データを“根拠”として“成果”をあげる-ORATTAが挑む自社KPIツールからの置き換えと決意 | GameBusiness.jp

データを“根拠”として“成果”をあげる-ORATTAが挑む自社KPIツールからの置き換えと決意

ORATTAは、2010年に創業したモバイル向けのソーシャルゲームを数多く手がけているゲーム開発会社。受託開発はせず、一からゲームを企画、開発、運営している。今回は、ORATTAの渡辺淳氏と畑俊樹氏に、Yahoo!ビッグデータインサイト導入の経緯と展望を語ってもらった。

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データを“根拠”として“成果”をあげる-ORATTAが挑む自社KPIツールからの置き換えと決意
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ORATTAは、2010年に創業したモバイル向けのソーシャルゲームを数多く手がけているゲーム開発会社。受託開発はせず、一からゲームを企画、開発、運営している。ヒット率も高く1年以上継続して楽しまれている作品も数多い。

「次の一手を打つ、根拠と確信を持ちたい」、そう語るのは同社のメディア事業部エンジニアリーダーの渡辺淳氏。今回は、渡辺氏と同事業部の畑俊樹氏にYahoo!ビッグデータインサイト(以下YBI)導入の経緯と展望を語ってもらった。

世界に「ぼくたち」を作るORATTA


ORATTAは、創業者の出身地でもある新潟の方言。「ぼくたち」を意味する言葉で、ゲームを通じてユーザーに「ぼくたち=仲間」を作って欲しいという願いを込めている。「日本発の技術で世界をつなぐ」というビジョンを掲げ、テクノロジーの力で体験を作り、人と人をつなげていく、そんな世界に通用するプロダクト、会社を目指している。

同社の大きな特徴は、高いタイトルヒット率だ。創業者の二人は、それぞれが大手IT企業で経験を積み、開発や人材育成、ゲームマーケティング、企画の面でノウハウや経験を発揮していることが大きく影響している。年平均4本リリースしているゲームの中には、リリースから二、三年と長く楽しまれているタイトルが数多いことからも、ユーザーから支持されていることがわかる。

今回インタビューに応えてくれたのは、現在エンジニアリーダーとして活躍する渡辺氏。渡辺氏はORATTAの創立年度に新卒で入社し、若手でありながら社内のさまざまな技術導入を提案し実施してきたという。
「立場に関係なく、論破した人が勝ち」という同社の文化の中で、今回のYBI導入は渡辺氏が経営陣を説得し、入社1年目の畑氏と共に進めているプロジェクトだ。

左から、代表取締役 上杉氏、メディア事業部 渡辺氏、畑氏


同社は早くからデータ活用を考え、独自にKPIツールを開発し、利用していた。しかし、扱うタイトルの数が増えてきたことでサーバーの負荷が増大し、データの取得処理に時間がかかるという課題が生まれてしまっていた。また、予め取得するデータを定義する工数も増加したことで、KPIツールを運用施策の意思決定に活用しきれていなかった。

「運用時に次の一手を考える“根拠”とするためにデータを活用したい、と常々考えていました。しかし、ゲームを運用する上で必要な作業は山ほどあるので、KPIツールの改修になかなか手をつけられなかったんです。」(渡辺氏)

「KPIツールの改修においての一番の課題は、不便さはあるけど使えるというところでした」と渡辺氏は続ける。インストール数やアクティブ数、課金率、単価…1タイトルにつき120におよぶKPI指標を設けており、3時間もあれば意思決定が可能な“データ”になる。深夜帯に設定をしておけば朝には見られる。「もっと便利なら」、そうは思っていても「使えてしまう」ため、なかなか本腰を入れて取り組めなかったと言う。

使い慣れたKPIツールでは「見えてない」があった


メディア事業部エンジニアリーダー 渡辺淳氏

大きく変わったのは、IDCフロンティアからある大手IT企業を紹介されたとき。ORATTAが課題としていたサーバー負荷の問題や、運用施策を決めるためのデータ活用方法などを聞くことができた。

「実際にデータ活用を試みている会社さんから運用方法を聞けて非常に勉強になりました。それをきっかけに、自社のKPIツールの使い方を現場のディレクターにヒアリングすると『現状ではとれていない、見えていないデータがある』こともはっきりわかりました。KPIツールの置き換えに本腰を入れなければ、と強く感じました」(渡辺氏)

ここから技術検証や試験導入、経営陣への説明を経て、畑氏を巻き込み、YBIを使ったKPIツール改善プロジェクトを始動したそうだ。

置き換えはまだファーストステップ


メディア事業部 畑俊樹氏


「YBIに移行したことで、負荷対策を自分たちで考えなくても良くなりました。ただ、正直技術的につまずくこともありました。僕はSQLを書くのは初めてで、Prestoを扱うのにもつまずきました。ただ、分からないことは質問すればすぐにIDCフロンティアさんから返答をいただけるので助かりました」(畑氏)

本格始動してから2ヶ月ほどで全タイトルの既存KPIをYBIで取得、分析できる状態にした。各タイトルを担当しているディレクターが「見たい」と言ったときにすぐ集計、結果を出せるようにもなった。しかし、まだファーストステップを解決したに過ぎないと渡辺氏は続けた。

「もともと専任者をおいて解決しようと思っていたKPIツールのシステム的な問題点はYBIの導入により解決することができました。しかし、それだけでは意味がなく、蓄積したデータをタイトル運用に活用して、運用のクオリティを上げることがYBI導入の本当の価値だと考えています」(渡辺氏)



「データに価値がある」、社員にも実感してもらいたい


「現在は、まだディレクターに直接YBI上で結果を見てもらっている状態です。定期的にレポートを配信する、渡辺や僕でなくてもYBIを使って集計、分析できるようにする。もっと身近なものに感じてもらえるよう、これからもIDCフロンティアさんの力を借りながら改善をしていきたいと考えています」(畑氏)

「まだ、ビッグデータを入れましたと言えるだけ」と渡辺氏は加える。「データを活用してタイトルを運用している、と言えるようになるには、トライ&エラーを繰り返しながら、今はまだ見えていない重要KPIを発見して分析対象に加えていく必要があります。」

それを実現するためには現場のメンバーの協力は不可欠であり、社内に「データを活用することに価値がある」と啓蒙していくことも大事だと言う。既存ツールの「使い慣れた」を打破して新しいKPIツールには「運用のクオリティを上げる可能性がある」ことを実感してもらうことが次のステップだと続けた。

「データを根拠として、確信を持って運用上の次の一手を決めたい。運用の精度やスピードを向上して会社の“次の一手”につながるように。YBIをそんな足がかりにしていきたいと考えています」(渡辺氏)

導入企業 会社概要
会社名:株式会社ORATTA
設立:2010年7月5日
代表取締役:上杉健太郎・今井勇樹
事業内容:モバイル向けソーシャルゲームの企画・開発・運用
URL:http://www.oratta.net/
《GameBusiness.jp》

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