『ポケモンGO』や「君の名は。」選ばれる―第20回文化庁メデイア芸術祭受賞作品発表 | GameBusiness.jp

『ポケモンGO』や「君の名は。」選ばれる―第20回文化庁メデイア芸術祭受賞作品発表

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『ポケモンGO』や「君の名は。」選ばれる―第20回文化庁メデイア芸術祭受賞作品発表
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文化庁は、都内のNTTインターコミュニケーション・センターにて第20回文化庁メディア芸術祭の受賞作品を決める発表会を開催しました。

第20回目となる今回の文化庁メディア芸術祭では、応募総数4,034作品の中からアート部門とエンターテインメント部門、アニメーション部門、マンガ部門の4部門から優秀作品が選ばれます。壇上には、主催者となる文化庁メディア芸術祭の実行委員が上がり、文化庁長官の宮田亮平氏(今回は代理で、文化庁文化部芸術文化課長の木村直樹氏が出席)、多摩美術大学長の建畠晢氏が紹介。

文化庁の木村直樹氏

続いてアート部門主査では京都精華大学教授の視覚文化研究者佐藤守弘氏が、エンターテインメント部門ではデザイナー/クリエイティブディレクターの東泉一郎氏が、アニメーション部門では「装甲騎兵ボトムズ」や「蒼き流星SPTレイズナー」の監督で知られる高橋良輔氏が、マンガ部門では大阪芸術大学のマンガ家犬木加奈子氏がそれぞれ上がりました。

文化庁の木村直樹氏による挨拶の後いよいよ受賞作品が発表。アート部門では、ドイツのラルフ・ベッカー氏による空気中の放射線によって反応する「Interface I」が大賞へと選ばれました。


Interface I / 2016 from Ralf Baecker on Vimeo.


他にも吉原悠博氏による「培養都市」と、『Alter』制作チームによるロボット「Alter」、Benjamin Maus / Prokop Bartonicekによる「Jller」、Ori ELISAR氏による「The Living Language Project」が優秀賞。津田道子氏の「あなたは、翌日私に会いにそこに戻ってくるでしょう。」、Rosa Menkmen氏の「DCT: SYPHONING. The 1000000th interval.」、Nina Kurtela氏による「The Wall」が新人賞に選出されました。


続いてエンターテインメント部門へと移り、2016年7月末に公開された庵野秀明と樋口真嗣監督による「シン・ゴジラ」が大賞を受賞。東宝の映画企画部長の山内章弘氏が壇上に上がり、国内で北村龍平監督の「ゴジラ FINAL WARS」から12年ぶりに制作されたことに関し「同じことをやっても仕方がなく、覚悟を決めて、あらゆる意味で新しいものを作りたい」という思いから始まったとコメント。


東宝の山内氏は「シン・ゴジラ」だけでなく「君の名は。」の製作にも関わっている

さらに、ゴジラをきぐるみではなくフルCGで表現し、野村萬斎氏の狂言の動きを取り入れてモーキャプを行ったことや、撮影でもiPhoneなどを取り入れるなど、映画としての進化をさせたいという想いから制作に取り組んだとのこと。さらに、樋口真嗣監督からのビデオレターも公開され、今回の受賞に関して賞を貰えることに驚いていると述べていました。


また審査員の東氏は、「シン・ゴジラ」に関して審査過程で非常に激しく議論を交わしたという。映画賞的な評価に加え、政治を活劇的に取り上げると共に笑い飛ばしているという批評性がある点や、モーキャプやCGなど映画制作や表現としての到達点があったことも評価が高かった理由ということを語りました。


優秀賞に選ばれた『Pokemon GO』

続いて優秀賞では、電気味覚を用いた川嵜鋼平氏ら6名によるガジェットプロジェクトの「NO SALT RESTAURANT」が、市原えつこ氏のロボアプリ「デジタルシャーマン・プロジェクト」が、ポケモンGO制作チームによる『Pokemon Go』が、Unlimited Corridor制作チームにVRシステム『Unlimited Corridor』が選出。また新人賞では岡崎体育のミュージックビデオ「MUSIC VIDEO」がピックアップ。壇上に上がった同氏は、インディー時代を踏襲し6万円ほどの低予算で制作したようです。他にもRyo Kishi氏による「ObOrO」と、Marcel Bueckner氏らによる「RADIX | ORGANISM / APPARATUS」が新人賞に選ばれています。


次にアニメーション部門へと移りました。アニメーション部門の大賞は、新海誠監督作品の「君の名は。」です。この受賞に関して制作会社であるコミックス・ウェーブ・フィルムの代表取締役川口典孝氏が壇上に上がりました。


