【インタビュー】「ゲーマーの社会的価値を上げたい」OPENREC.tvに込められた想いとはーCyberZ取締役に訊く | GameBusiness.jp

【インタビュー】「ゲーマーの社会的価値を上げたい」OPENREC.tvに込められた想いとはーCyberZ取締役に訊く

国内最大級のゲームイベント「RAGE(レイジ)」やゲームのライブ動画で急成長中の動画配信プラットフォーム「OPENREC.tv」を手がける株式会社CyberZ。さまざまな企画を打ち出すCyberZのキーマン 青村陽介取締役に今後の展望についてお話を伺いました。

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国内最大級のゲームイベント「RAGE(レイジ)」やゲームのライブ動画で急成長中の動画配信プラットフォーム「OPENREC.tv」を手がける株式会社CyberZ。

12月24日には「RAGE Shadowverse World Grand Prix Grand Finals」が開催され、世界チャンピオンの座を紅茶/PaR選手が射止めました。さまざまな企画を打ち出すCyberZのキーマン 青村陽介取締役に今後の展望についてお話を伺いました。



――まず自己紹介をお願いします。

青村陽介と申します。2009年に株式会社サイバーエージェントに入りまして、2010年に株式会社CyberZに入社、広告部門を担当した後、一昨年からOPENREC.tvを担当させてもらっています。

――「OPENREC.tv」は今年3年目ですが、振り返ってみていかがでしょうか?

だいぶ手応えが出てきたな、というのが印象です。ユーザーを伸ばすのにも、何かを始めるのにも、すべてにおいて自分達で手を入れてプラットフォームを成長させるフェーズがあったのですが、ユーザー数も200万MAU近くなっています。今は何かを起こそうとするよりも、OPENREC.tvでコンテンツが自然発生しているみたいな、そんな状態に持って行けているのかなと思っていて、1つ山を超えた実感があります。

――「ゲーム配信プラットフォームでNo.1を取る」というようなビジョンがありましたが、進捗としてはどうでしょうか?

ゲーム配信のバーティカルプラットフォームとしては、国内ではNo.1になったかなと思っています。また、ゲーム以外の配信も扱っているプラットフォームと数字を比較しても遜色がないレベルにも近づいているので、そういったところと比較をしてもNo.1という状態を狙っているのが現段階です。もっともっとサービスを改善し続けて、多くのゲーマーの皆さんに喜んでもらえるプラットフォームにしていきたいです。

――さまざまなプラットフォームがあると思いますが、OPENREC.tvが支持される理由に特徴はあったりするのでしょうか

視聴者側にとっては、1番は画質だと思います。画質はどのプラットフォームと比較してもユーザーの期待に応えられるものだと思っています。ライブ配信における画質とタイムラグはトレードオフの関係にありますが、最近「超低遅延モード」を提供開始しまして、タイムラグもかなり短縮できており、視聴者からお褒めの言葉をお問い合わせ上やSNS上でいただけることも増えました。

配信者側からは、OPENREC.tvがコミュニティをすごく大事にしているところに対して高評価をいただいているように感じています。現在チャンネル数は12,000を超えましたが、皆様がすぐに配信できる環境を用意しているわけではなく、審査制で配信の権限を付与させていただいています。それは戦略的な狙いがいくつかありますが、その一つが配信者にはコミュニティを形成できるような方であってほしいという願いを込めています。いつも規約に違反してしまうような配信者とはみんな絡みにくいものだと思います。オープンレック配信主(オプ主)をスタジオに呼んでコラボ配信だとか、配信者同士を繋げ、視聴者のコミュニティも繋げていくような活動もこちらからも積極的に行っており、限られた人にしかできないサービスではありますが、手厚くやっているというのが支持してもらえている要素の一つであるように思います。

――「RAGE」は今回で6回目ですが、大会の盛り上がりの影響はOPENREC.tvにどのように出ていますか

すごく親和性が高くて、スポーツで例えると、「RAGE」はスポーツの試合や大会で、「OPENREC.tv」はそれを放送する場でありながらも、“ファンクラブ”みたいな立ち位置でもあるのが特徴的なことかな、と思っています。




