【GTMF 2015】進化する「OROCHI」と新レンダリングエンジン「Mizuchi」の連携

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【GTMF 2015】進化する「OROCHI」と新レンダリングエンジン「Mizuchi」の連携
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国産ゲームエンジンとして気を吐くOROCHI。6月末から最新版「OROCHI 4」と、新レンダリングエンジン「Mizuchi」の評価版先行受付が開始されています。GTMF 2015ではシリコンスタジオの原田喜仁氏と辻俊晶氏が、両者の概要とワークフローの変化について解説しました。

「OROCHI」はグラフィックス、フィジックス、AIなど13のライブラリと、40以上の開発ツールを備えたオールインワン型のゲームエンジンです。最新版「4」では従来の「Yebis3」に加えて、物理ベースのレンダリングエンジン「Mizuchi」を外部機能として使用できます。PS4とPS Vitaなど、性能差のあるプラットフォームにおいても、同じワークフローで開発を進められる点も特徴です。



対応プラットフォームは「OROCHI 4」がPS4、PS Vita、PS3、Xbox360、Windows(DirectX 9/11)で、Xbox Oneも対応予定。一方「Mizuchi」はPS4、Windows(DirectX 11)で、Xbox OneとDirect X12も対応を予定しています。ざっくりといって「OROCHI 4」はハイエンドからミドルレンジまで幅広いゲーム開発に対応し、Mizuchiと組み合わせることで最先端のグラフィック表現にも対応すると理解すれば良いでしょう。

同社で新世代レンダリングエンジンのプロジェクトリーダーを務める辻氏は、2009年末にネット上で公開され、大きな話題を集めたショートフィルム『The Third & The Seventh』がMizuchi開発のきっかけだったと言います。バングラデシュ国会議事堂やフィリップ・エクスター・アカデミー図書館などの名作建築をモチーフにした映像詩で、映像作家のアレックス・ローマンことホルヘ・セバ氏の個人作品。CGでありながら実写にしか見えない映像作品に、「これをリアルタイムで動かせるものを作る」ことが社内の目標になったと説明しました。

実際、OROCHI4とMizuchiの組み合わせでは▽物理ベースレンダリング▽レイヤー機能▽間接光▽ガラス・半透明ーーなど、さまざまな機能が追加されます。ユーザーが独自にツールを拡張したり、プラグインで独自のフォーマットを利用することも可能。従来のOROCHIでは暗部が潰れたり、ディティールが飛んでしまったようなシーンでも、実写クオリティで再現できるとして、両者の比較サンプルも紹介されました。









さて、OROCHI4とMizuchiの組み合わせでは、これまでのワークフローが一部変更となります。具体的にはこれまでOROCHi上で行っていた絵作りを、専用のMizuchiエディターで設定することになります。ライティングやマテリアルの編集、Image Based Lighting用のキューブマップ設定やマテリアル設計、ポストエフェクトデザイン、独自シェーダ設計などです。設定ファイルを出力後、OROCHI4でマップをロードすると、自動的に設定が読み込まれて反映されます。原田氏は「できるだけMizuchiエディターで絵作りを完結させ、OROCHI4とMizuchiの行き来を減らすのがコツ」だと説明しました。

一方でPS4とPS Vitaのように性能差のあるハードを同時開発する場合は、Mizuchi側で設定されたマテリアルやライティング情報を、PS Vitaで使用できるように自動的に変換される「最適化ツール(仮称)」が用意されます。これによりOROCHI4+Mizuchiの組み合わせでPS4向けに開発すれば、最低限の手間でPS Vitaにも適用させられるというわけです(ただし、それ以外の部分、たとえばモーションデータやHUDなどMizuchiエディター以外で作られる素材については、別途ユーザー側で作り分けが必要になります)。

なお講演終了後「物理ベースのライティングになれていないアーティスト向けの教育コスト」について質問がありました。これに対して原田氏と辻氏は「MizuchiエディターはPhotoshopのようにレイヤーを重ねるだけで物理ベースのライティングが可能で、初心者でも非常にとっつきやすい」と説明しました。また近年注目を集めているVR対応についても、Morpheus向けに今秋に対応予定とのことです。

最後に原田氏から「ゲーム開発側がエンジン側の仕様に歩み寄るのではなく、エンジン側がゲームの企画・目標を共有し、歩み寄っていくのがOROCHIのスタイル」と繰り返され、セッションが終了しました。純国産エンジンであり、日本語で手厚いサポートが受けられ、日本の開発スタイルを熟知しているという、同社の強みが改めて示された形です。今後の展開に期待しましょう。
《小野憲史》

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