された演技まで自由に調整できます。
発表によると、従来のモーションスタイル変換では、「喜び」「悲しみ」「怒り」といった演技表現を扱えても、その強度を細かく調整するには追加のモーション撮影やデータ準備が必要になる場合があり、制作現場では時間やコストの負担につながっていたといいます。
今回の手法は、こうした演技強度の調整を連続的に行えるようにすることで、モーション制作時の調整負担を軽減することを狙ったものです。
研究にはサイゲームスの大阪モーションキャプチャースタジオで独自作成されたモーションデータが活用されているとのこと。本論文はECCV公式プログラムでポスター発表として登録されており、9月11日に展示される予定です。
サイゲームスは今後、ゲーム、映像、アニメーション、バーチャルキャラクター制作などへの応用を見据え、より自然で破綻の少ないモーションスタイル変換を目指すとしています。異なるキャラクターや演技スタイルへの適用、制作ワークフローとの統合に向けた研究開発も進めるとのことです。






