【CEDEC 2105】故・岩田聡氏への追悼も行われるなど、ゲーム業界の歴史観を感じさせたCEDEC Awards 2015 | GameBusiness.jp

【CEDEC 2105】故・岩田聡氏への追悼も行われるなど、ゲーム業界の歴史観を感じさせたCEDEC Awards 2015

今年で8回目を迎え、すっかり定番となったCEDEC Awards。その発表受賞式が8月27日に実施されました。また会の最後にはCESA技術委員長の松原健二氏、CEDEC実行委員長の植原一充氏から、2015年7月11日に亡くなった岩田聡氏を追悼すると共に、感謝の言葉が送られました。

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今年で8回目を迎え、すっかり定番となったCEDEC Awards。その発表受賞式が8月27日に実施されました。また会の最後にはCESA技術委員長の松原健二氏、CEDEC実行委員長の植原一充氏から、2015年7月11日に亡くなった岩田聡氏を追悼すると共に、感謝の言葉が送られました。

■最優秀賞作品
エンジニアリング部門:「VisualStudio」開発チーム (マイクロソフト)
ビジュアル・アーツ部門:「GUILTY GEAR Xrd -SIGN-」開発チーム(アークシステムワークス株式会社)
ゲームデザイン部門:「ねこあつめ」開発チーム(株式会社ヒットポイント)
サウンド部門:「大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / for Wii U」 桜井政博 / 任天堂 / 参加音楽家及びサウンド開発チーム(有限会社ソラ(桜井政博)/任天堂株式会社)
ネットワーク部門:「Ingress」開発・運用チーム(Niantic Labs)

特別賞:西角友宏氏/岩谷徹氏

著述賞『3Dゲームをおもしろくする技術 実例から解き明かすゲームメカニクス・レベルデザイン・カメラのノウハウ』(大野功二氏/SBクリエイティブ刊)

改めて解説するまでもありませんが、CEDEC Awarsは前年度の優秀作品受賞者によって選考委員会が組織され、各部門で5作品の優秀作品が選出されます。その後、CEDEC来場者の投票をベースに最優秀賞が選出される仕組みです。そのため優秀作品はいずれも個性派ぞろい。今年度もゲームデザイン部門で『FF15』と『ねこあつめ』が最優秀賞を競うという事態になりました。

それだけに受賞作品はさまざまな意味で、その年のCEDEC来場者の思いや業界のトレンドを代弁するものになったようにも感じられます。中でもネットワーク部門の『Ingress』は地域活性化にも貢献するなど、ゲーム業界を越えた大旋風を巻き起こしたタイトルであると共に、Googleの技術とリソースがふんだんに投入された、近年まれに見るタイトルだったと言えるでしょう。

また『Ingress』に限らず、CEDEC Awaresは国内外のタイトルが区別なく表彰される点も特徴の一つ。これもまた、ゲームの「技術」に焦点を当てた本賞ならではの特徴のように思われます。

コミュニティに支えられた場だからこそできること



一方で今年のCEDEC Awardsは「世代交代」を象徴するものでもありました。一つには特別賞を受賞した西角友宏氏・岩谷徹氏と、著述賞を受賞した大野功二氏。そして故・岩田聡氏と運営委員長の植原一充氏。これらはゲーム開発の第一世代と第二世代の関係だといえます。

植原氏は西角氏と岩谷氏の受賞理由の中で「はじめてハマったゲームが『スペースインベーダー』『パックマン』だった」と語りました。また岩田氏への追悼の中で「BASIC、マシン語で育った世代として、岩田さんには勝手ながら共感と憧れを抱いていた」と明かしました。


※西角氏


※岩谷氏

一方で現在は東京工芸大学に活躍の場を移した岩谷氏は「『パックマン』がゲーム業界に貢献したというのであれば、非常に幸せです」としつつも、「これからもゲームの研究・教育でゲーム業界に恩返ししたい」とコメントし、学術界という第二のフィールドを邁進する姿勢を表明しました。

ゲーム業界は長く、先人の業績を称えると共に、故人に対して追悼する場を持ち得ませんでした。これは1997年に亡くなられた横井軍平氏の時と比較すると明確です。それがCEDEC Awardsという場で可能になってきた。それはCEDECが会社の枠を越えて、ゲーム開発者コミュニティによって運営されているイベントだからです。

こうした思いはCEDECに参加した第3世代、第4世代にも確実に影響を与えています。ゲームそしてコンピュータエンターテインメントという大きな流れの中で、さまざまな人の思いが世代を超えて連鎖し、受け継がれていく。そうした場にCEDEC Awardsが成長している。同様の思いは故・飯野賢治氏が受賞した2013年度にも感じられましたが、本年度はあらためて強く感じられました。
《小野憲史》

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