「RAGE」の放送はもちろん行いますが、そこでスターが生まれると、OPENREC.tvで配信をしてもらい、コミュニティが形成されていく。そこからファンが最大化していくと、スターが輝き続ける場所にもなりますし、我々にとっては新しいビジネスチャンスにもなる。その循環が出来はじめてきたなという感覚です。RAGEのファイナリストになると我々が行う番組でもゲストとしてお声掛けしやすくなりますし、積極的に配信を行ってくださる方も沢山いらっしゃいます。RAGEがない時期も、その間配信でプレイヤーをフォーカスしていくことができるし、ファンの皆さんと交流できる場をつくれる、と思っています。

――「OPENREC.tv」はマネタイズフェーズかとも思いますが、実際その部分はどういった状況でしょうか

よりよいサービス提供のためにも、マネタイズは非常に大事な要素だと認識しています。現在は事業の中でも優先度を高くあげて、収益化のプロジェクトを全社横断で行っています。

――現状はどういったものがあるのでしょうか?

大きく3つありまして、1つは「プレミアム会員」、もう1つが「エール」、3つ目が「広告」になります。

――プレミアム会員について。

有料会員は、月額で720円がアプリ版で、540円がブラウザ版になっていますが、プレミアム会員限定の機能が解放されます。いくつかありますが、ラグが軽減される「超低遅延モード」の利用や、過去のライブ配信の視聴が無制限に解放されたりします。あとは倍速再生(スロー再生・高速再生)ができたり、スタンプの利用や広告の非表示といった機能があります。より快適に視聴していただくためにプレミアムな機能を今後も提供予定です。

――有料会員のみ視聴可能なコンテンツ等はあるのでしょうか

スペシャル番組などを用意しておりまして、こちらも順次拡大しています。

――有料会員の会員数はどのぐらいでしょうか

数字自体は回答ができませんが、毎月120%ぐらいで成長しています。直近だと200%成長です。

――ここはまだまだ伸ばしていきたい部分ですね



そうですね。機能も別途考えて追加していきます。開発の責任者が兼任でこのプロジェクトの責任者を担当しています。僕たちの強みは開発組織とビジネス組織の垣根がないことで、ビジネス側に開発側から意見がどんどん出してくるし、ビジネス側からの意見によって開発の優先度を変えることもあります。サービスをよりよくしていくために、立場は関係なく本気で向き合っているので、もちろん時にはぶつかったりもします。ただそうやって組織全体でユーザーの皆さまに喜んでいただけるサービスを突き詰めていけている感覚がありまして、すごく良い環境でサービス提供に向き合えているように感じています。

――続いてエールについて教えてください。

エールは視聴者が配信者に有料のギフトとメッセージを送ることができる仕組みになっています。まずポイントを購入していただいて、それをエールのアイテムに交換し、送るというシステムです。100円から100,000円ぐらいまでエールを用意してあるので、それぞれを視聴者が選んで投稿できます。

――利用頻度はいかがでしょうか

かなり使われていますね。これも毎月130%ぐらいで成長していています。

――本当に人気なんですね

1月で言うとトップ層の方はエールだけで150万円ぐらい稼いでいます。今後も更に盛り上がっていくと思います。

――最後の広告について教えてください

広告は大きく分けて2つございます。サイト上に出てくるものが1つと、タイアップがあります。サイト上に出るものというのは放送前に映像広告が流れるものです。タイアップは配信者のタイアップと、番組とのタイアップがあり、最近だとタイアップ番組が人気です。

――配信プラットフォームが多くあるなかで、出稿先にOPENREC.tvが選ばれる理由はありますか?

広告主にとってゲームに特化しているということがわかりやすいというのが1つかなと思います。あとは紹介するゲームやアプリなどを綺麗に届けられるほどに画質が良いというのがあると思います。また、独自スタジオがあるということもタイアップ番組をご実施いただく上で選ばれる理由だと思います。

――タイアップ番組を利用している企業はどういったところが多いのでしょうか

ゲームメーカー様にご利用いただくケースがほとんどです。最近はモバイルのメーカー様からのニーズがとても増えてきています。

――KPIはどうですか?求められているのはブランディングとか認知でしょうか

そうですね。ゲーマーが多く集まっているOPENREC.tvで自社のゲームの良さを深く知ってもらいたい、というニーズをいただくケースが非常に多いです。

――基本的にはビジネスの部分に関しては、「プレミアム会員」、「エール」、「広告」を中心にしていくという感じですか?他に仕込んでいるものもあったりしますか?



