"ローカライズ"の意味の違い〜ゲームビジネスの国際化を反映する「CEDEC」・・・「小野憲史のゲーム評評」第3回 | GameBusiness.jp

"ローカライズ"の意味の違い〜ゲームビジネスの国際化を反映する「CEDEC」・・・「小野憲史のゲーム評評」第3回

その他 その他

テレビゲームの技術カンファレンス「CEDEC」のセッション概要が発表されました。今年は総セッション数が約150コマに拡大し、より多彩な議論が展開されそうです。

中でも興味深かったのが、海外展開や、いわゆる「ローカライズ」に関するセッションが増えたこと。セッション名にも「グローバル時代」「ワールドワイド」といったキーワードが散見されます。これ、公募全体では、もっと多かったそうですね。

同じトレンドは、本年3月に米サンフランシスコで開催された「GDC」でも感じられました。GDCでは新しく「ローカリゼーション・サミット」が開かれ、1日たっぷり費やして議論されたほど。ゲームビジネスの国際化が、急速に進んでいる様が感じられます。

ただGDCで取材して、日本と欧米では「ローカライズ」の意味が、ちょっと違う印象を受けました。

欧米圏の「ローカライズ」とは、極論すると「米欧同時発売」のこと。中でも英語ベースで開発中のタイトルを、いかにヨーロッパの多言語に同時翻訳していくか、そのための技術論が議論の中心でした。一方で日本語対応は、いわゆる「洋ゲー」市場が小さいこともあり、重要度がぐっと下がるのが、現実のようです。

逆に日本で「ローカライズ」といえば、「海外から日本」「日本から海外」の2つの意味がありますが、国内市場の冷え込みもあって、関心度が高いのは後者。ここでもポイントは、北米に加えて急成長中の欧州市場に、どうアプローチしていくかです。ただ北米と欧州に比べて、日本と欧州では文化の違いがさらに大きく、彼らと議論になりにくい。その前に考えたり、やるべきことが、まだまだ多いように感じられます。

もっとも、だからこそ日本独自の海外展開や、ローカライズに関する議論が求められているのは事実。さらに最近ではダウンロード配信やiPhoneなど、中小ディベロッパーが直接海外に挑戦できる環境も整ってきました。まさにCEDEC向きのトピックだと思います。

ちなみに僕もローカライズに関するラウンドテーブルで司会を担当します。興味のある方は、ぜひCEDECの公式サイトをチェックしてみてくださいね。またCEDEC以後も、議論を盛り上げるための仕掛けを企画中です。ではでは!

小野憲史
1971年生まれ。関西大学社会学部卒。「ゲーム批評」編集長などを経て2000年よりフリーランスに。ゲーム業界でジャーナリズム活動を行っている。共著に「ニンテンドーDSが売れる理由」(秀和システム)、「ゲームニクスとは何か」(幻冬舎)構成協力など。
《小野憲史》

特集

人気ニュースランキングや特集をお届け…メルマガ会員はこちら