NTTドコモが「X-MOMENT」で創るeスポーツの未来…NTTドコモ ビジネスクリエーション部 森永宏二氏【e-Sportsの裏側】 | GameBusiness.jp

NTTドコモが「X-MOMENT」で創るeスポーツの未来…NTTドコモ ビジネスクリエーション部 森永宏二氏【e-Sportsの裏側】

2021年から本格始動したNTTドコモによるeスポーツリーグ「X-MOMENT(エックスモーメント)」。プレイヤーの熱い姿を届け、世界で戦える競技シーンを目指す。

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NTTドコモが「X-MOMENT」で創るeスポーツの未来…NTTドコモ ビジネスクリエーション部 森永宏二氏【e-Sportsの裏側】
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2021年、NTTドコモはeスポーツリーグ「X-MOMENT」を立ち上げ、競技を世間に広める活動を行なってきました。今回はNTTドコモがeスポーツにかける想いを、ビジネスクリエーション部の森永宏二氏(eスポーツビジネス推進 担当課長)に聞きました。



◆ドコモが手がけるeスポーツリーグ「X-MOMENT」


――NTTドコモ(以下、ドコモ)が展開する「X-MOMENT」について教えてください。

森永宏二氏(以下、森永)「X-MOMENT」とは、eスポーツリーグのブランドです。現在はバトルロイヤルゲーム『PUBG MOBILE』、FPSゲーム『レインボーシックス シージ』、カプコンさんと共催する格闘ゲーム『ストリートファイターV(ファイブ)』のリーグを開催しています。

――球技のリーグと同じようなイメージで良いのでしょうか?

森永シンプルに言うと(バスケットボールの)Bリーグさん、(卓球の)Tリーグさんのようなプロの競技シーンを作っていくリーグです。そんなイメージで捉えていただければと思います。

――「X-MOMENT」を設立した背景をお聞きしたいです。

森永日本のeスポーツで、競技シーンをより広めていくためにドコモが貢献できることはないか。欧米や韓国、中国と同じレベルで戦える競技シーンを作っていきたいといった想いから「X-MOMENT」を立ち上げました。

2021年の2月に『PUBG MOBILE』を開始し、3月から『レインボーシックス シージ』を、『ストリートファイターV』は5月に発表し、10月から開催しました。

◆eスポーツと通信は切っても切れない関係


――ドコモがeスポーツ関連の取り組みを始めたのはいつ頃からだったのでしょうか?

森永ドコモでは2017年ごろからeスポーツに関心を寄せていました。当時は5Gのサービス開始前ですが、eスポーツと5Gは相性がいいのではないかと思い、一番最初は「EVO JAPAN 2018(対戦格闘ゲームのトーナメント大会)」にブース出展をしました。バンダイナムコさんの『鉄拳』を用い、通常はPC同士を有線で繋いでタイムラグがなく対戦するのですが、5Gを使ってもラグがなく試合ができるというチャレンジを行いました。

翌年の「EVO JAPAN 2019」ではブースに来場したアマチュアのプレイヤーと、ブースから離れた楽屋にいるプロプレイヤーの対戦を行ないました。お互い離れた場所にいるプロとアマチュアがVR空間でアバターを使って対面し、対戦のレクチャーを受けるというのもやりましたね。

同年の東京ゲームショウでは、5Gを活用したeスポーツの世界観をテーマに出展しました。5Gのテスト端末を使った対戦ゲームや、5Gのルーター型端末とPCを繋いだ対戦といった展示でした。2017年から3年間は、色んなことの積み重ねでした。

――その3年間で感じたものはなんでしょうか?

森永「eスポーツには通信が欠かせない」と感じました。例えばバトルロイヤルゲームでは複数のプレイヤーが対戦しますが、自分で映像をスイッチングして観たいプレイヤーにフォーカスを当てたり、実況解説を聞いたり。そういったマルチアングルでも有用性がありました。

また、プロプレイヤーは必ずしも東京にいるわけではなく、全国各地に住んでいます。教育の観点から、遠隔地でもVRならレクチャーなどができることを実感しました。eスポーツと通信は切っても切れない関係で、そこに5Gのソリューションを発揮できる可能性があると感じたのは大きかったです。

――当時浮き彫りになった課題はありましたか?

