「全ての要素には、理由がある」だから面白い!『逆転裁判』を江城氏&山崎氏が語る―『逆転裁判5』クリエイターが語るゲーム作りの裏側(2) | GameBusiness.jp

「全ての要素には、理由がある」だから面白い!『逆転裁判』を江城氏&山崎氏が語る―『逆転裁判5』クリエイターが語るゲーム作りの裏側(2)

ヒューマンアカデミー、カプコン、イードによる「『逆転裁判5』クリエイターが語るゲーム作りの裏側」。続いては、カプコンの『逆転』シリーズ・プロデューサーの江城元秀氏、シナリオディレクターの山崎剛氏が「『逆転』シリーズのこれまでとこれから」について講演を

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ヒューマンアカデミー、カプコン、イードによる「『逆転裁判5』クリエイターが語るゲーム作りの裏側」。続いては、カプコンの『逆転』シリーズ・プロデューサーの江城元秀氏、シナリオディレクターの山崎剛氏が「『逆転』シリーズのこれまでとこれから」について講演を
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■江城氏&山崎氏がゲーム業界に入った理由とは
まずは自己紹介として、両氏がいかにゲーム業界に飛び込んだ経緯について説明。小学生の頃に「インベーダーゲーム」で衝撃を受けたという江城氏は、それからゲームの魅力にとりつかれ、さまざまなアーケードゲームをプレイしながら工業高校へと進学。その後、1度は別の業界でエンジニアとして働いていたものの、やはりゲーム会社に入りたいという思いから専門学校に入学し、プログラムの勉強をして1990年にカプコン入社を果たしました。

最初に配属となったのは、初代『ストリートファイターII』のプログラマーのチームで、ここでアーケードのシューティングや横スクロールなどの開発に携わったのち、コンシューマーゲームの企画職へ転進。『鬼武者2』『シャドウ オブ ローマ』のディレクターからプロデューサーへ。『逆転裁判4』のアシスタントプロデューサーから『逆転検事』シリーズ、『大神伝 〜小さき太陽〜』『Dmc Devil May Cry』『逆転裁判5』へと至りました。

一方、山崎氏は2004年にカプコンへ入社。『逆転裁判 蘇る逆転』『逆転裁判4』でプランナーを務め、『逆転検事』シリーズのディレクター、『逆転裁判5』でシナリオディレクターを担当しています。昔からミステリーやSFなどをよく読んでおり、物語を書く仕事をしたいなと漠然と考えていたという山崎氏は、大学時代にたまたま縁があって携帯電話向けのアドベンチャーゲームとパズルゲーム作りに携わりました。ここでゲーム作りの楽しさを知り、ゲーム会社へ就職。子どもの頃からファミコンで遊んではいたものの、仕事としての意識はありません。しかし、ゲームでも自分のやりたいことができるのだと感じたといいます。

そして入社後は『逆転裁判』シリーズを担当。大学時代にゲームを遊んで以来「カプコンに入るなら逆転裁判を作りたい」と思い、入社面接の時には猛烈な逆転裁判好きアピールし、質問では「逆転裁判3はいつ出るんですか?」と尋ね、『逆転裁判』シリーズのクリエイターである巧舟氏に初めて会った時にはサインや握手を求めたそうです。


■全9タイトルをリリースした『逆転裁判』シリーズの歩み

累計売り上げ440万本(※)を記録した『逆転裁判』シリーズは、2001年にゲームボーイアドバンス向けタイトルとして登場した『逆転裁判』からスタートし、2002年に『逆転裁判2』、2004年に『逆転裁判3』を発売。さらにハードをニンテンドーDSに移し、2005年に登場した『逆転裁判 蘇る逆転』では、タッチパネルならではの「カガク捜査」を導入した第5話の追加をはじめ、北米・欧米展開も行われました。さらに2007年に発売となった『逆転裁判4』では、新たな主人公・王泥喜法介を迎えた新展開を迎え、シリーズ最大の売り上げを記録しています。
(※:2013年6月30日時点。『レイトン教授VS逆転裁判』は除く。なお『逆転裁判5』も発売前)

