ITビジネス関係者は見るべし!そして触発されるべし!〜映画「ソーシャル・ネットワーク」・・・北村勝利「モバイルゲーム屋が見るビジネスの未来」第19回 | GameBusiness.jp

ITビジネス関係者は見るべし!そして触発されるべし!〜映画「ソーシャル・ネットワーク」・・・北村勝利「モバイルゲーム屋が見るビジネスの未来」第19回

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明日15日から公開予定の映画「ソーシャル・ネットワーク」を鑑賞させていただく機会があり、先週読んだスティーブ・ジョブズの若かりし頃を書いた本とも共通したものを感じることがありまして久々に寄稿いたします。

映画「ソーシャル・ネットワーク」を見て感じた事。それは大きな事を成す人達の共通項は「ひとでなし」ということです(笑)。この映画の主人公であるFacebook創業者のマーク・ザッカーバーグの描かれ方も、暗い、冷たい、ケチ、偏屈、薄情なテックナード(=tech nerd、技術オタク)と、ネガティブイメージのオンパレードです。



アップルのスティーブ・ジョブズもマーク・ザッカーバーグに負けず劣らずどころか、輪をかけたような「ひとでなし」に加え、詐欺師、大泥棒。おまけに嫌われても気にせず平然とした無謀でわがままな成り上がりもの・・・。世間的には「稀代の成功者」「天才」と評されているこの二人ですが、個人的な性格や仕事の進め方の話になると両者とも酷い言われようです(笑)。

ただ、この「ひとでなし」具合、成功の秘訣に我々は学ばなければならないポイントがあるんじゃないか、という観点でこの映画を勧めたくなった次第です。

スティーブ・ジョブズの若かりし頃を描いた本の中に「凡人は真似る。天才は盗む」というフレーズがあります。

事を成す人の頭には常に、実現したいイメージ、アイデアの種、キーワード、そして「何か訳わからないんだけど、前に進みたい強い欲求」があり、24時間、365 日、頭の中の「モヤモヤした熱い何か」がスパークする瞬間を待っていると言います。それがスパークする瞬間は誰にも計算できず、それこそコーヒーのコースターを触ってたらピーンと来た!レベルの偶然性と運命的な瞬間を必要とします。

まぁ、第三者的にみれば単なる強い「思い込み」以外の何者でもないわけですが・・・(笑)。この「思い込み」の価値は当人のみぞ知る世界。それこそ結果論でしか論評で出来ない領域なわけです。

世の中を変えるようなアイデアや理想を実現する為には、その過程にある常識や社会通念などぶっちぎってしまうゴールに対する強い執念、言い換えれば「思い込み」が必要不可欠です。いや、単なる「執念」という言葉を超えた「生み出さずにはいられない」ドロドロした情念のようなものかもしれません。

そしてこれこそが時代変化の激しいITビジネス、ベンチャービジネスにもっとも必要なエッセンスなのではないでしょうか。

新しい価値を創造する時のマグマみたいなモノ。時代を変えるエネルギーってコレなんだ!と、映画を見て改めて思いだした瞬間でした。

振り返ってみれば、今の我々、いわんや昔の勢いをなくした日本経済の現状、こんな熱い気持ちの「情熱バカ」が少なくなって来ている事と無関係ではないんじゃないかと。

我々ITビジネス、ゲームビジネス従事者として、当初の「熱い気持ち」や、犠牲を払ってでも実現したい理想のサービス、といった熱いパッションを抱いて取り組んでいるのか?と、自身を振り返った瞬間でもありました。

おっと、映画の話です。

・・・この映画の冒頭、ハーバード大学の先輩からプログラムの腕を買われたマーク・ザッカ―バーグに、SNSサイトの開発を頼まれるシーンがあります。その時マーク・ザッカーバーグには天からの啓示があったのです。マークの中で、「何か」と「何か」がスパークして閃いた瞬間でした。

今までモヤモヤして来た「何か」はこれだったのだと。

自分だったら、こうしてあーしてこうやって、と開発仕様も同時に浮かんだ瞬間です。「凡人は真似る、天才は盗む」という瞬間がこの事なのでしょう。当人からすれば長年思ってきた「何か」がスパークしただけなんです。ただし、この事が問題を引き起こします。アイデアの盗用だと。

・・・サービスがスタートして順調にユーザー数が伸びて行く中、先行投資が続きキャッシュフローに悩む番頭役の共同経営者サベリン。そして理想の実現に向けて自由気ままに金を使うマーク・ザッカーバーグを管理する思惑で銀行口座を凍結してしまいます。

そしてこの事がもう一つの問題を引き起こします。詳細は映画で楽しんで頂きたいのですが、会社経営していればありがちな問題とも言えますが、スリリングに描かれた数々のシーンは我々ベンチャー経営者が見てもリアリティを感じる作りになっています。

そして、この映画に華を添えるのが、もう一人の主役ともいえるNapstarの設立者であるショーン・パーカー。7歳の頃からプログラムに親しみ、高校生の時には大企業から軍部まで、あまたのネットワークにハッキングした罪でFBIに捕まり、19歳で音楽ファイル交換サービス「Napstar」創設に参画しレコード会社からの法廷闘争に巻き込まれた、というある種の天才。

NapstarとFacebookという2大ネットサービスの誕生に関与したこの人の感性は驚嘆に値します。テックナードでありながらユーザーニーズの先端を嗅ぎ分ける才能は我々に多くのものを示唆してくれます。

この映画の原作となった本は、「The Accidental Billionaires(偶然の億万長者)」共同経営者としてパートナーであったにもかかわらず追放された番頭役サベリンの発言がベースとなっています。

創業に深く関与したサベリンがFacebook成功の歴史から葬られる事を防ぎたかったのでしょうか、「ラス・ヴェガスをぶっつぶせ!」で知られるノンフィクション作家のベン・メズリックに自分サイドの「真実」を語った事から始まり、周辺取材を経て完成された本がベースとなっています。ちなみにマーク・ザッカーバーグは小説も映画も事実無根と一蹴しています。

ということで、さぁ、この映画を見て創造者たちの生き様に触発されて、皆で「ひとでなし」の情熱バカになって(笑)、来るスマホ時代の先進サービスを生み出そうではありませんか!

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PS:試写会をセッティングしてくれたソニー・デジタル・エンタテイメントの福田社長に感謝。
《北村勝利》

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