Newzooは、2024年のゲーム業界トレンドを予測するレポート「Games market trends to watch in 2024」を公式サイトで公開しました。本稿では、その1項目である「Generative AI will accelerate game production in a few ways」のハイライトをお届けします。
ゲーム開発での生成AI活用は止められないものの限定的な範囲・用途に留まる
2023年にさまざまな話題を呼んだ生成AIは、ゲーム業界のリーダーの多くが、上昇し続けるゲーム開発のコストを抑制する可能性がある技術として称賛。開発者やユーザーの中には、プレイヤーとNPCのインタラクション体験を一変させる大きな可能性を見出す人たちもいました。
しかし、それと同時に生成AIの利用を批判するユーザーも多く見られます。また、ハリウッドでは全米映画俳優組合が4か月間にわたるストライキを実施し、声優たちからの反発も見られるなど、大きな議論を巻き起こしています。
Newzooは、多くのゲームスタジオがゲーム開発のためにAIツールをすでに活用していることからも、生成AIツールの活用は今後数年間増加し続けるだろうと予測。その一方で前述したような問題・課題を鑑みて、AIそのものが前例のない速度で進歩し続けるのに比べると、生成AIツールを活用した技術が2024年のゲーム業界に大きな影響を与えることはなく、限定的な用途に留まるだろうとも見ています。
生成AIは小規模なチームの開発やMODなどのUGCを飛躍させる
ユービーアイソフトのマーケット戦略マネージャー Romain Bingler氏は「生成AIは、革命とまではいかずともゲーム業界を変える技術である」とコメント。
また、すでに多くの企業がこれらの技術を業務に活用しているが、ユーザーへの浸透が一層進むことで倫理的、法的、技術な問題も数多く生じるだろうとしました。
その一方で生成AIがユーザーや小規模コミュニティの創造の一助となる可能性にも言及し、小規模なチームによるゲームや、ユーザーが制作するMODのさらなる飛躍に期待を寄せました。
