1週間の気になる生成AI技術・研究をいくつかピックアップして解説する連載「生成AIウィークリー」から、特に興味深いAI技術や研究にスポットライトを当てる生成AIクローズアップ。
今回は、Y CombinatorのCEOであるギャリー・タン氏(Garry Tan)が、自身のClaude Code用カスタムスキル「gstack」をGitHubでオープンソース(MITライセンス)として無料公開したことを取り上げます。

タン氏はCEOとしての多忙な日常業務をこなしながら、このgstackを活用して60日間で60万行以上(35%テストコード)のプロダクションコードを書き上げました。これは1日あたり1万から2万行の実用的なコードを出荷している計算になり、たった1人でかつての20人規模のチームに匹敵するスピードを実現しています。

▲2013年の手動開発(772貢献)と、gstackを駆使した2026年の開発活動(1,237貢献)を視覚的に比較したGitHubコントリビューショングラフ
gstackは、Claude Code(Codex、Gemini CLI、Cursorなどにも対応)を単なるコーディング補助ではなく、バーチャルエンジニアリングチームに変えます。18の専門家と7つの強力なツールがスラッシュコマンド(Markdown形式)として用意されています。
例えば、コードを書く前にプロダクトの根本的な課題を問い直す「/office-hours」、CEOの視点で要件を見直す「/plan-ceo-review」、アーキテクチャやテスト計画を固めるエンジニアリングマネージャーの「/plan-eng-review」、実際のブラウザを開いてテストを行うQAリードの「/qa」、そしてワンコマンドで本番環境へデプロイするリリースエンジニアの「/land-and-deploy」など、多岐にわたります。
開発の流れは「考える → 計画する → 構築する → レビューする → テストする → 出荷する → 振り返る」というスプリントとして体系化されており、各ステップの出力が次のステップへと自動的に引き継がれます。1つの機能にかかる時間は約30分ですが、このスプリントを同時に10から15個並行して実行できます。
また、OpenAIのCodex CLIを利用して別のAIからセカンドオピニオンをもらう機能、誤ってデータを消去しないためのセーフティ機能(/carefulや/freeze)、コードの変更に合わせてREADMEなどのドキュメントを自動更新する機能(/document-release)など、実践的なツールも揃っています。

▲OpenAIのCodex CLIでセカンドオピニオンを実施して得られた改善提案
gstackはMITライセンスのもとで完全無料で公開されています。







