ピクセルは2026年7月21日、シューティングゲーム『スチームパイロッツ』に関して同社と作曲家・古川もとあき氏の間で争われていた裁判が結審したことを報告しました。
ピクセルから古川もとあき氏に対しての開発費請求、古川氏からピクセルへの損害請求は共に棄却

本件は古川もとあき氏が発起人となって立ち上げたゲーム制作プロジェクト『スチームパイロッツ』に端を発します。同作はクラウドファンディングで開発資金を集め、ピクセルがゲーム開発を行うという形で開発が進められてきました。
2度のクラウドファンディングで合計11,022,700円の支援を受けるものの、開発を担当したピクセルには一切の資金が支払われておらず、2022年1月に開発からの降板を発表、同年3月にピクセル側から古川もとあき氏に対しての開発費未払いを求める訴訟が提起されました。
これらの結果、2023年にはプロジェクトは実質的な中止となり、クラウドファンディングを行ったマクアケから出資者への返金が行われています。
また、2023年には古川氏側からピクセルに対し開発降板に対し発生したとする損害賠償請求、およびピクセル代表の佐々木英州氏による名誉毀損を訴える反訴が行われています。
その後、さまざまな和解案が出るものの、2025年にそれらはすべて決裂。裁判の場にて判定が下されることとなりました。
2026年1月29日に仙台地方裁判所は、以下のような判決を下しました。
本作は共同制作契約によって「ゲームの販売後」に利益折半することに合意しており、ピクセルから古川もとあき氏に対しての報酬の請求権は発生しない。
古川もとあき氏からピクセルへの損害賠償についてはゲームの完成後に得られる利益に影響が出るものであったとみられ、やむを得ない事情によってゲーム完成前に開発を降板したピクセルにはそもそも損害賠償が発生しえない。
ピクセル代表の佐々木英州氏から古川もとあき氏に対しての名誉毀損は一部これを認め、40万円の支払いを科す。
1月30日にピクセル側は「古川元亮氏らが主張する共同制作契約は、ゲーム業界が認識している共同開発、共同制作の定義からかけ離れた杜撰なものであり、それを前提とした本件の判決は大変遺憾」と表明し、高等裁判所へと控訴。しかしながら、二審も一審判決を支持する判決が7月7日に下されたということです。
ピクセル側は「CFの事情が一切考慮されていないなど、到底承服しかねる判決」とし、最高裁判所への上告も検討したものの、「これ以上本件に関わることよりも、前を向いて進むことの方が当社にとって最善であると考え、判決の受け入れを決定」したとのこと。
ピクセルは「"著名人の影響力を利用した理不尽、そのファンによるSNS上での誹謗中傷により、クリエイターが筆を折るほどに追い詰められるような状況がこれ以上繰り返されてはならない"という認識を、2021年の係争開始時から当社弁護人らと共有し、裁判の結果よりも重視してきました」とし、改めて古川氏らがこれまで『ももいろアンダーグラウンド』『蒼弾ブレイク』『スチームパイロッツ』といったプロジェクトで同様のトラブルを繰り返してきたことを指摘。「"抑止力"という意味では、ある程度の目的は達成できたと考えます」と表明しています。
かくして、一区切りとなった『スチームパイロッツ』を巡る騒動。今後似たようなトラブルが起きないことを祈るばかりです。