森永明確な課題があったわけではありませんが、eスポーツのどの分野でドコモはビジネスができるのか、どこにスコープを当てたらいいのか、という検討はしましたね。また、社内で「eスポーツには可能性がある」という声があれば、「マーケットとしてどうなのか」という意見もあり議論しました。ただ、ドコモは新しいことにチャレンジすることに対して非常に前向きな会社で、その環境が後押ししてくれました。

◆「X-MOMENT」で熱狂の瞬間、競技シーンを伝えたい


――そして2021年に「X-MOMENT」の設立となったのですね。リーグの名称の由来、込めた想いはありますか?

森永ドコモだけでは日本のeスポーツシーンを盛り上げることはできません。ゲームパブリッシャーさん、チームやプレイヤーの皆さん、さらに関わっているパートナーさんに競技シーンを見ていただいて、「MOMENT(瞬間)を重ねて、熱狂の瞬間を掛け合わせて(X『クロス』)いきたい」という想いが「X-MOMENT」には込められています。

――「X-MOMENT」を観ているユーザーの年齢層は主に10代、20代でしょうか?

森永はい、YouTube配信のデータなどを見るとやはり若い層が圧倒的に多く、視聴時間も長いです。

――eスポーツリーグを観るきっかけはどのようなものがあるのでしょうか?

森永プレイヤーやチームから関心を持つ方もいれば、「上手い人のプレイが見たい!」というニーズもあるようです。競技シーンを盛り上げていくことももちろんですが、競技シーンに関心を持ってもらう機会の提供も大切だと思っています。

――「X-MOMENT」を1年間やって感じたことはなんでしょうか?

森永新たな試みだったため、当初想定した通りにできたものもあれば、当然そうではないものもありました。特に、熱い競技シーンやプレイヤーをお客様にオフライン(生)で観ていただく環境を一度も準備できませんでした。その部分はドコモだけではなく、(コロナ禍にある)日本のエンターテインメント全体に関わることですが、苦しかったですね。勝敗で涙するプレイヤーもいますし、彼らの想いは本当に熱いんです。それを観ていただける機会を今年は作っていきたいと思っています。

――その一方で、オンラインだからこそ地方に住んでいても参加しやすくなった部分もあると思います。今後どのような展望が見込めるでしょうか?

森永すべてオフラインでやるわけではなく、当然オンラインでやれることもあります。eスポーツの特性は、極論を言えば通信があれば離れた場所にいても対戦が成立することで、コロナ禍でもできる競技です。でも競技シーンの中でも最終盤の盛り上がりはオフラインで観ていただきたいですし、5Gも絡めた新しい試みとして例えばXRとの連携だったりオンライン空間で皆さんに観てもらうようなチャレンジもして、ハイブリッドで成立させていきたいですね。

◆パートナー企業との連携、世界で戦える環境作り


――「X-MOMENT」の発表当時、反響はいかがでしたか?

森永前向きに応援する意見をいただけたと思っています。1年目は行き届かなかった点もありましたが、「ドコモが運営するeスポーツリーグだから何かやってくれそう」と期待を頂いているとは感じています。

――パートナー企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

森永「X-MOMENT」という媒体の中で何かを一緒にやったり、リーグの中で連携したりすることがベースですが、それ以外にもドコモが持っている媒体(Twitter等)でも盛り上げます。社内で連携しながら提供できるのもドコモが運営するメリットかと思います。

――最後に、「X-MOMENT」の将来的な目標を教えてください。

森永目指すのは「世界に繋がるeスポーツリーグ」です。「X-MOMENT」に参加しているチームが世界でも戦っていける環境作りを一番に考えています。

オンラインセミナーではドコモが取り組むeスポーツの目的や狙いを話しますので、ぜひご参加いただければと思っています。



森永宏二氏も登壇する無料オンラインセミナーが3月25日(金)に開催されます。

■無料【オンラインセミナー】企業における若者マーケティング戦略~e-Sportsの裏側in Live~

開催日時:2022年3月25日(金)14:00~15:30
会場:オンラインセミナー
参加費:無料

<講演>日本最大級のeスポーツリーグ「X-MOMENT」の取組み
2021年2月からNTTドコモが開始した日本最大級のeスポーツリーグ「X-MOMENT」。コロナ禍の中、船出したX-MOMENTの1年間の各種取組みを振り返りながら、来年のシーズンに向けた新たな取組み、パートナー企業様との連携イメージなどを語りつくす。

  1. 2021年の「X-MOMENT」の取組み
  2. 来シーズンに向けた新たな取組み
  3. パートナー企業様との連携イメージ
「企業における若者マーケティング戦略 ~e-Sportsの裏側in Live~」
セミナーの詳細はこちらから
《森元行@Game*Spark》

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