女性に人気のフェイスブックゲーム『イットガール』とは?・・・「世界を面白くするGamification」第19回 | GameBusiness.jp

女性に人気のフェイスブックゲーム『イットガール』とは?・・・「世界を面白くするGamification」第19回

その他 その他

Crowdstarの「IT Girl」というフェイスブックゲームがあるのをご存じだろうか。”イットガール”、と読む(そうだ)。先日、ITGirlをとてもとてもやり込んでいる方と知り合う機会があったので、お願いしてインタビューをさせて頂いた。タイトル通り、女性をメインターゲットとしたゲームであるということで何か違いがあるのではないかという関心があったのだが、色々興味深い気付きがあったのでこちらでも共有したいと思う。

簡単にゲーム内容を紹介しよう。このゲームは、女性のキャラクターとなって「おしゃれになっていくこと」を目指すゲームだ。プレイヤーはアバターに服を着せ、ヘアスタイルを変え、化粧を施しておしゃれになっていく。服、ヘアスタイル、顔の各パーツなどが「アイテム」の扱いになっており、いいアイテムを手に入れることでおしゃれ指数が上がっていく。プレイサイクルは怪ロワにに似たミッション+コンテスト、が基本だ。「都市」という概念が用意されていて、都市ごとに色々なジャンルの洋服のお店がある。プレイヤーは、各お店ごとにアイテムを手に入れ、コンテストを経てお店をアンロックし、ある都市を開拓しきると次の都市へ移っていく。

ソーシャルアクションは比較的軽いもの、能動性をそれほど要求しないものが中心だ。フェイスブックアプリだが、実質的にはバーチャルグラフ友達と遊んでもなんら支障がない。このあたりも怪ロワとイメージが近い。

興味深かった要素は、彼氏システムだ。 ソーシャルグラフ上の男性ユーザを引き付ける仕掛けか!?と思いきやそうではなく、ゲーム側で用意されているバーチャルな彼氏だ。彼氏は色々な職業から選ぶことが出来る。ただし断られることもある。彼氏がいることで

・ログインし続けないと振られてしまう
・ランクが高い(!)彼氏はおしゃれ指数が高いものをくれる
・ランクが高い(!)彼氏と付き合うにはソーシャル性やおしゃれ指数が高くないといけない
・彼氏をソーシャルグラフ上の友達に紹介するとボーナスがもらえる

といった要素が追加される。彼氏はバーチャルでありながら、再訪を促すのはもちろんだがソーシャルアクションを促進させる役割があるというのは良くできている。

ソーシャルアクションのうち「自慢・自己表現」という要素もあるのだが、こちらは意外にそれほど重視されていない点も興味深い。ランキングがなく、また遊びに行ける友達のマイルームのようなものも存在しない。他のプレイヤーの着こなしを見る機会は、お店に入るとランダムで他プレイヤーのアバターが歩いていたりするのがあるくらいだとのことだ。ただしそれを見て「こんな着こなしがあるんだ」と気付くことはあるという。

課金のきっかけを聞いた時の、「自分の着たいなとおもうアイテムが出れば買いたい」というコメントが印象的であった(ちなみのこの方は実際にお金を使った経験はないそうだ)。話を聞いているうちに「おしゃれ指数が高い課金アイテムが欲しくなる」という回答が来るのだろうかと予想していたのだが、全く違った回答が新鮮だった。この方が典型的なITGirlユーザなのかどうかは別として、少なくとも「欲しい」と思う課金のきっかけのベクトルが1つではないということを示唆する回答だ。ゲームプレイの仕方としては、プレイヤータイプで言うところのアチーバーであることが会話から推察される方だったが、そういう人でも「強くなる」こと以外の要因が課金のきっかけになり得るというのは興味深い。MMORPGでも自分のアバターを着飾るということにモチベーションを感じるプレイヤーはたくさんいるが、「人に見せる」ということを意識した行為なのかと思いきや「自分の好きな格好をしたい」ということもかなり大きいのかもしれない。

これまで、自己表現と自慢とはほぼ同じことを意味しているのではないかと考えてきていたのだが、自己表現が自己表現で完結する場合があり、そこには他人からの目線は必ずしも必要ではないというのはおもしろい。

一方で、「シティビルは個性が出せないのは面白くない」「レストランシティは恥ずかしくなく個性を発揮できるのが面白い」というコメントもあった。自己表現をする上で、自慢だけではなく「それをしても恥ずかしくない」、ある意味「堂々と自己表現が出来る」場と言うのは大事な要素でなり得ることが推察できる。「ゲームがそのように作られているから」というのは恥ずかしさをなくす上ではわかりやすいエクスキューズだ。また、こちらのコメントからは、「他人の視線」を意識する姿勢もうかがえる。やはり、自己表現単独での完結というよりは、人に見られるという要素があるからこそ自己表現が自己表現として成立するのかもしれない。

これまで、釣りスタにしても怪ロワにしても「バトル系」と呼ばれるようなジャンルのソーシャルゲームにフォーカスを当てることが多かった。それは単純に各SNSを代表するゲームであったからだが、自己表現の要素の強いゲームを見ることでもまた新しい発見がありそうな気がしたインタビューだった。

■著者紹介

深田浩嗣(ふかだこうじ)
株式会社ゆめみ(代表取締役 社長)。1976年京都生まれ。京都大学大学院情報学研究科在学中2000年1月に株式会社ゆめみを設立。高い技術力を駆使し、モバイルEC、メール配信、大規模CRMの開発やソーシャルゲームプロバイダなど「モバイルを戦略的に使うためのコンシェルジュ」として、モバイルインターネットサービスの企画・開発・運営を手がける。ゲーミフィケーションの詳細はコチラ公式ブログほか、Twitterはコチラ。facebookはコチラです。
《深田浩嗣》

関連ニュース

特集

人気ニュースランキングや特集をお届け…メルマガ会員はこちら