100万DLの小規模インディーゲームに再現可能性はあるか?『ローグウィズデッド』開発者がマネタイズ戦略を徹底解説【IDC2023】 | GameBusiness.jp

100万DLの小規模インディーゲームに再現可能性はあるか?『ローグウィズデッド』開発者がマネタイズ戦略を徹底解説【IDC2023】

『ローグウィズデッド』は2022年9月のサービス開始から1年と3カ月で100万ダウンロードを達成しています。

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100万DLの小規模インディーゲームに再現可能性はあるか?『ローグウィズデッド』開発者がマネタイズ戦略を徹底解説【IDC2023】
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インディーゲームメーカー・room6のkohei氏

2023年12月17日、インディーゲーム開発者を対象としたカンファレンス「Indie Developers Conference 2023」が開催されました。本稿では、そのセッションレポートをお届けします。

小規模モバイルゲームが配信1年3カ月で100万DLを達成

「100万DLを達成するための小規模モバイルゲームの開発と運営」では、京都の小規模インディーゲームメーカー・room6のkohei氏が登壇しました。

kohei氏が手がけた『ローグウィズデッド』は、日本・アメリカ・韓国ほかグローバルで展開されているスマートフォン用戦略放置RPGです。2022年9月のサービス開始から1年と3カ月で100万ダウンロードを達成しています。

セッションは「kohei氏が次にゲームを作るとき、同じように100万ダウンロードを達成するにはどこに着目すべきか(100万ダウンロードのゲームに再現性はあるか)」というテーマで行われました。

ユーザーの30~40%を広告出稿で獲得

はじめに、セッションの前提情報として『ローグウィズデッド』について説明されました。同作は当初から5年・10年という長期運営を見据えて制作されたゲームで、ユーザーの30~40%は広告出稿で獲得しているなど、企画時からマネタイズが強く意識されたゲームであるとのことです。

インディーゲームをヒットに導く3つの要素とは

kohei氏は『ローグウィズデッド』ヒットの理由をあらためて分析し、特に大切なのは「オーガニックユーザーの獲得」「広告出稿でのユーザー獲得」「継続的なアップデートによるユーザー獲得」であるとしました。

オーガニックユーザーは、広告などを見ることなく自然な検索で流入したユーザーを指す言葉。すなわち、オーガニックユーザーを増やすにはアプリストアでの露出が増えている必要があります。そして「“アプリストアにとって”おもしろいゲームは数字で測れます」とkohei氏。

具体的には「継続率」、「レビュー」、「プレイ時間」、「課金」、「ストアコンバージョン率」、「安定性」を満たす(高い基準を維持する)ことができればストアでの露出が増えるとし、セッションでは「継続率」、「レビュー」、「課金」という3つの要素にしぼった話が展開されました。

継続率は1カ月経過時点の数字を重視する

『ローグウィズデッド』のユーザー継続率は、Day29(ゲームを始めてから29日)で14.88%であるとのこと。kohei氏は、ゲームを広くアピールしても肌に合わない人は必ずいるのでDay1を高くすることにこだわる必要はなく、「約1カ月プレイを続けて(=Day29)、まだこれからも遊ぼうと思ってくれる人を増やすのが大切だと思う」と語りました。

そして、継続率を上げるために重要なのは、「遊んでいておもしろいのは大前提で、そのうえで十分なボリュームがあること」と続けます。しかし、kohei氏が「3カ月は遊んでもらえるだろう」と思って用意したサービス開始初期の実装分は、ユーザーにわずか1週間でクリアされてしまったそう。新規ステージを実装し続けるのも解決策のひとつですが、kohei氏は「転生」システムでの解決を図りました。

本作は敵にやられたりリタイアしたりすると最初からやり直しになりますが、プレイヤーキャラクターを強化する「アーティファクト」を持ち越せるので、0からの再スタートではなく少しずつ強くなれます。こうすることで、同じステージを繰り返しプレイすることに意味を持たせました。また、転生後はまれに会話イベントが発生するようにして、同じことの繰り返しにならない工夫も凝らしています。

さらに、プレイヤーを飽きさせないためには「プレイヤー自身に能動的な目標を持ってもらうこと」も大切です。本作はキャラのレベルが100になると突然大幅に強化されますが、それも能動的な目標に繋がる施策の一環であるとのことです。

レビューを促すには適したタイミングがある

ユーザーからのレビューが高評価であることも、ユーザー数を増やす確実な手段のひとつです。そして高評価をもらうには「レビューを促す(インターフェースを実装しておく)こと」「促すタイミングを計ること」「ゲームのストレスポイントを極力減らすこと」であるとしました。

レビューを促すのに適したタイミングは「ユーザーが“やりきった”と思えた瞬間」。ストーリーをまとめるなど何らかの”終わり(区切り)”を明確な形で用意し、そのタイミングでレビューを促すのがポイントです。

またストレスポイントを減らすには、他者の意見・視点が必要不可欠。これに関しては、リリース前のベータテストを行い、フィードバックを得るのが大切だとしました。これにより、アプリストアで注目を集めやすいリリース直後に、高評価のレビューが得られる可能性が高まります。

ユーザーに「今、課金しないともったいない」と思ってもらう工夫

『ローグウィズデッド』の有料商品において、全体の36%を占めているのは「恒久的な広告の削除」。そこからkohei氏はユーザーが課金してくれるきっかけを「今、課金しておかないともったいないと感じたとき」であると分析しました。広告削除の購入は「未来のプレイ効率の購入」でもあるからです。


《蚩尤》

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