Apple Watch Series 3が発売されて1週間が経った。単体で4G LTE通信ができる「GPS+Cellularモデル」を約1週間使って見えてきた、セルラー通信機能が活きる場面やSeries 2との違いをまとめてみよう。
■気になる電話機能の使い心地
これまでのApple Watchも、ペアリングしたiPhoneにかかってきた電話を受けてそのまま通話できる機能は搭載されていた。比べると通話機能そのものの使い勝手はあまり大きく変わっていない。電話番号もiPhoneと共通化されるため、着信があるとiPhoneとApple Watchの両方に表示される。Apple Watch Series 3の場合は自宅のリビングにiPhoneを置きっ放しにして庭いじりをしたり、ガレージで車の清掃に勤しみたくなったときにも、スマートウォッチだけで電話が受けられるようになったことが大きな違いとして実感される。もちろんiPhoneの電源がオフになっていても大丈夫だ。
電話がかかってきたときの画面表示。スピーカーのボリュームはデジタルクラウンで調節できる
Apple Watchを装着している手首から、口元をどれぐらい離していても通話ができるのか試してみた。結果はまわりのノイズ環境にもよるが、たとえば静かな自宅の部屋で本を読んだり、パソコンに向かってタイピングしているぐらいの距離感であれば相手の声がクリアに聞こえるし、こちらの声も十分に聞き取りやすいようだ。手首の位置を腰あたりまで下ろしたり、歩きながら手をぶらつかせてみると、通話相手の聞こえ方が少し変わるようだが、問題ない範囲でコミュニケーションができた。Apple Watch Series 3では本体やバンドのサイズや使用感を変えずにキープするため、ウォッチのスクリーン表面にアンテナを仕込んで感度を確保しているのだという。これが効果を発揮しているのではないだろうか。
Apple Watchがセルラー通信機能を搭載すると、ほかのアプリにも良い影響があった。筆者はとくに「マップ」アプリが便利になると思う。正確な現在位置が常時手もとで確認できるので、ふだんのジョギングコースも足を踏み入れたことのないエリアにまで少しずつ脚を伸ばしたくなってくる。旅行でiPhoneを持たずにApple Watch単体で地図を見ながら歩きまわるという状況はあまり考えにくいのだが、国内ならそんな使い方もできる。海外旅行の場合は、Apple Watch Series 3のセルラー通信機能は海外ローミングに対応していないことを覚えておきたい。また海外で販売されているApple Watch Series 3の「GPS+Cellularモデル」は、日本の周波数帯域に対応していない場合があるので注意しよう。
「マップ」アプリがiPhoneなしでも快適に使える
近くのコンビニやカフェにふらっと出かける時にiPhoneが手もとになくても、LINEがApple Watch単体でも使えて便利だった。一方で、以前はApple Watchでも使えたTwitterが、Twitterアプリのアップデートによって非対応になってしまったのがとても残念だ。特にセルラー通信機能を持っているApple Watch Series 3との相性は抜群によいはずなので、ぜひ復活してもらいたい。同様にLINE以外のコミュニケーションアプリが、さらにApple Watch対応を積極的に進めてくることを期待したいと思う。
Apple Watch Series 3の「GPS+Cellularモデル」はデジタルクラウンにワンポイントカラーの赤を配置した。通常モデルはシルバー/ゴールド/スペースグレイの3色アルミケースにステンレススチールのケースを加えた4種類。Nikeとのコラボモデルはシルバーとスペースグレイの2色アルミケース、EDITIONシリーズはホワイトとグレイのセラミックケースになる。
ナイロン製のスポーツバンドも発売。バンドのバリエーションはますます増え続けている
今回はApple Watch Series 3のスペースグレイ 38mmアルミケースのモデルに通気性の高いナイロン製のスポーツループを装着してジョギングしてみた。マジックテープでフィット感をタイトに調節できるので、手もとに気持ち良く身に着けられる。目まぐるしいスピードで新しいバンドのバリエーションが追加されているのもApple Watchの強み。いま最も個性を主張できるスマートウォッチと言えそうだ。