VRエンターテインメントのカジュアル化がいよいよアートシーンをも賑わす~製紙会社企画担当とアーティストによる取組み―中村彰憲「ゲームビジネス新潮流」第44回 | GameBusiness.jp

VRエンターテインメントのカジュアル化がいよいよアートシーンをも賑わす~製紙会社企画担当とアーティストによる取組み―中村彰憲「ゲームビジネス新潮流」第44回

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VRエンターテインメントのカジュアル化がいよいよアートシーンをも賑わす~製紙会社企画担当とアーティストによる取組み―中村彰憲「ゲームビジネス新潮流」第44回
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2016年10月22日~23日、インデックス大阪でハンドメイド&イラストの祭典、第11回artDiveが開催されました。artDiveとは2009年に京都ではじまった関西最大規模のアートフェスタ。2015年からインデックス大阪で開催されるようになり、第11回目の今回は、2日間で890ものブースが出展されました。そのような喧噪の中、VRに関する興味深いプロジェクトを発見。カジュアルなデザインの携帯向けVRコンテンツ用ゴーグル、animaVRです。本稿ではanimaVRの開発者、前野大喜さんと上田陽生さんとのインタビューを中心に、当日の模様やその後の同チームの展開について確認しました。

日本の得意分野、Kawaiiを付加することで、携帯VR用ゴーグルのカジュアル化を目指す




そのブースは、数多くのハンドメイド系手作りアート作品ブース中央に設置されていました。雰囲気は一見、エコを意識した工芸品のために作れたブース。芝生にかわいい動物たちがたたずんでいるような雰囲気です。ですが、近くによると、それはなんとVR用ゴーグル。Google Cardboardよろしく、段ボール製の本作。しかし、単に機能性を重視したようなエンジニア的商品ではなく、様々な動物をあしらったデザインになっています。これらを考案したのが、普段は段ボールを利用した包装、梱包材や緩衝材を製造する専門会社で企画を担当している前野大喜さん。同社は、大手自動車会社などをはじめ、国内の名だたる製造業と取引先を相手に、主にBtoB事業を展開している「紙」に関するスペシャリスト。「ただし、確かな品質でクライアントを喜ばすことはあっても、消費者の笑顔を見るといった商品を開発することが出来なかった」と前野氏。そんな中で出会ったのが段ボールで作られていた、Google Cardboardだったのです。商品企画などに関わっていることもあり、試作室も自社にあることから、早速、インターネットに公表されている作成用資料をチェックしたところ、「すぐに作れる」と確信(前野氏)。


Googleが提示していたスペックにあわせ、Cardboardを試作し、それを使っていくつかのVRコンテンツをダウンロードして試してみたところ、「これまでにない衝撃を受けた」と前野氏。ただし、Cardboardのデザインが無味乾燥な割には、女性や中高生といったティーンも楽しめるようなコンテンツが多数あったことから、ゴーグル自体のデザインを工夫すればもっとこういった層にもアピールできるのでは、と考えたとのこと。早速前野氏は大学時代に知り合ったアーティストで、現在は大手企業のデザイナーとして活躍している上田陽生氏に相談しました。もともと2人は段ボールを活用した写真立てなどのグッズを開発しては、こういったイベントで販売していたのです。もちろん、そこはデザイナー。世界観は重要との意識から、ElephanCreateというチームとして商品化をしていたのです。

例えば、立体ギフトカード。自分の気分や伝えたいメッセージにあわせ、好きな絵と組み合わせることが出来るのが特徴です。段ボール色を基調にしつつ様々な色がのせられており、描かれている動物たちのかわいくにこやかな姿もデザインを彩っています。「もともと段ボールにカラー印刷を乗せるのが難しかったのですが、最近の技術開発で弊社の場合はそれが出来るようになりました。そういった技術を活かしてオリジナルなアート商品を開発してきたのです」と前野氏。なので、Google Cupboardが紹介された際、より多彩なデザインを考案するのに時間はかからなかったとのこと。そこに上田氏がElephanCreateのチームとして展開された動物デザインの世界観をもとにつくりあげたのが「animaVR」です。

このアートイベントのために、ライオン、ゾウ、ペンギン、タイガー、ベア、そしてピッグの6種類を準備しました。「もともとanimarbleというアパートに動物の住人が住んでいるという設定を、これまでの商品から継承しているんです。」と上田氏。例えば「ゾウは丸山さんという苗字なんです」(同氏)。その中の主要なキャラクターをVRゴーグル用の顔としてデザインしたのが今回のanimaVRとのこと。結果的にブース全体のイメージもエコながら集合住宅地的なイメージでデザインしたと上田氏。来場者の反応について伺ってみると、「女性の反応がすこぶるよかった」と前野氏。ただ、購入するのは男性が多かったとのこと。おそらく男性のほうがVRに関する知識があったということなのでしょう。

また、カップルや夫婦が来た場合も、女性の反応の良さを見て、その彼氏や夫が購入するケースが多かったとのこと。とくに「中学生位の子供たちが来たとき、会場全体を一周してから母親と一緒に来て購入した例は凄く嬉しかった」と両氏は口を揃えます。実際、筆者が試した場合も、気がつくとかなりの人に囲まれていました。他のゴーグルと違い、やっている人の姿も十分ユーモアあふれるシーンになるのです。動物の目が正面に描かれているため、VRになじみのない人がその様子を見ても違和感を感じないということでしょう。

ギフトカード型VRは、パーソナルコミュニケーションに革命をもたらすか?




ElephanCreateの挑戦はここでは終わりません。なんと、現在彼らは、より簡易版のVRゴーグルを開発中なのです。コンセプトはズバリ「ギフトカード」として使える組立式VRゴーグル。筆者もお願いして試作品を送っていただきました。自分でVR映像をつくってメッセージを入れ、このゴーグルで視聴してもらうっていうのはまさに次世代のような感じがします。目標としてはバレンタイン前までに発売とのこと。昨今はSNSを経由して告白なんていうこともあるようですが、恥ずかしくて言えないんだとしたら、VR映像で自分のメッセージを記録して映像をアップロード、そのURLへと展開できるQRコードとゴーグルを同梱して送れば、かなりロマンチックな告白になりそうです。

iPhoneの爆発的人気で潤ったのは、アプリ会社だけではありません。ヘッドフォンやイヤフォン製造業者などはかなり恩恵を受けたという印象があります。携帯電話そのもののスペックの向上と携帯向けVRコンテンツの提供が増えていく中で、こういった外延を携わりうるひとたちが多くの人たちの笑顔のために尽力するのにも頼もしさを感じます。2017年、VRがどうなっていくのか、更に注目していきたいですね。
《中村彰憲》

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