BlueStacksとティーガイアが業務提携へ―モバイルe-Sportsプラットフォーム「Game.tv」でエコシステムの確立目指す | GameBusiness.jp

BlueStacksとティーガイアが業務提携へ―モバイルe-Sportsプラットフォーム「Game.tv」でエコシステムの確立目指す

世界初のモバイルe-Sportsプラットフォーム「Game.tv」が正式に日本上陸。AIを活用し、人の手を必要としないモバイルゲーム大会の告知/開催/運営が可能になるとしました。

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BlueStacksとティーガイアが業務提携へ―モバイルe-Sportsプラットフォーム「Game.tv」でエコシステムの確立目指す
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2019年11月21日、シリコンバレーに本社を構え、PCのBlueStack Systems(以下、BlueStacks)と、国内最大手の携帯電話販売代理店である住友商事グループのティーガイアは合同記者発表会を行い、両社の資本業務提携、および世界初のモバイルe-Sportsプラットフォーム「Game.tv(ゲーム ドット ティーヴィー)」の日本上陸を発表しました。

「Game.tv」はAIを活用しているのが大きな特徴で、AIボットをDiscordやTwitterなどにプラグインすることで、大会運営のノウハウを学習。やがて参加者の趣向に合わせて自動的に大会の告知や運営、開催、管理をしてくれるというものです。

BlueStacksのCEOであるローゼン・シャルマ氏は「(ティーガイアの代表取締役社長である)金治(伸隆)氏は、非常に優れたビジョンと先を見通す目を持つ方です。今回、こうしてご一緒させていただけることをうれしく思います」と挨拶しました。

続いて登壇した金治氏は今回の業務提携発表に際し「決済」と「5G」という二つのキーワードを挙げ、「現時点の「Game.tv」は決済機能を必要としているわけではないが、いずれ必要になるときがくるとにらんでいる。また、きたる5Gを普及させるキラーコンテンツは、(モバイル)ゲームになるだろうと考えた。そういう未来がくれば、当社の利点を生かすために打てる手はいくらでもある。私たちは(ゲーム業界に身を置くという意味では)新参者ですが、数年後には名前を広く知ってもらえる存在になりたい」と展望を語りました。

ローゼン・シャルマ氏(写真左)と金治伸隆氏(写真右)

続いて、シャルマ氏からAIボットの「Tourney(トーニー)」が紹介されました。「Tourney」は20ヵ国以上で150以上の大会を開催してきた実績を持つとのことで、シャルマ氏は「日々忙しいゲーム実況者のみなさんの大会開催を強力にサポートします」と意気込みを語ります。


また「Game.tv」には独自のスコアリングシステム「GELO」が採用されており、参加者や開催者をさまざまな面からスコアリング。「Game.tv」を介して開催される大会で結果を出し続けたり、「Game.tv」でさまざまな大会を開催し続けたりすることで、個人にスポンサーが付きやすくなるとのことです。


「Game.tv」のリリースを記念したキャンペーンも発表

さらに、ゲーム実証者の加藤純一さんも登壇し、同氏とコラボして『どうぶつタワーバトル』の大会「加藤純一タワーバトル 信者衛門杯 powered by Game.tv」が開催されることが発表。加藤氏は「自分にとってe-Sportsといえば、選手のみなさんが不断の練習を積んで激突するところを見るもので、このような形で自分も関われるとは思ってもみなかった」と心境を語りました。

ゲーム実況者の加藤純一氏(写真右)

続いて登壇したティーガイア 社長プロジェクト二部長の山口知宏氏は、e-Sports市場の現状を紹介しました。2018年時点でのe-Sports市場は世界でも約800億円弱。そのうち日本では約50億円となっています。山口氏はこれに関して「e-Sportsという言葉はすっかり有名になりましたが、知名度の割には市場規模はそれほど大きくはありません。これは、プロ野球やプロサッカーなどの観戦のように、お金を払って試合を見るというモデルになっていないからです。また、海外諸国ではe-SportsといえばPC(ゲーム)がメインで、日本での数字が大きくないのは日本(のゲーム文化)はファミコンブーム(≒テレビで遊ぶもの)に端を発するからだと思われます」と分析しました。

ティーガイアの山口知宏氏

氏は続けて既存のフィジカルスポーツになぞらえ、ユーザーのみなさん同士で開催される非公式の大会は、野球でいえば草野球。そして草野球で一番大変なのは、開催する場所を確保することです。この問題を解決してくれるのが「Game.tv」です」と続けます。


山口氏は「e-Sports市場のさらなる盛り上がりには、こうした裾野をしっかり広げることが大切です。キャリアやリテイラー、決済事業者の方たちとタッグを組んで、きたる5G時代に向けて「Game.tv」を中心としたエコシステムを組み上げていきます」とまとめました。


その後は、イードのメディア事業本部副本部長・森元行がファシリテーターを務め、シャルマ氏と山口氏によるパネルディスカッションが行われました。提示された議題と、それに対するお二方の回答を紹介します。
(ディスカッション及び質疑応答は敬称略)

議題:なぜ今になってe-Sportsが注目されているのか



山口"Sports"という言葉にはあまりこだわっていません。ただ、ゲームを取り巻く様相は、私の若い時と比べると大きく変わりました。今はニコニコ動画やYouTubeで、他の人がゲームしている姿を見て楽しむ文化ができています。今日のe-Sportsも、その延長線上にあると捉えています。

ローゼン若い人たちがプロゲーマーのプレイを見て「自分もやりたい、ああなりたい」という思いを抱くようになっています。そうした、既存のスポーツと同じようなコミュニティベースの盛り上がりが、e-Sportsの源流ではないかと思います。


日本における、今後のe-Sports市場の伸びしろは



ローゼンどうぶつタワーバトル』でe-Sportsという言葉を連想する方はあまりいないだろうとは思いますが、今日発表した加藤純一さんとのコラボを知って、これまでe-Sportsに興味を持たなかった人が大会に参加してくれるかもしれません。こういう積み重ねが、マーケットを大きくしていくと思っています。(e-Sports市場を拡大する)可能性は、さまざまなゲームにあります。

また、そのためにキーとなるのが、(今回発表した)AIの活用だと思います。人が集まれば大会の規模は大きくなりますが、それに伴い人の手も必要になってしまいます。ですが、開催・運営をAIが代行してくれれば、大会はそれだけ収益を出しやすくなります。


e-Sportsにおける、予期せぬトラブルのケアはどのようにすればよいと考えているか?



