『悪代官』などのGAE、中国talkwebと資本提携し「巨大市場の懐に入る」 | GameBusiness.jp

『悪代官』などのGAE、中国talkwebと資本提携し「巨大市場の懐に入る」

企業動向 戦略

『悪代官』などのGAE、中国talkwebと資本提携し「巨大市場の懐に入る」
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グローバル・A・エンターテインメント(現GAE)といえば、アラフォーのゲーマーには懐かしいメーカーかもしれません。『悪代官』『ザ・マエストロムジーク』などユニークな作風で知られていました。その同社が2015年7月30日に、中国大手IT企業のtalkwebと資本提携を行い、業界を驚かせました。その真意はどこにあるのか、チャイナジョイ会場で代表取締役の大友貴司氏に話を伺いました。

―――さっそくですが会社の概要と自己紹介をお願いします。

株式会社GAE代表取締役の大友貴司です。今年で19期目で家庭用ゲームのパブリッシャー兼ディベロッパーとして立ち上げからやってきまして、初期の頃はPSで『悪代官』シリーズなどを・・・。

―――あーっ! もしやGAEはグローバル・A・エンタテインメントの略・・・

そうなんですよ。2009年に社名を変更しまして。他に『ザ・マエストロムジーク』という、オーケストラの指揮者になるゲームを出したりもしました。オムロンさんと共同で指揮棒コントローラーを作って、実際に指揮棒を振るリズムゲームだったんです。他に『クロニクル オブ ダンジョンメーカー』という、ダンジョンを作ってそこに巣くうモンスターを倒していくRPGも作ったりしました。

※現在は受託制作を中心に行っているというGAE


―――社名が変更になっていたのですね。勉強不足でたいへん失礼いたしました。最近はいかがでしょうか?

コンシューマの市場が厳しくなる中で、最近ではコンシューマやスマホアプリの受託開発と運営を中心に業務を行っています。自社で最後に出したのがニンテンドー3DSの『びっくり! とびだす! 魔法のペン』で、2011年のことですね。その後もフィーチャーフォンでソーシャルゲームを2本リリースしていますが、ノウハウ不足もあって厳しかったというのが正直なところです。

―――良く聞く話ですね。

そうなんです。ただ、やっぱりパブリッシャー指向が強いものですから、なんとか自社タイトルを出したい。一方で今はスマホアプリといえども寡占化が進んでいて、それなりの資本力が必要です。これに対して中国は2015年には世界最大のゲーム市場に成長すると予想されています。そうしたことから日中の両市場で展開できないかと考え、中国の上場企業であるtalkwebと資本関係を結び、グループ会社となりました。

―――なぜtalkwebだったんでしょうか?

日本企業・中国企業、いろいろと提携先を探す中で、たまたまご紹介いただいたことがきっかけになりました。もともとtalkwebは教育系サイトの運営を中心に伸びてきた会社で、傘下に複数のゲーム会社があり、そこが開発した『三国魂(ソウル)』というモバイルゲームがヒットしたんです。このタイトルは日本でも中国系のkoramgameさんをパブリッシャーとして配信・運営されていますが、どうせ日本で配信するなら、もっと本格的に展開したい。そんな思惑がありまして、パブリッシャー志向という弊社のニーズと合致しました。

※中国の大手IT企業talkweb。ゲームポータルも運営する


―――今回の資本提携でどのようにビジネスが広がるのでしょうか?

まず大前提として、これまでの受託開発があります。これがしばらくは会社の基盤になることは変わりません。その上でパブリッシャーとして復活するために、まずはtalkwebが開発したスマホアプリの日本展開を行っていきます。もちろんローカライズ&カルチャライズもしっかりやっていきますよ。『三国魂』もそうですが、最近は中国産のスマホアプリでも日本でヒットするタイトルが出始めていますからね。

―――なるほど。

一方でtalkwebとしても日本で本格的に運営・展開していくためには、現地でしっかりとしたパブリッシング機能が必要です。現地法人を構えるのも手ですが、リスクが高いのも事実です。そこで弊社のように長年実績があり、スマホアプリの運営経験もある会社を傘下に収めるというのは、talkwebにしても現実的な策だったようです。

―――業務提携ではなく、いきなり資本提携というのは、どういった理由からでしょうか?

業務提携だと、どうしても同床異夢になりやすいんですよ。実は弊社も中国展開をめざして業務提携ベースで話を進めていて、頓挫したことがありました。であれば、一気にグループ会社になって相手の懐に飛び込んだ方が、話が早いと思ったのです。財布が同じであれば、同じ方向を向くしかありませんからね。

―――良くわかります。

次にオリジナルタイトルの開発・展開です。まずは日本市場でヒットさせることを念頭に置きつつ、内容によっては中国展開も考えていきます。もちろん大手さんと同じ土俵に乗るわけにはいきません。弊社はコンシューマ時代からユニークなゲームで、他とは違うブルーオーシャンを志向してきました。スマホアプリでも弊社ならではのゲームを作っていきます。

―――それは楽しみですね。『悪代官』シリーズはまさにそんな感じでした。

なにしろ、いまだに覚えていただいているくらいですからね。また、中国展開という意味で、talkwebとしては日本の有名IPを使ったゲーム開発を考えており、その営業窓口という期待感もかけていただいています。そこは弊社が長年培ってきたネットワークやノウハウを活かしていきたいですね。日本と同じように中国のスマホアプリ市場もレッドオーシャンなので、そこで日本製のIPというのは大きな差別化要因になります。

―――なるほど、そういった点では日本人が気づいていない、活かせていない資産がたくさんありそうです。

他にtalkwebが開発したタイトルで大型のものは、弊社だけでは手が余ることも考えられます。その場合でも日本のパブリッシングは他社様にお任せして、いったんコンテンツを弊社で預かり、ローカライズ&カルチャライズだけ行うというスタイルも考えられます。弊社で日本向けパブリッシングが完結できれば理想なのですが、過渡期としてそういったやり方もありかなと。

―――中国からの移植にせよ、自社開発にせよ、日本のスマホアプリ市場のどの層をターゲットにすえられる計画でしょうか?

うーん、これは難しい質問ですね。答えは状況によるし、会社の規模や方向性にもよると思います。ただ弊社としては、ざっくりとお答えするのであれば、カジュアルユーザーを広く浅く狙うよりも、ミッドコアやコアユーザーに向けて、しっかりとしたコンテンツをあてていくと思います。実際に中国のスマホアプリはPCオンラインゲームからの流れで、PVPなどの対戦要素があるものが大半ですしね。

―――日本・中国ときて、当然その先にはワールドワイドがあると思いますが・・・

はい、まだ先の話ではありますが、日中で協業して世界展開が可能なコンテンツを発信していきたいですね。

―――中国展開には固有のカントリーリスクがつきまといます。

そうですね。日本企業も過去数年で取り組みに波があったように思います。ただ全体として市場が巨大なのは明らかですし、これだけ大きく成長したものが、一気にゼロになることはあり得ないと思うんです。あとはやり方であり、組み方の問題ですよね。中国企業の傘下に入った日本企業は、ゲーム業界ではまだまだ事例が少ないのが事実です。一つずつ成功事例を積み上げていきたいですね。
《小野憲史》

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