ゲーム開発者の8割以上が「生成AIの倫理的問題を懸念」―GDC「2024年ゲーム業界の現状レポート」を発表 | GameBusiness.jp

ゲーム開発者の8割以上が「生成AIの倫理的問題を懸念」―GDC「2024年ゲーム業界の現状レポート」を発表

レイオフへの懸念、生成AIの是非、SNSの現状をどう見るかなど、さまざまな観点からゲーム業界の現状が浮き彫りになっています。

市場 調査
ゲーム開発者の8割以上が「生成AIの倫理的問題を懸念」―GDC「2024年ゲーム業界の現状レポート」を発表
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Game Developers ConferenceとGame Developerは、2024年3月18日から22日までアメリカ・サンフランシスコで開催される「GDC 2024」に先立ち、ゲーム業界の動向を明らかにする「2024 State of the Game Industry(2024年ゲーム業界の現状レポート)」を公表しました。

レポートは3,000人以上のゲーム業界者を対象に、昨今の業界に吹き荒れるレイオフ、生成AIの是非、マーケティングツールとしてのSNSの現状、少しずつ進むRTO(Return to Office/オフィスワークへの復帰)など、さまざまな観点からゲーム業界の今を切り取っています。本稿では、そのハイライトを紹介します。

開発者の35%がレイオフの影響を受け、50%がさらなるレイオフの増加を懸念

開発者の35%が、レイオフの影響を受けたことがあると回答。もっとも大きな打撃を受けたのはQA(品質保証)部門の開発者で、22%が2023年にレイオフされたと回答しました(開発者全体では7%)。反対に、もっとも影響が少なかったのはビジネスや財務に携わる役職で、2%にとどまりました。

「今後12ヶ月間に自社でレイオフが行われる可能性」について尋ねると、まったく懸念していないのは全体の約3分の1だったのに対し、半数以上の56%が「ある程度の懸念」を示しました。近年レイオフが増えている背景に関しては、コロナ禍を抜けての軌道修正、ゲームスタジオのコングロマリット化、経済の不確実性の影響などが理由として挙げられています。

5人に4人が生成AIの倫理的な問題を認識・懸念している

生成AIがゲーム業界にどのような影響を与えるかについては、意見が分かれました。ビジネス、マーケティング、プログラミングの分野では生成AIが「ポジティブな影響を与える」とする傾向が多く、ストーリー、ビジュアルアート、QAの分野ではネガティブな影響を懸念する傾向が見られました。

ただし、生成AIが持つ倫理的な問題については議論を待たず、大多数となる84%が生成AIを使用することの倫理性について「やや懸念している」または「非常に懸念している」と回答。「懸念していない」と回答したのはわずか12%でした。

開発者たちは現状のXに不満を持っている

口コミやSNSはゲーム開発者がもっとも活用しているマーケティングツールで、76%の開発者がXを活用していると回答。しかし、多くの開発者はXの現状に不満があるとも回答しました。

過去1年間でソーシャルメディアマーケティングの利用がどのように変化したかを尋ねると、Xについて言及した回答者の97%が同プラットフォームに否定的な見解を示しました。その理由として、現オーナーであるイーロン・マスク氏への不満、企業がナビゲートしなければならないアプリやプラットフォームの多さ、ソーシャルメディアマーケティングに対する一般的な知識や関心の欠如などが挙げられました。


その他、アクセシビリティへの対応やゲームエンジン利用状況などについても、業界の最新動向が明らかになっています。「2024 State of the Game Industry」の全文は、こちらから無料でダウンロードできます。

《蚩尤》

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