【GDC 2013 Vol.50】『ルーンファクトリー』『朧村正』など、はしもとよしふみ氏が語る「RPGの作り方」 | GameBusiness.jp

【GDC 2013 Vol.50】『ルーンファクトリー』『朧村正』など、はしもとよしふみ氏が語る「RPGの作り方」

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GDC2013にて、マーベラスAQLの橋本嘉史氏がRPGの作り方について語りました。
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GDC2013にて、マーベラスAQLの橋本嘉史氏がRPGの作り方について語りました。

橋本氏は主にプロデューサーを務めており、実際の業務はゲームの舵取りから音響監督、深入りする場合は企画書や仕様書まで作っています。いわく、「とにかくゲーム製作が好きなので何かしら色々な形で中に入る」。

代表作として著名なのは『牧場物語』ですが、今回の講演ではRPGにフォーカスということで『ルーンファクトリー』や『朧村正』、『アヴァロンコード』、『グランナイツヒストリー』が挙げられました。

まず『ルーンファクトリー』から。コンセプトを「ファンタジーの生活」とし、主人公を特別な存在でないことにしました。さらに、ゲームシステムは前提に立脚し構築。敵を倒せばカネやアイテムを落とすといった要素を避け、皆が目を背けていたファンタジーの現実世界にフィーチャーしたゲームを目指しているとのことでした。

しかしながら、必ずしも現実的な要素ばかりで固めるのではなく、ゲーム的な都合に基づいた快適さも同時に追求。マラソンの給水ポイントにインスパイアされたというダンジョン道中の救済措置は、プレイヤーにゲームプレイングの幅を持たせることに一役買ったとしました。

和製RPGを語る上で欠かせないキャラクターの外見についてもこだわりを披露。たとえば、夏に水着を着るキャラクターをデザインの都合上日焼けさせることができず、さりとて日焼けクリームを塗らせるわけにもいかない、そこで「日焼け止め紋章」を考案したこと。ほかには、農作業をしている土いじりキャラがファッションにこだわらないであろうという先入観を若手農家から否定され、ワンポイントでのおしゃれ表現にたどり着いたことなどが例示されました。こうしたリアリティと都合のバランス感覚は、『牧場物語』で醸成されたようです。

PS Vita版がホットな『朧村正』については、刀の数108振りが煩悩の数であること、「鬼」が英語で言うところの「オーガ」でなく「鬼」であることといった、和風ファンタジーならではのこだわりから切り出しました。

興味深かったのが、モチーフとして江戸の元禄時代の再現に力を入れていると強調した点。キャラの口調から始まり、当時のマグロのトロの価値が低かったから安価にしたこと、タイやヒラメはすでに養殖が始まっていたので手に入るもののやや高めの値段にしたことなど。あくまでもファンタジー和風世界でありながら、まったくの嘘ではなく、現実を取り入れることでプレイしやすくしたとしました。

続いて、根本的なゲーム設計としてアクション部分の重要性を説きました。画面遷移の不快さ一つとっても、その不快感が蓄積し、結果的に途中でゲームを放棄させることにつながると指摘。橋本氏自身が過去にアクションゲームを製作していた経験があるため、そうした時間調整の大切さを理解しているとのことです。

さらに、レベルデザインについても言及。アーケードゲームのステージレイアウトで、途切れた通路の底にはマグマ・奥の方にスイッチという一見すれば答えは明白なものですらロケテストでプレイヤーが続々とマグマに突っ込む現象が発生してしまい、仕方なくマグマを即死からダメージへ変更したら強引に突っ込むプレイヤーが増え余計自体が悪化したことを例に挙げました。最終的に「PULL」と上に表示させ、さらにスイッチの形をアーケードスティックと同じデザインに変更することで解決しましたが、このことから橋本氏は「伝え方」「伝わったときの喜び」を知ったそうです。

また、RPGでのいわゆる「お使いイベント」も、プレイヤーが途中で止めて内容を忘れてしまうリスクなどを考慮した、循環するフローを設計することで対応すれば深いゲーム性を提供できるとしました。

橋本氏自身、ゲームとくにRPG製作を好んでおり、終始強いこだわりを見せつつも『牧場物語』におけるバトル要素や『朧村正』での世界観を崩さないローカライズなど、強い反対を受けたケースも多かったことを告白。結果は良好であったものの、体力を要する仕事だったそうです。

全体的に、リアルとアンリアルのバランス感覚、そしてプレイの快適さを追究するスタンスを前面に出していた橋本氏。和製RPGの魅力の何たるかは、ただグラフィックスだけでは決まらないとして間違いないでしょう。事実、海外のファンによる質疑応答も時間いっぱいまで続けられていました。

なお、記者が個人的に気になったローカライズの部分について、直接伺ってみました。「あきらかに日本の文化を前提とした表現を英語化するのは難しかったのではないか?」についての解決策は、複数の意味に解釈できる抽象的な単語を活用することにあったとのこと。なお、"わらびもち"は難しかったそうです。
《安田伸毅》

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