人々のソーシャルゲームに対する価値観を知る・・・「データでみるゲーム産業のいま」第21回 | GameBusiness.jp

人々のソーシャルゲームに対する価値観を知る・・・「データでみるゲーム産業のいま」第21回

前回記事(第20回)では、クラスタ分析を通じて世間一般の人々のソーシャルゲーム適性に関するセグメンテーションを行いました。今週も引き続き同じデータを使い、別の解析手法を通じたアプローチ結果をご紹介いたします。

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前回記事(第20回)では、クラスタ分析を通じて世間一般の人々のソーシャルゲーム適性に関するセグメンテーションを行いました。今週も引き続き同じデータを使い、別の解析手法を通じたアプローチ結果をご紹介いたします。
  • 前回記事(第20回)では、クラスタ分析を通じて世間一般の人々のソーシャルゲーム適性に関するセグメンテーションを行いました。今週も引き続き同じデータを使い、別の解析手法を通じたアプローチ結果をご紹介いたします。
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前回記事(第20回)では、クラスタ分析を通じて世間一般の人々のソーシャルゲーム適性に関するセグメンテーションを行いました。今週も引き続き同じデータを使い、別の解析手法を通じたアプローチ結果をご紹介いたします。

今回ご紹介するのは、[コレスポンデンス分析]という解析手法によるアプローチ結果です。これは、以前の記事(第16回:ゲームを辞めてしまう、その要因を分析する)で使ったものと同じ手法です。この[コレスポンデンス分析]は多変量解析の一種で、複数の変数を同一マップ上にプロットし、その位置関係により個々の要素の関係性を把握することに長けた解析方法です。

【図1】は男女それぞれの世代がソーシャルゲームに対して抱いている価値観やスタンスといったものを可視化した解析結果です。男女それぞれのマーカー(5歳ピッチの世代別)をつないだときに、まず以下の2つのことに気づきます。
●男女ともに[20-24歳]をピーク(折り返し地点)にした“くさび形”の線形を形成している
●男女それぞれの“くさび形”が上下にずれている

この2つの現象の解釈についてはまた後ほど触れますが、その前に各世代の特徴について際立ったもの(世代と黄色のマーカーが近いもの)を列挙します。
[男性15-19歳]
・誰よりも早く新しい『ソーシャルゲーム』をプレイしたい
・友人や知人を、自分から『ソーシャルゲーム』に誘う事が多い
[男性20-24歳]
・ソーシャルゲームでも、じっくりと遊び込めるようなゲームが好みだ
[男性30-34歳]
・『ソーシャルゲーム』は、知らない人(直接の友人・知人以外)とのコミュニケーションが魅力的だ
[男性40-44歳]
・プレイする『ソーシャルゲーム』の選択にはこだわりがある
[男性45-49歳]
・欲しいアイテムやカードなどがあれば迷わず課金する
・自分の周囲で話題になるのは、家庭用ゲームよりも『ソーシャルゲーム』の方が多い
[男性50-54歳]
・『ソーシャルゲーム』は、家庭用のゲームよりもハマりやすい
・『ソーシャルゲーム』は今後もずっと楽しみたい
[男性55-59歳]
・『ソーシャルゲーム』に対して、良いイメージを持っている
[女性10-14歳]
・「欲しいアイテムやカードなどがあれば、オークションなどを利用してでも手に入れたい」
・流行っている/話題になっている『ソーシャルゲーム』は、ぜひプレイしてみたい
[女性15-19歳] ※[男性45-49歳]と近い
・欲しいアイテムやカードなどがあれば迷わず課金する
[女性20-24歳]と[女性25-29歳]
・『ソーシャルゲーム』は(基本無料のタイトルも多いので)手軽に楽しめる
・ソーシャルゲームは、手軽に遊べるものが好みだ/手軽に遊びたい
[女性40-44歳] ※[男性50-54歳]と近い
・『ソーシャルゲーム』は、家庭用のゲームよりもハマりやすい
・『ソーシャルゲーム』は今後もずっと楽しみたい

このように、ひとくちにソーシャルゲームといっても、世代ごとにかなり違った考え方や捉え方をしていることが分かります。また、「男性45-49歳と女性15-19歳」や「男性50-54歳と女性40-44歳」など、性別や世代が違っても非常に似た価値観を持っているところなどは大変興味深いデータです。なお、各セルに付けてある緑色の濃淡は人数規模の大小を示しています。ですので、「オークション関連要素(女性10-14歳)」や「欲しいアイテムのためには迷わず課金(女性15-19歳/男性45-49歳)」などはソーシャルゲームユーザー全体からするといずれもそれほど多数派というわけではありません。ただし、世代としてはそういった特徴を持っているということを示すデータです。
以上のことを踏まえた上で冒頭の2つの特徴について考えると、この分析結果(散布図)は「加齢(右上→左下)」と「情報リテラシー(左上→右下)」という2つの軸により構成されているということが言えそうです(【図2】参照)。前者(加齢軸)の方は男女で加齢に伴う価値観変化のスピードに差はあれど基本的に疑問の余地はないでしょう。一方、後者(情報リテラシー軸)については、多少解釈の仕方にもよりますが、男女ともに[20-24歳]をピークに、ソーシャルゲームというものを比較的冷静に捉えており、無料の範囲で節度をもって楽しもう、あるいはアイテム(課金)ということよりも他人とのコミュニケーション、ソーシャルゲームの手軽さ、またゲーム内容そのものに対するこだわりなど、現状のソーシャルゲームというものの功罪をしっかりと把握しているという傾向が見られます。そういった意味では「価格感度軸」や「自制心軸」などと言い換えることができるかも知れません。

以上、今回は男女各世代が持つソーシャルゲームに対する価値観やスタンスについての解析結果をご紹介しました。昨今話題に上ることが多い「(コンプガチャによる)重課金」や「RMT(リアルマネートレード)」の問題を感じさせるデータも局所的なものであるとはいえ関連の高い性別・世代との関係が顕在化しました。ソーシャルゲーム市場全体の動きも早く、また非常にダイナミックに変化しつつある時期ですが、当社としても引き続きマーケットを注視しつつ、随時有益な情報をご提供してまいります。

ゲームエイジ総研
『Monthlyゲームマーケット・トレンドレポート』 発行人 光井 誠一
《光井誠一》

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