ローゼンそのための「Tourney」です! トラブル解決は彼に一任しています。

山口もちろん、AIが仕切ればもめごとを0にできるわけではありません。ですが、人間だけでやるよりも(トラブルの発生件数・頻度を)少なくできているのではという実感はあります。




最後に、来場者からの質疑応答と、発表会終了後に行われたメディア合同インタビューの模様をお届けします。

――発表では見えづらかったのですが、各社とも当面のマネタイズはどのように考えておられますか?

ローゼン詳細はお話できませんが、お金を払って試合を観戦するチケット制のようなものは一切考えていません。ユーザーのみなさんは「Game.tv」を無料で利用できます。また、スポンサードに関しても、マージンを取ることは考えていません。みなさんに落ちるべきお金は、みなさんに100%落ちることを考えています。

山口今年度中――2020年早々に「Game.tv」をベースにしたリアル店舗での大会開催を見込んでおりまして、今その準備を進めています。ユーザーさん同士による大会では現金の賞金は扱えませんので、賞品としてギフトカードが扱われることも多く見られます。そのためのギフトカード(のデジタルコード)を当社からご提供できればと、準備中です。

金治まだ具体的な絵は描けていませんが、当社ではさまざまなモバイル端末を扱っていますから、将来的にはゲーミング特化などの特殊な端末をプロモートしていくようなことも考えられます。


――「Game.tv」はDiscordにプラグインを導入するか、Webブラウザで使用するとのことですが、専用アプリにしなかった理由は何なのでしょうか。

ローゼンDiscord、Twitter、その他のSNSなど、現時点ですでにできているコミュニティでシームレスに使えるようにしたかったからです。単独のアプリとして提供すると、そのためにコミュニティを作り直す必要がありますので、機会損失につながってしまいます。

――公式サイトで「Game.tv」の登録タイトルを確認できますが、スマートフォンタイトルのみとなっています。今後、コンソールゲームやPCゲームを加える見通しは?

ローゼン登録タイトルは「Game.tv」で随時追加していますが、今後はユーザーのみなさんが任意のタイトルを追加できるようにしたいと考えています。モバイルだけにこだわっているわけではありません。

――登録タイトルは、大会開催に関するメーカーへの許諾は取れていると考えていいのでしょうか?

ローゼン加藤氏とコラボした「加藤純一タワーバトル 信者衛門杯 powered by Game.tv」のように、当社が主催する大会は許諾を得ています。

山口もちろん、今後当社が主催するものに関しても事前に許諾を得ます。


ローゼンただ、「Game.tv」はあくまで大会を開催する場を提供するものであって、主だって大会を開催するのはユーザーのみなさんとなります。(今回の発表前に)デベロッパーやパブリッシャーの方たちとお話をさせていただいた結果、ユーザーのみなさんが大会を開催する分には、問題ない(都度メーカーの許諾は必要ない)と理解しています。

――スポンサーシップについておうかがいします。大会ごとにスポンサードしてもらえるのでしょうか。それとも、より長期的なものありうるのでしょうか。

ローゼンどちらもサポートしていきます。実際にスポンサーがつくには、「GELOスコア」の数値が大事になってきます。大会出場者としてではなく大会運営者としてのスコアもあり、そちらは大会を開催すればするほどスコアが上がっていきます。

――プレイヤーとしてのGELOスコアについておうかがいします。ゲームがうまければ、それだけスコアが上がりやすい(スポンサーを得やすくなる)のでしょうか?

ローゼンGELOは、イロレーティング (Elo rating) をベースに作っていますので、単純にうまければいいというわけではありません。たとえば、SNSで多くのフォロワーがいる方は、そうした要因でもスコアが高くなりやすいです。大会を開催する側の場合は、大会参加者が主催者、および大会への評価を行えますので、そこでの評価も影響してきます。そのようにさまざまなデータを元にして、採点する「Tourney」がどんどん学習をしていきます。

――「Game.tv」で大会が開きやすくなることで、開催者に知識がないゆえに参加料を募って賞金にしてしまったりと、トラブルが起きる可能性も増えるかと思います。そうしたユーザーへの指導、もしくは対策などは考えておられますか。

ローゼン私個人の話を例に挙げさせていただきますが、15年前に来日したとき、Suica(交通系ICカード)を買うのが大変でした。券売機が英語に対応していなかったんです。でも、今は英語化されていて簡単に買えますよね。私が言いたいのは、機械に対応させるのが一番いい――つまり、将来的に「Tourney」をそういう仕組みにしたいということです。

良識や知識を持ったみなさんがさまざまな大会を「Game.tv」で開催してくださることで、「Tourney」も国や地域ごとの法律やルールをしっかり守れるようになっていきます。それにより、さまざまなルールや法に準拠した大会テンプレートなどがこれからできていくことでしょう。

《蚩尤》

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