不景気でも底力を見せたGDC、負けられない日本・・・「小野憲史のゲーム評評」第15回 | GameBusiness.jp

不景気でも底力を見せたGDC、負けられない日本・・・「小野憲史のゲーム評評」第15回

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5日間にわたるGDCが閉幕しました。主要なセッションについては本誌でもすでに報道済みですが、ハードメーカーの基調講演がなく、講演内容も一部のAAA級タイトルとソーシャルゲームに偏りがちという、昨今の不況感を忍ばせる一面も見られました。しかし公式発表では参加者が過去最大を記録するなど、会場からは例年以上の熱気が感じられ、北米のゲーム業界の底力が感じられました。

さて、GDCの次はCEDECのターンです。今年のCEDECでは例年以上にセッションの公募が奨励されており、運営スタッフが積極的にtwitterでツイートするなど、今までにない姿勢が見られます。GDCの最終日にIGDA日本が主催するJAPANパーティでもCESAの担当者が出席し、公募のアピールが行われました。3月末が締め切りと、いよいよ半月を切りましたが、皆さん準備はいかがでしょうか? ちなみに昨年度の採択率は約5割だったとか。僕も採択されるか否かはおいといて、いくつか企画を提案するつもりです。

くだんの担当者からも興味深い発言がなされました。仮に公募が採択されたとして、会社の上層部からストップがかけられたら、CESAおよびCEDEC事務局から企業あてに、説得に当たるというのです。そもそもCEDECを運営するアドバイザリーボードは、日本の主要パブリッシャーの第一線で活躍する開発者で構成されています。つまり、これらの企業では上層部自ら公募が奨励されていると考えられます。いや、ホントに現場の尻を積極的に叩いているみたいなんですよ。

僕もゲーム業界を取材して15年以上になりますが、初期のCEDECには日本のゲーム業界特有の縄張り意識や秘密主義が、そこかしこで感じられました。これが180度変わってきたわけで、考えてみれば凄いことだと思います。その背景には、ここ10年来の日本のゲーム産業の地盤沈下があるわけで、いいかげんギアを入れ替える必要がある。10年かけてダメになったものは、あと10年くらいかけないと復活しないかもしれませんが、何事も前に踏み出すことが重要ですよね。

そしてCEEDCを本当の意味で支えるのが参加者、特にスピーカーです。「上司がダメだと言うから」「パブリッシャーが嫌がるから」。これは今や現場開発者の言い訳にすぎません。「何も話すことがないから」そんな会社がホントにあったら、たぶん数年後には経営が傾いているのではないでしょうか。良くも悪くもサラリーマン・クリエイターで占められているのが日本のゲーム産業の特徴ですが、それが情報共有となると、とたんに悪い方に向かう傾向にあります。現場の開発者一人ひとりが、もっともっとプロ意識を持つ時代になっている。そのことをCEDECで再確認してもらえればと思います。
《小野憲史》

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