いくつか考えているものはあり、具体的に詰めていますが、まだお話できる段階にはないです。

――気になりますね。マネタイズは結構フォーマット化されてしまうので、何を仕掛けてくるのか気になります。

私も気になります(笑)。OPENREC.tvはビジネスで見てみると、色々な側面があると思っています。ゲーマーが集っていますので、面白いゲームを宣伝できる場であることはもちろん、配信者においては、たとえばTwitterのフォロワーが数十万~数百万という方がゴロゴロいらっしゃる場でもあるので、すごく大きな口コミ・トレンド発信基地という見方もできると思います。配信者お一人ずつがゲームの販売員のようになったりしてもいいかもしれません。本当にゲームもうまいし、自分をうまく表現できる方が沢山いらっしゃるので、ゲーム以外でも売れちゃうような気がしますね。OPENREC.tvらしさを活かして、マネタイズの幅も私たちらしく広げていけたらいいなと思っています。


――ARENA機能について教えてください。

ARENAは、ユーザーがオンラインの大会を簡単に開くことができ、OPENREC.tvで配信をしてもトーナメント表やスタッツがカッコよく表示できるように、ということを狙って、10月頃にリリースしました。まだ部分的な解放の段階ですが、使っていただいた反響がかなり良いです。配信権限を持っていない方にも今後利用ができるように拡大をしていく予定です。

ゲームメーカーさんにもプロモーションとしてARENAを沢山活用いただければいいなと思っています。たとえば、競技性のあるタイトルの大会を開催するようなタイアップ番組には非常に相性が良く、ARENAを利用して大会をかっこよく盛り上げていただくのに最適です。番組終了後もキャンペーンができます。

――今後のコンテンツについて教えてください

ゲームをメインにおくというのは変わらずです。ただゲーマーの皆さんが好んでくれるような領域には沢山チャレンジしていきたいなと思っていて、新しいカテゴリとして「雑談」とか「ミュージック」とかも追加しています。

――人気のタイトルは何でしょうか?

タイトルで具体的に申し上げると、『Splatoon2』『シャドウバース』『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUND(PUBG)』などが特に人気です。また、昨年発表させていただいたクリエーターズプログラムで著作物利用の包括許諾契約をさせていただいてからは、任天堂タイトルもすごく伸びています。

配信カテゴリで申し上げますと、FPSやTPS、カードなどの対戦ゲームがとても人気なのですが、直近はモバイルゲームの配信がかなり増えてきたり、どんどん幅が広がってきています。

――最後に、これからの抱負をお願いします

OPENREC.tvは世界中のゲーマーに愛されるようなプラットフォームになりたいと考えています。そのためにも配信者の皆さんには、ここで新しいチャンスをつかんだり、有名になったり、生活の糧を得たりするような機会を沢山創っていきたいです。また、放送を見る視聴者の方々にもゲームプレイを自分ですること以外の面白さを沢山発見できるようにしていきたいと思っています。ゲーマーの思いや願いが一つでも多く形になっていくような、もっと言うと、おこがましいですが、ゲーマーの社会的価値すらあがるようなそんなレベルの貢献をOPENREC.tvを通して、ゲーマーの皆さんに沢山していきたいなと思っています。

その打ち手として「OPENREC.tv」や「RAGE」を活用していくというところがあります。上記のような思いは大切にしつつも、ビジネス面や収益化には今後もしっかりと腰を据えて力を入れていきます。理想ばっかり言っていても、そのサービスを快適に提供し続けられる資金力がなければ元も子もありませんので、しっかりと収益化は腰を据えて取り組みつつ、サービスとしてさらに大きな飛躍を遂げたいなと思っています。

――ありがとうございました。



新たな分野に力を入れているCyberZ。新しいエンターテイメントの形を創出できるか否か、今後の同社の動きと「OPENREC.tv」に注目です。

【インタビュー】「ゲーマーの社会的価値を上げたい」OPENREC.tvに込められた想いとはーーCyberZ取締役に訊く

《森 元行@インサイド》

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