イクリエが実践したLive2D導入の経緯とその効果―Live2Dが秘める可能性、直感操作で表現の幅が拡大【alive 2023】 | GameBusiness.jp

イクリエが実践したLive2D導入の経緯とその効果―Live2Dが秘める可能性、直感操作で表現の幅が拡大【alive 2023】

Live2Dを用いたアニメーションでコンテンツプロモーションを手がけるイクリエが「alive 2023」のセッションに登場。Live2D導入のきっかけ、その活用法、今後のチャレンジについて語ってくれました。

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イクリエが実践したLive2D導入の経緯とその効果―Live2Dが秘める可能性、直感操作で表現の幅が拡大【alive 2023】
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Live2D社が主催するLive2Dクリエイターのためのイベント「alive 2023」。2023年12月1日、秋葉原UDXにて、3会場体制による数々のセッションと、クリエイターたちがテーブルを並べる展示イベントが開催されました。

「映像制作におけるLive2D Cubismの活用法」と題したセッションをおこなったのは、映像・イラスト・フィギュア・グッズ制作を通してコンテンツのプロモーションを支援するイクリエ。これまでゲーム作品などを中心に多くのプロモーションアニメを制作してきました。

そのイクリエがLive2Dを導入することになったきっかけ、実際の活用事例に加え、今後の取り組みを解説。実際にLive2Dを導入するとどのようなメリットがあるのか。Live2Dに興味がある企業や個人クリエイターへ向けて貴重な体験を話してくれました。

▲セッションと展示ブースの両方で公開された最新PV。Live2Dと手描きアニメーションをミックスしたハイブリッド表現です。

Live2D導入のきっかけは「相性」と「使いやすさ」

イクリエがLive2Dを導入したのは、2017年。

当時制作していたPVについて、もともとはAfter Effectsを使用し、ひとりのアニメーターで作業を完結させる予定でしたが、作業量が想定以上となったため、Live2Dの勉強をしていたというスタッフがヘルプで現場に入ることになりました。その際、After Effectsを用いた作業環境とLive2Dは親和性が高いと実感。以降、積極的に取り入れる形になります。

イクリエでは1本のPVにつき、コンテからアニメーション制作まで一連の作業をすべて社内体制で完結させています。Live2Dはその制作体制の効率化において親和性が高くメリットも多いものでした。

そのメリットとは大きく分けて以下の3項目があります。

まずは「イラストレーターが扱いやすい」ということ。分業が多い手描きアニメとは反対に、Live2Dはイラストさえあればひとりで作業が完結できるため、モデル制作とイラスト制作を兼ねることができます。レイヤー構成やフォルダ分けも分かりやすく、直観的に作業できる仕様もイラストレーターから歓迎されました。また3Dモデルではキャラクターを動かすためのボーン(骨格)が必要となりますが、Live2Dではイラストとイラストを直接つなぎ合わせるため作業のハードルはグッと下がります。

2番目のメリットは「オリジナルの素材を利用し表情差分が作成できる」です。

Live2Dは基本的にキャラクターを関節ごと分離し、それらのパーツを変形加工することで別のパーツを作りします。

1枚のイラストから表情差分(異なる表情)が制作できたり、動きのバリエーションが生み出せたりするため、手描きアニメのようにイラストレーターが多くの差分を描く必要はありません。

3番目のメリットは「元イラストのイメージを崩さずにアニメーションさせることができる」です。

これは2番目と同様の理由ですが、イラストを手がけた本人以外でも差分の制作や映像表現ができるため、クオリティーを維持したままアニメーション化することができます。オリジナルの絵柄がそのまま動くのはLive2Dでは大きなアドバンテージです。

以上の理由から、イクリエでは現在、元から使用していたAfter Effectsに加え、Live2Dも使用しての2本柱で動画を制作しているそうです。

▲Live2Dを使用したプロモーションアニメは、コトブキヤがリリースした美少女プラモデル「アルカナディア」シリーズでも制作されました。

Live2D×手描きアニメのハイブリッドをめざして

Live2Dは便利なツールではあるものの、1枚絵を加工するという性質上、表現には限界があります。そこでイクリエではさらなる表現の追究のため、実験的なサンプルPVを制作しました。それがLive2Dと手描きアニメを融合させたPVでした。


《気賀沢 昌志》

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