ソーシャルゲーム市場には季節要因が?・・・「データでみるゲーム産業のいま」第33回 | GameBusiness.jp

ソーシャルゲーム市場には季節要因が?・・・「データでみるゲーム産業のいま」第33回

ソーシャルゲーム市場がゲームマーケット全体、ひいてはエンターテインメント市場の中で既に確固たる存在になっていることは今さら言うまでもありません。日本オンラインゲーム協会(JOGA)が7月24日に発表したところによると、2011年のPCおよび携帯電話(スマートフォ

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ソーシャルゲーム市場がゲームマーケット全体、ひいてはエンターテインメント市場の中で既に確固たる存在になっていることは今さら言うまでもありません。日本オンラインゲーム協会(JOGA)が7月24日に発表したところによると、2011年のPCおよび携帯電話(スマートフォ
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ソーシャルゲーム市場がゲームマーケット全体、ひいてはエンターテインメント市場の中で既に確固たる存在になっていることは今さら言うまでもありません。日本オンラインゲーム協会(JOGA)が7月24日に発表したところによると、2011年のPCおよび携帯電話(スマートフォンを含む)における国内ソーシャルゲーム市場規模は2,794億円であったということです。2010年が1,034億円だったので、1年で2.7倍という急激な成長を遂げたことになります。

また、この2,800億円という規模は、ゲーム専用機市場(パッケージゲーム)における年間ソフト市場規模(新品のみ。中古等は含まず)とほぼ同じです。つまり、今やソーシャルゲーム市場は規模の上では従来のパッケージゲーム市場と完全に肩を並べたことになります。今後も引き続き拡大基調が続いていくのかどうかという視点でこのマーケットを捉えている人も多いことでしょう。

そこで、今回は今年に入ってからこれまでの約半年間の主要SNSの動きをご紹介いたします。まず、【図1】は今年1月から7月までのMobage、GREE、ハンゲーム、mixi、Facebook、Google+、アメーバピグの月間アクティブゲームユーザー数の推移をまとめたものです。期間中、最も目立った動きを見せているのはmixiです。1月時点では327万人と、全体の中でMobageに次ぐゲームユーザー規模を持っていました。ところがその後は徐々に規模を落とし、3月にはGREEがmixiを逆転し2位に浮上しました。mixiのゲームユーザー減少はその後も続き、最新の7月のユーザー数は215万人となっています。この半年間で実に100万人以上のユーザーが減少したことになります。それとは全く逆に右肩上がりの動きを見せたのがFacebookです。1月時点でのゲームユーザー数は120万人でしたが、6月には170万人まで半年間で50万人ゲームユーザー規模を拡大しました。しかし、直近の7月では久しぶりにゲームユーザーが減少し、最新のゲームユーザー規模は131万人となっています。

なお、その7月ですが、比較的堅調だったGREEを除いてほぼすべてのSNSがゲームユーザー規模を縮小するという動きを見せています。しかもSNSによってはかなりの落ち込みとなっているものもあります。果たしてこれが、あくまで一過性のもの(=季節変動)なのか、あるいは何らかのマーケットのターニングポイントとなる分水嶺であるのかについては、もう少し推移を見てからでないと判断が難しいというのが正直なところです。仮に前者(季節変動)であった場合は、夏休みやレジャーが盛んで人々の動きが活発化する7月という時期にPC依存傾向が強いゲームプラットフォームが特にその影響を受けているという仮説が成り立ちます。前述のFacebookやmixiなどの落ち込みが激しい一方で、フィーチャーフォンやスマートフォンのモバイル端末がメインのMobageとGREEがそれほど大きな落ち込みを見せていないのもそれに符合しいています。後者(市場の転換)である場合は、どうしても例の「コンプガチャ規制」の影響を考えないわけにはいきません。ちょうどこの「コンプガチャ規制」が正式に運用開始となったのも7月1日からでした。

しかし、結論から言うと、筆者は前者つまり今回のユーザー減はあくまで一過性の動きであり、季節変動によるものであると考えています。というのも「コンプガチャ規制」に関する報道が目立ち、世間一般の耳目を集めたのはGW明けの5月であり、実際にはこの時点でプラットフォームホルダーやパブリッシャー各社は既に自主規制を開始していたからです。7月からの規制開始はあくまで正式に制度として運用が開始されたということに過ぎません。事実、GREEなどはコンプガチャについての報道が目立った5月こそ落ち込みが目立っており、その報道の影響である可能性がありそうです。

次に【図2】は最新の7月の各SNSの状況をまとめたバブルチャート図です。縦軸に「課金率」、横軸には「ゲーム利用率(アカウント登録者数に占める月間アクティブゲームユーザー数の割合)」、そして、円(バブル)の大きさはアクティブゲームユーザー数を示しています。

これを見ると、ふたつの特徴に気づきます。ひとつめは、まだ規模が小さいGoogle+を除き、「MobageとGREE」「ハンゲームとアメーバピグ」「Facebookとmixi」というように課金率とゲーム利用率が非常に近いSNSが2つごとに対をなして3グループに分かれていることです。このうちMobageとGREE、Facebookとmixiがそれぞれ似た特性を持っているSNSであるというのは言うまでもありません。残りのハンゲームとアメーバピグについてもPCによる利用率が高く、それぞれのメインユーザーが男性と女性であるという違いがありながら、比較的熱心なゲームユーザーに支持されているSNSであるという共通項を持っています。そして、ふたつめの特徴は、「課金率」と「ゲーム利用率」に相関関係がありそうだということです。つまり、ゲーム利用率が高くなるに従い(=ゲーム色が強いSNSほど)、課金率が高くなる傾向が見られるということです。これも非常に納得感のあるデータです。

【図1】の推移を見ると、どのSNSについてもゲームユーザー数が増え続けているというものはなく、ようやく成熟期に入りつつあるというのが全体的な印象ですが、7月のユーザー減が一過性のものであるのかどうかについては、途中申し上げた通り、もう少し推移を見てから判断する必要がありそうです。今後も引き続き有益な情報を提供してまいります。

ゲームエイジ総研
『Monthlyゲーム・トレンド・レイティング』 発行人 光井 誠一

調査スキームについて
本ページ掲載のデータは、約2万サンプルを対象とした大規模インターネット調査の調査結果を元に、社会調査(訪問調査/毎月実施/1,200サンプル)をベースに構築したウェイトバック値(補正係数)により拡大集計したものです。この手法により、ネットバイアスを排除したユーザープロフィールの実像を推計することが可能となっています。なお、調査手法その他詳細につきましては、ゲームエイジ総研のHPにてご確認ください。
《光井誠一》

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