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来年はモバイルeスポーツ元年になる!~日本発、世界初のモバイルeスポーツ「ワンダーリーグ」立ち上げ奮闘記とこれから

編集部から: 本記事は株式会社ワンダーリーグ代表取締役の北村勝利氏による寄稿です。同氏はモバイルゲームメーカー、バタフライの代表を務めた後、現在は賞金付きゲーム「ワンダーリーグ」でモバイルeスポーツの立ち上げに取り組んでいます。

文化 eSports
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第2章「eスポーツ」とは?



あらためて「eスポーツ」の概略を整理すると「ゲームを競技として楽しむ定義」となりますが、前述のようにどこまで「競技性=課金の在り方」にこだわるか、によって使い方が違っているように見受けます。正確な呼称はelectronic sports。略して「eスポーツ」と呼ばれています。聞いた話だと、Samsungが初めに略語として「eスポーツ」を使い出したとかなんとか。

昨今ではPCオンランゲームの『Dota2』や『League of Legends』が有名ですが、コンソールでは『ストリートファイター』などの格闘ゲームでの「eスポーツ」も海外ではポピュラーです。また、eスポーツが進んでいる韓国では国策として様々な取り組みが行われており、兵役が免除される条件のついたイベントや、身体障害者だけが参加する大会も行われております。また、注目すべき動向として国際eスポーツ連盟という組織が存在し、加盟国は43カ国を超える盛り上がりを見せており、オリンピックの正式競技採用に向けた国際的な活動を行っている点も見逃せません。


国際eスポーツ連盟(IeSF:International e-Sports Federation)

*お願い:eスポーツについての正確な情報はWikipediaを参照してください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/エレクトロニック・スポーツ

◆「eスポーツ」のビジネス構造

最近、よく聞かれる項目がビジネス的な部分です。賞金の存在やプロゲーマー、いわんやTwitchなどの動画ビジネスがどの様にリンクしているのか?ゲーム業界人としては最も重要なポイントです。まずは以下の2大構造を理解ください。

Aタイプ: ゲームパブリッシャー主体のビジネス構造
基本はゲームパブリッシャーがファン感謝イベントを実施する形式に近い形態です。リアルのイベント開催時に、プロゲーマーを招聘しステージ上で高い技術や戦いの様を披露する演出がショーとして一般化している形式です。主催するゲームパブリッシャーからすると、ファンに攻略方法や高い技術を見せる事でゲームへの深い理解と更なるプレイ動機を与える事ができます。つまり、Aタイプの場合のビジネスは本業のゲームの売り上げとなります。

その際、イベントの規模や来場者の規模に応じて、入場料や一般参加費用の有無、プロゲーマーのプレイ風景を配信するといった様々なマネタイズを組み合わせることでビジネス化を図ることも行われております。


League of Legends

Bタイプ: 第三者が行う興行としてのビジネス構造
興行者(第三者)がゲームパブリッシャーから人気ゲームのイベント開催権利を得て行う形式です。イベント構造はAタイプと同じで、プロゲーマーを招聘しステージ上で高い技術を披露する演出がショービジネスとして成立している形式です。ここでは入場料や放映料、スポンサー収入といった格闘技イベントのような一般的な興行ビジネスと同様の形式になります。

世界的な格闘ゲームの大会であるEVOは第三者が興行として取り組むケースですが、プロゲーマー招聘型でなく、一般参加者が勝ち抜いていく競技ですが、マネタイズは「トーナメント参加費」とトーナメントを「見学するチケット」がメインとなっています。


EVO The Evolution Championship Series

また、混同されやすいポイントとして、「賞金イベント」をeスポーツと表現される事も多いのですが、厳密には「賞金イベント」であっても、課金の存在が、勝敗にリンクするものはeスポーツとは言わず、反対に賞金のないイベントであっても課金の存在が勝敗にリンクしないゲームであればeスポーツという表現が行われます。

◆「eスポーツ」のビジネス課題

Aタイプの 「ゲームパブリッシャー主体のビジネス構造」については、大前提として「ヒットしているゲーム」がベースになる必要があることから、これから取り組むレベルの場合は、ユーザー拡大努力が第一義になります。最近のケースで言えば、mixiが発表した『モンスターストライク』の取り組みがわかりやすいケースですが、「ヒットしたゲーム=多くのユーザー」へ向けて、賞金イベントという新しいモチベーションを与えることで、同寺に新ユーザーも開拓できるという好循環を作ることができます。

ただ、前述のeスポーツを代表するゲームである『League of Legends』といえど最初からユーザーがいたわけでなく、2009年のローンチ以降、最初は数十人の小さなコミュニティでのリアルなイベントをやり続ける事でユーザーが増え、イベント規模が拡大してきた歴史がある事から、時間をかけてコミュニティを拡大していく方策が本質とも言えます。

一方の「B: 第三者が行う興行としてのビジネス構造」については、人気ゲームのイベント権利許諾の可否が全てです。『League of Legend』は権利貸与を第三者に積極的に行うことで、イベント開催を促進し人気を積み重ねたと言われております。

また、前述のEVOのように、『ストリートファイター』(米国カプコン)や『大乱闘スマッシュブラザーズ』(米国任天堂)など、米国のみのイベント開催許諾を現地法人から得てイベント実施しているケースもあります。ただ日本でのイベント許諾が難しい事がEVOの日本上陸を阻んでいると言われています。この部分はニコニコ闘会議がとってかわる存在になる様です。


ニコニコ闘会議2016

「eスポーツ」といえば「高額賞金」「プロゲーマー」「動画ビジネス(ゲーム実況)」というイメージが先行しますが、実はビジネス構造や取り組み課題はシンプルである事がわかります。

《GameBusiness.jp》

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