コミックス・ウェーブ・フィルムの代表取締役の川口典孝氏

川口氏は、「君の名は。」のプロジェクトがまるまる2年がかりだったことを語り、新海監督との過去を話しました。新海監督のデビュー作であるインディー短編アニメ映画「ほしのこえ」から続いていることや、DVD化の際に新人であることで尽くレーベル各社に相手にされず自ら販売に臨んだこと、新海作品第2作目となる「空の向こう、約束の場所」でも自ら配給に挑んだと振り返ります。

今作の「君の名は。」では、東宝が配給となり300館規模での上映となった事に加え、新海監督の強い作家性を殺さずにエンターテインメントとして昇華させた事を天才として評価し、一緒にやってきて良かったとコメントし、また次回作にも取り組む機会が来たと述べました。


審査員である「ボトムズ」の高橋良輔監督は、「今年の審査は楽だ」と思った反面、ちゃんと「君の名は。」が応募されているかどうか心配したそうです。「君の名は。」がちゃんと応募されていたことに安堵すると共に、仲間内に観た者と共にヤキモチも含め様々なことを話し合ったと述べました。高橋氏は、大阪の劇場で午前中に観賞しにいったところ、自分と同じくらいの年齢の観客がいたのを見て「この作品はきっと力がある」と確信したとのこと。

高橋良輔監督

感想としては「ここまで日本のアニメーションが来たのだな」と思い、高橋氏の出発点であるアニメ「鉄腕アトム」での経験から、アニメは絵を綺麗にするだけではなく内容を面白くしなければならないと常々思っていると語ります。その観点から、2016年のアニメは内容に伴うクオリティとして「君の名は。」がメディア芸術祭の大賞に選ばれる堂々たる作品であると絶賛しました。

また選考するに当たって、あまりにも堂々たる姿をしていることから、審査員の中から「こんなにスタンダードなものを賞に選んでいいのか」という実績に対する疑義みたいのがありましたが、全て議論の中で収束し「この作品があって良かった」という結論に至ったそうです。

続いて優秀賞では、山田尚子監督のアニメ映画「聲の形」が、Ale Abreu氏のアニメ映画「父を探して」が、Anushka Kishani Naanayakkara氏の短編アニメ「A Love Story」が、Anna BUDANOVA氏の短編アニメ「Among the black waves」が選出。新人賞では、堤 大介/ロバート・コンドウ氏による短編アニメ「ムーム」が、Emma Vakarelova氏の短編「I Have Dreamed Of You So Much」が、Arturo “Vonno” Ambriz / Roy Ambriz氏の短編「Rebellious」を選ばれました。最後に高橋監督は、2016年は非常に実りの多い1年だったと話し、オンデマンドや劇場など様々な鑑賞形態があるなかでも山田監督の「聲の形」に関連して、制作会社である京都アニメーションはここ20年間のアニメーションを支えた他にも、今までの京アニ作品の中から一歩も二歩も出たと言えるような作品になったと語ります。日本のアニメーションが停滞気味である事を感じ、絵が綺麗になっていく中で「内容はどうなのか」という声が多かったのですが、2016年度は充実していたとコメントしました。


最後のマンガ部門では、大賞に石塚真一氏の漫画「BLUE GIANT」が選ばれました。大賞に選ばれた石塚氏は、大賞に選ばれたことを嬉しく思うと共に、ストーリーに関して編集に助けてもらっているとコメント。犬木氏による選考理由に関しては、大賞となるとかなり大きなものなので、かなり大きな決め手が必要であるという。その決め手になったものとしては、音がでない漫画において音をどのように表現するかという点について、スピード線を多用し、音が溢れ出てくるような表現をどのように伝えようとしているのかという苦労という話題が出た途端に「BLUE GIANT」へと決まったようです。

石塚真一氏

他の優秀賞では、ユン・テホ氏の「未生 ミセン」、高井研一郎氏と林律雄氏の「総務部総務課山口六平太」が、筒井哲也氏による「有害都市」が、松本大洋の「Sunny」が選出。新人賞では、灰原薬氏の「応天の門」清家雪子氏の「月に吠えらんねえ」が、畑優以氏の「ヤスミーン」が選ばれました。

また功労賞に関しては、コンテンツマネージャーの飯塚正夫氏が、電子楽器開発者の梯郁太郎氏が、昭和漫画館青虫館長の高野行央氏が、作曲家/編曲家/シンセサイザー・プログラマーの松武秀樹氏の4名が選ばれています。

最後にこの発表会に関し建畠晢氏は、エキセントリックな作品に票が傾くことが近年多かったが、2016年度の特色として社会現象となるような大メジャー作品があるということなどを挙げ、話題作や話題のゲーム作品などが挙がったメディア芸術祭の発表を締めました。

今回の受賞作品は、2017年9月に開催される「受賞作品展」で展示される予定です。

《G.Suzuki》

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