自社開発『アリスフィクション』リリースするも広告費が膨張…ワンダープラネットの業績に暗雲立ち込める【ゲーム企業の決算を読む】 | GameBusiness.jp

自社開発『アリスフィクション』リリースするも広告費が膨張…ワンダープラネットの業績に暗雲立ち込める【ゲーム企業の決算を読む】

2022年7月27日に配信を開始した『アリスフィクション』の運営会社ワンダープラネットの業績が急悪化しました。

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(UPDATE 2022年10月24日16時:一部資料を最新のものに差し替え、追記をいたしました。)

2022年7月27日に配信を開始した『アリスフィクション』の運営会社ワンダープラネットの業績が急悪化しました。

2022年8月期の売上高は前期比4.6%減の34億2,200万円となり、18億8,700万円もの純損失(前年同期は8億2,500万円の純利益)を計上しました。身の丈に合わない広告宣伝費を投下して大赤字に転落。ワンダープラネットの自己資本比率は63.7%→14.3%まで縮小しました。

自己資本比率は総資産に占める自己資本の比率を示すもので、財務の健全性を表す指標の一つ。10%を下回ると債務超過、倒産が視野に入る危険水域と言われています。

2021年6月に新規上場したワンダープラネットに早くも暗雲が立ち込めています。

グローバル展開できる事業構造に強み

ワンダープラネットは2012年9月に設立された社歴の若い会社。2015年7月に配信を開始した『クラッシュフィーバー』が全世界1,400万ダウンロードを超えるヒットを飛ばしました。更に2018年3月の『ジャンプチ ヒーローズ』が2,000万ダウンロードを突破してヒットを重ねます。

代表取締役社長の常川友樹氏は、2001年にサイバーエージェントの子会社で後に楽天が買収したフープスにアルバイトとして入社。その後、サイバーエージェントが設立したIT系スタートアップの創業メンバー、執行役を務めた後、2004年にオープンキューブを設立。アプリ開発センターをMBOで独立させ、ワンダープラネットを設立しました。代表はエンジニア畑出身です。

ワンダープラネットは主力事業の推進を名古屋本社、東京オフィスの2つの拠点で行っています。名古屋本社は開発から運営を担い、東京オフィスは海外展開を強みとしています。『この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ』の開発はサイバーエージェントの子会社サムザップが行っていますが、繁体字圏(台湾、香港、マカオ)への運営はワンダープラネットが担当しています。

ヒット作を素早く海外展開できる点は同社の強みです。

※「事業計画及び成長可能性に関する事項」より

パートナー企業も多く、『ジャンプチ ヒーローズ』のようなタイトルも手掛けています。

上場直後の2021年8月期の売上高は前期比4.4%増の35億8,500万円、純利益は3.6倍の8億2,500万円と好調でした。

決算短信より

ワンダープラネットは上場時の新規発行株式で1億2,000万円を調達していました。その大部分を新規開発に充当するとしていました。それが『アリスフィクション』だったものと考えられます。


《不破聡》

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