「The Future of Gamification」〜2020年にゲーミフィケーションはどうなる?・・・「世界を面白くするGamification」第58回 | GameBusiness.jp

「The Future of Gamification」〜2020年にゲーミフィケーションはどうなる?・・・「世界を面白くするGamification」第58回

“The Future of Gamification” というレポートが発表されています。PewResearchCenterというところがElon大学と共同で実施しているプロジェクトの一環で、インターネットの未来について人々がどのように考えているのか、期待しているのかということをリサーチ・研究

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“The Future of Gamification” というレポートが発表されています。PewResearchCenterというところがElon大学と共同で実施しているプロジェクトの一環で、インターネットの未来について人々がどのように考えているのか、期待しているのかということをリサーチ・研究
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“The Future of Gamification”というレポートが発表されています。PewResearchCenterというところがElon大学と共同で実施しているプロジェクトの一環で、インターネットの未来について人々がどのように考えているのか、期待しているのかということをリサーチ・研究することを目的にしているとのことです。元々のプロジェクトはこの画像にある“Imagining the Internet”というもののようです。

リサーチの仕方が独特で、彼らがピックアップした「インターネットの未来を語るにふさわしい人物を数千人」に対し、アンケートとともにコメントをもらうというやり方で、基本的には肩書き・氏名ありの記名式の形で取得した情報とのことです。権威主義者ではありませんが、様々な有名企業(グーグル、世界銀行、マイクロソフト、シスコ、ヤフー、インテル、IBM、HP、ノキア、オライリー、などなど)や有名大学・研究機関(サンタフェ研究所、ハーバード大学、MIT、イェール大学、UCバークレー、カーネギーメロン大学、などなど)に所属している人物が回答者となっており、回答の質が一定確保されている(少なくともそういう意志)印象を受けます。いわばネット知識人層を対象にしたということでしょう。

本レポートは、その名の通り、ゲーミフィケーションは2020年にどうなっているだろうか?という問に対する各回答者からの回答をまとめたものです。この問は、以下の2つの文書のどちらに賛同するか?という形で問いかけられます(丁寧な訳ではないですがご了承下さい)。1つが否定的な未来を描いたもの。

2020年には、ゲーミフィケーション(ゲームメカニクス、フィードバックループやリワードを使ってインタラクションを生み出し、エンゲージメント、ロイヤリティ、楽しさや学習などをブーストすること)はほとんどの人の日常的なほとんどのデジタル活動において使われることはないだろう。ゲームの利用やゲーム的な構造は重要なコミュニケーションシーンのいくつかのセグメントで使われ、新しい形で利用されているが、それ以外のコミュニケーションにおけるゲーミフィケーションは ある状況における限定された人々に対して時折面白い形で実現・提供されることはあっても、それ以上に大きな進歩は見られないだろう


もう1つが肯定的な未来を描いたものです。

2020年には、ゲーミフィケーションの活用において大きな進歩が見られるだろう。コミュニケーションシーンにおける大きな波となり、教育・健康・仕事や様々な人間関係上の側面において多く実現されることになるだろう。そして積極的にコミュニケーションネットワークを活用している多くの人々の日常生活において重要な役割を果たすことになるだろう。


回答者はこの(ある意味両極端な)シナリオのいずれに賛成するかを表明し、その上でなぜそれを選んだのか、回答者の考えるゲーミフィケーションの未来像はどんなものかを説明するよう求められています。現状のゲーミフィケーションがどのような捉え方をされているのか、いろいろな議論が集約されているようなところがあり、結果自体も興味深いものでしたがそのコメントも大変参考になります。
まず、気になる賛否の結果ですが

賛成シナリオ:53%
否定シナリオ:42%
無回答:5%

ということでした。11%賛成の方が多くはあるのですが、僕の解釈としては現時点でもまだまだ賛否両論あり明確な結論が出ているわけではないのだなという捉え方をしています。コメントの中から僕自身が面白いなと思ったものをピックアップすると、

▼賛成派コメント:
・ゲームのように感じられないようなデザインとして使われるようになっていく
・エンターテイメント、学習、訓練といった場面で使えるのだからかなり多くの場面で見られるようになるはずだ
・物事を楽しくすることに反対するなんてばかげている
・非収益的活動やクラウドソーーシングといった場面で有効に機能するだろう
・今後50年の中で、社会的・商業的に最も重要な発展事項となり得るだろう
・ゲーム世代、ソーシャル世代が増えていくことで重要性が増していくだろう
・ユビキタス化、モバイル化がゲーミフィケーションを促進するだろう
・ゲームメカニクスを使ってモチベーションをデザインするという発想は昔から実践されてきたことであって、現在・未来のテクノロジーに合わせた発展があるのは当然だ
・教育・訓練に関する企業においてはすでにこの動きは実践されており、効果が出ている。学習には効果的だ。

一方、

▼否定派コメント:
・使える分野はあると思うが日常生活ほとんどに使われるというようなことはないだろう
・人々を狡猾に操ることに使われたりし得るのではないか。子供に不要なものを買わせたり、など。企業は責任をもって使わなければならない。政治に使われるのはもっと恐ろしいことになり得る
・競争的にしすぎることには問題がある
・ゲーム的な要素なんてなくてもいい、もっとダイレクトに目的に辿り着けるほうが実際的だろう。リワードやポイントは煩わしいだけだ
・一時的な流行にすぎないだろう
・コンピュータとのインタラクションが楽しくなり過ぎてしまうと、必要な社交性を磨くための機会が失われていってしまう
・たくさんのバッジやポイントは「バッジ疲れ」を生み出すだろう
・ゲーム要素の乱用が増えることで「ゲーム離れ」を生み出すだろう
・ゲームのルールや遊び方を学ぶには時間が掛かる。それに時間を掛ける人は少ないだろう
・効果的なゲーミフィケーションを実現するのはコストがかかるしそもそも難しい
・可能性は大きいと思うが、2020年の時点ではまだ浸透するには早すぎるだろう
・リーダーを取る人間の”fun”に対する偏見が成長を制限するだろう
・「ゲーミフィケーション」という単語はミスリーディングだ

否定はコメントのほうが数が多くピックアップされていますが、その分意見の幅が大きかった印象を受けています。(賛成派のコメントは似通ってくる)
みなさんはどう思われますか?

なお本レポートの参照情報は以下のようになっています。

Janna Anderson,?Lee Rainie?The Future of Gamification. Pew Internet & American Life Project, May 18, 2012,http://www.pewinternet.org/Reports/2012/Future-of-Gamification.aspx, accessed on May 21, 2012.
《深田浩嗣》

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