2005年に発売した『逆転裁判 蘇る逆転』では、まず翻訳関係に携わったという山崎氏。海外向けではゲームの舞台をロサンゼルスとし、日本独自の表現を欧米向けに変換する「カルチャライズ」という手法を取っています。社内いる日本の文化に精通したスタッフが、日本独自のユーモアを現地の人が分かるようにするため通常のローカライズよりも時間が必要となりました。しかし、苦労のかいもあり海外ユーザーには大好評で、根強いファンが数多く存在します。

山崎氏が最初に巧氏から学んだのは「ゲームの要素には、すべて理由がある」ということ。ゲームの仕様や企画には「明確な理由」が必要であり、プログラマーやデザイナーに納得してもらう理由が必要です。新人向けの例え話として「ロックマンはしゃがめない。なぜか?」というものがあり、これはクリエイターの「敵の攻撃を避ける際、ロックマンをしゃがませるような消極的なプレイをしてほしくなった」という思いの表れ。アクティブなプレイをしてほしいからこそ、あえて取り入れなかった要素が「しゃがむ」なのです。

そこで山崎氏は『逆転裁判』シリーズにおいて「なぜ法廷が舞台なのか?」「なぜ尋問システムがあるのか?」という理由を自分なりに考えました。本シリーズでは、ミステリー作品で最も盛り上がる「解決編」の探偵と犯人の対決に重点を置いています。探偵が犯人を追い詰める際の謎解きや爽快感、意外な事実が明らかになるサプライズをプレイヤー自身に体感してほしいという部分は、舞台を「法廷」であるからこそ実現しました。ミステリーで最高に盛り上がる部分が「法廷バトル」に凝縮されているため「面白くないわけがない」のです。

江城氏は『逆転裁判4』のアシスタントプロデューサーとして参加。現場を経験してからプロモーションに携わるようになったため「いかに面白いゲームであっても、きちんと世の中やユーザーに伝わらないのがゲームにとって最も不幸」であると感じたといいます。プロデューサーとして、ゲームを知ったユーザーに期待してもらう、覚えてもらう事が重要であり、どのような手段をもって「知ってもらうこと」「伝えること」が大事です。

例えば店頭のポスターやパッケージ裏の説明も、ゲームの面白さを伝えるためにしっかりと計算されています。「これは何を伝えたかったんだろう?」と意識してみると、そのゲームが伝えたい要素をより深く理解できるかもしれません。


■新たな挑戦となった『逆転検事』シリーズ

2009年からは、御剣検事を主人公とした『逆転検事』『逆転検事2』が登場。「法廷バトル」ではなく「推理アドベンチャー」という形を取っており、山崎氏にとって初のディレクター、江城氏にとっては初の本格的なプロデュース作品となりました。

当初はやや規模の小さいものとして考えていましたが、2008年に開催となった「逆転オーケストラコンサート」で発表した際のユーザーの反応があまりに大きく、企画内容を大きく見直すことに。しかし、コンセプトがなかなか決まらず迷走。「法廷が出てこない」「検事が主人公では逆転できない」という難題について悩んだ結果、まずは「逆転のもつ意味」をとらえ直しました。

『逆転検事』シリーズでは、弁護士が依頼人の無実を勝ち取る逆転ではなく、さまざまな「状況の逆転」を詰め込んでいます。主人公が検事であるなら、プレイヤーが天才・御剣検事のように事件を解決する過程を体感できれば面白いのではという発想から「ロジックシステム」も誕生。この2つを柱としてプロジェクトが動き出したのです。

どんなゲームにも「ここが面白い」「ここを体験してもらいたい」というコンセプトがあり、それに紐付ける形ですべての要素が考えられています。「このゲームは何が面白いのか」を一言で表現できるほど内容を煮詰めて、絞り込む過程は非常に重要。ここが漠然としていると、最終的にどんなゲームか分からなくなります。山崎氏も、他社のゲームをプレイして「このゲームのコンセプトは何か」を考える研修をしたそうです。

コンセプトが『逆転裁判』と変われば、内容も変わります。その1つが「テンポ」の違い。『逆転裁判』では探偵パートが「静」、法廷パートが「動」となっており、法廷パートが集中的に盛り上がる構成。一方『逆転検事』は、捜査と対決を頻繁に繰り返しています。違いを出す一方で「いつも忙しそうな御剣らしさ」を体感するためでもあります。開発中はゲームのテンポ感を非常に気にして、何度も調整しました。
《近藤智子》

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