EUではSteamキーの“地域制限”はダメ?Valveの訴えが認められず約2億5千万円の罰金が科される可能性も | GameBusiness.jp

EUではSteamキーの“地域制限”はダメ?Valveの訴えが認められず約2億5千万円の罰金が科される可能性も

Valveがさらに控訴する可能性はあります。

市場 海外市場
EUではSteamキーの“地域制限”はダメ?Valveの訴えが認められず約2億5千万円の罰金が科される可能性も
  • EUではSteamキーの“地域制限”はダメ?Valveの訴えが認められず約2億5千万円の罰金が科される可能性も
  • EUではSteamキーの“地域制限”はダメ?Valveの訴えが認められず約2億5千万円の罰金が科される可能性も

2023年9月27日、EUの一般裁判所は、Valveが起こしていた“Steamアクティベーションキーの地域制限(ジオブロック)はEU法に違反していない”との訴えを却下しました。

SteamにおけるPCゲームの地域制限がEU競争法違反とされる

2019年4月、欧州委員会はValveおよび大手パブリッシャー5社(バンダイナムコエンターテインメントカプコン、Focus Home Interactive、Koch Media、ZeniMax Media)に対し、SteamにおけるPCゲームの販売契約が欧州競争法に抵触するとの異議告知書を送付しました。

欧州委員会は、EU内での地域価格差の設定により、チェコ共和国、エストニア、ハンガリー、ラトビアなどの一部の国で販売されるSteamキーが他のEU加盟国で有効化できないことを問題視。物価の高い国に住む人が、物価の安いハンガリーやラトビアからキーを購入しても、自身の国内ではアクティベーションできないことが、EUのデジタル単一市場規則に違反することになり、EU全体の開かれた市場への阻害となるとしました。



Valveは著作権上の正当性を主張

2019年の異議告知書に対し、バンダイナムコカプコンは和解した一方、Valveは争う姿勢を見せていました。Valveはパブリッシャー5社(バンダイナムコ、カプコン、フォーカスホーム、コッホメディア、ゼニマックス)との同意に基づきジオブロックを適用したといい、著作権法に基づけばパブリッシャーには国ごとにゲームに異なる価格を請求する権利があると主張。2021年にPCGamer等海外メディア宛に提供されたValveによる声明では、2015年にはEUの懸念に対応してほとんどのタイトルについてロックを解除していたとの主張も確認できます。

「著作権は最高報酬を約束するものではない」として罰金160万ユーロが科される

今回の判決では、「著作権は購入者に可能な限り最高の報酬を要求したり、分割された国内市場間に人為的な価格差をもたらすような行為を保証するものではない。」としてValveの訴えを退け、EU全体に開かれた市場を求めるEUのデジタル単一市場規則への違反で罰金160万ユーロ(約2億5千万円)を科すとしました。なお、控訴期限は残り2か月余りですが、判決に対するValveの反応は記事執筆時点ではありません。

※ UPDATE:本文の一部を加筆・修正しました。


《焦生肉@Game*Spark》

この記事の感想は?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

人気ニュースランキングや特集をお届け…メルマガ会員はこちら