「ゲームを作りたいなら役員になるべきではない」 ―THQのコアゲーム担当役員 | GameBusiness.jp

「ゲームを作りたいなら役員になるべきではない」 ―THQのコアゲーム担当役員

海外の業界人は現場主義の大切さを語ります。

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海外の業界人は現場主義の大切さを語ります。

THQのDanny Bilson氏は先日米サンフランシスコで行われたIGDAのフォーラムでビジョンの重要性について語っています。

Danny Bilson氏はTHQコアゲーム部門のエグゼクティブ・バイス・プレジデント。最初はゲームの質を向上させるためのクリエイティブディレクターとして入社したそうです。当時のTHQにはクリエイティブな資質を持ったディレクターが少なく、“プロジェクトを進める前にあきらめるような”人々ばかりだったそうです。

「こうしたシステムはコンセプトを薄め、コストがかかります。こうした繰り返しの全てにお金がかかるのです。我々はここにアイデアがあるとなったら、ただ前進してそれを実現しました」

ゲーム界の問題の一つは膨れあがる制作費用ですが、氏は確固たるビジョンこそがこの問題を解決するといいます。

「我々はいかにしてコストを節約すべきか。一つの方法はクリエイティブなビジョンを手に入れ、それを推し進めることです。私は共同制作的なアートを信じません。皆は良く“沢山の人を雇いました”といいますが、ビジョンは一つで皆に周知されなければなりません。多くの人々はルールの中で制作する能力を持っているのです。過去にはマーケティングによる市場予測という枷がありました。予測は予算を決め、予算はあなたがゲームに盛り込めるフィーチャーと、ゲームでできることを決めます。彼らは自分が望むものを手に入れるために予測を操ることができます。なぜアーティストでない人がアートを変えるのでしょうか」

「ゲームはいかなる形であっても会社から指示されるべきではないと思います。もしあなたがゲームをデザインしたいのなら、ゲームスタジオに入るべきです。会社の本部にいるべきでも、役員になるべきでもありません」

氏のいうことを要約するなら「明確なビジョンに貫かれた現場主義」が大事であるということでしょうか。

ビジョンを明確にすることは無駄な繰り返しをなくし、それは回り回って予算の節約にも繋がる。マーケティングや予測は誰かが考えたものであり、どこかに主観が入ってしまうのでゲームの向上には必ずしも直結するものではなく、そうした視点よりはクリエイターとしての本文を貫くべきである・・・というのが主張であるようです。
《水口真》

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