「マリオやポケモンに頼れなかった」−韓国任天堂社長が語る参入秘話 | GameBusiness.jp

「マリオやポケモンに頼れなかった」−韓国任天堂社長が語る参入秘話

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韓国任天堂の甲田峰雄社長は韓国市場参入の苦労話を語ります。

海外ゲームサイトGamasutraは韓国任天堂(Nintendo of Korea)の甲田社長へのインタビューを掲載しています。

任天堂は2006年に現地法人を設立、2007年からニンテンドーDSを、2008年にはWiiを販売しています。韓国市場はオンラインゲームがメインであり、参入には困難が予想されましたが、業績は順調に伸びているようです。

甲田社長は「任天堂の戦略は“ゲーム人口を拡大する”ことであり、これは年齢性別にかかわらずゲームを楽しむ人を増加させることを意味します。これを達成するためには全ての人々が簡単に楽しめる商品を提供することであり、この哲学は韓国にもあてはまりました」と、任天堂のポリシーは韓国市場でも変わっていないことをアピールしました。

とはいえ、オンラインゲームが主力の国にゲーム機を売るということは楽なスタートではなかったようです。

「あなたが指摘するように、2007年韓国市場に参入する以前の任天堂の認知度は非常に小さく、ゲーム好きの人々の一部に知られるのみでした。どんな形にしろ人気があった訳ではなく、これは確かに挑戦でした」

「韓国においてはオンラインゲームが大きなシェアを占めており、“ゲーム”といえば“オンラインゲーム”を指していました。この事実を前にしてなお我々は任天堂のゲームが韓国の人々に向いていない、とは思いませんでした」

「我々が掲げた目標は、オンラインゲームと争うことでも奪うものでもありません。むしろ、オンラインゲームでは得られない経験を提供するものを作り出そうとしていました。それは今日でも同じです」

任天堂のラインナップとキャラクターは強力ですが、それは他のエリアでのこと。
そこで韓国市場に合わせた戦略が考えられました。

「任天堂は幸いにも『マリオ』『ポケモン』『ゼルダ』といった広く愛されるフランチャイズを持っていますが、消費者に我々のゲームのユニークさを知らせることができなければ“ゲーム人口を拡大する”という目的には決してたどり着けません。言い換えれば、我々は有名なフランチャイズとキャラクターに頼り切りでいることはできなかったのです。我々のソフトウェアのみで可能な経験とその魅力を、韓国の人々にマーケティングを通して理解して貰うことが必要だと感じました」

「韓国は教育に非常に重点を置いています。ゲームは子供達の勉強を妨げるとして否定的に捉えられていましたが、これは我々が打破すべき障害だったのです」

「そのため、『東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング』を広告するところから始めました。既に世界のゲーム人口を拡大する役割を果たしたタイトルです。世代間のコミュニケーションを促進するツールとして機能できた初めてのソフトウェアであり、以前にゲームに関心を全く持たなかった人々に実際に価値がある、と納得させることができました」

こうした戦略によりニンテンドーDSは発売11ヵ月で100万台を突破する勢いを見せました。

甲田社長は「我々は有能な開発者による、韓国語のソフト開発をサポートし続けるつもりです。我々はユニークで面白いゲームを韓国の消費者に提供し、韓国のゲーム業界が新たな方法で成長し発展するのを助け続けたいと考えています」と現地オリジナルのゲーム及び韓国のゲーム業界の発展に意欲を見せました。
《水口真》

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