【NDC 2016】生物学的観点からゲーム開発を語る―ネクソンコリア副社長による基調講演 | GameBusiness.jp

【NDC 2016】生物学的観点からゲーム開発を語る―ネクソンコリア副社長による基調講演

NDC 2016で行われた、ネクソンコリア副社長ジョン・サンウォン氏による基調講演の様子をお届けします。

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4月26日~28日の間、韓国・板橋(パンギョ)のNEXONKOREAおよびその周辺施設にて開催されている「Nexon Developers Conference」。開催初日となった26日は、ネクソン代表取締役社長オーウェン・マホニー氏のウェルカムスピーチで幕を開け、続いてネクソンコリア副社長ジョン・サンウォン氏による基調講演が行われました。本レポートでは、その基調講演の様子をお届けします。

◆生物学の観点から語られたゲーム開発の「多様性」



韓国の悩めるモバイルゲーム開発者から様々な話を聞いてきたというサンウォン氏。今回はそれを聴講者と共有し、そして今回の講演をすることで、新しい物を作る開発者たちに少しでも勇気を与えられれば、という思いから登壇したといいます。

サンウォン氏はまず、モバイルゲームが単純化しており、多様性を求めるのがとても困難になっていると指摘。そして、単純化しているがゆえに開発チームの重要度が減少。広報チームに重点が置かれ、似たり寄ったりなゲームをIPや宣伝で売り出していくような状況になっており、ゲームが「工業製品」になってしまっていると述べます。

このような状況が続くのか、それとも変化の余地があるのか。サンウォン氏は自身が以前専攻していたという生物学の観点から語ります。人気のあるコンテンツを繰り返し作るような「無性生殖」は、確かに簡単かも知れないが、それはあくまで単純なものに対して行われるものであり、新しい物は生まれない。一方「有性生殖」の場合は、投入されるコストは増えるものの、異なる遺伝子が混ざることで思いもよらない事が起こると、ゲーム開発を「無性生殖と有性生殖」に例え説明しました。

また、環境に適応したものが勝ち残るという意味の「適者生存」という言葉にはパラドックスがあると述べます。サンウォン氏は、環境に適応していたが、外部からの介入によって起こった環境変化に絶えられず絶滅してしまった恐竜や、オーストラリアで3億羽にまで増えたウサギなど、様々な例を出しながら、何かに特化したゲームを作り続けても、それがなくなった時にそこで終わってしまうと語りました。

◆オンラインゲームでの成功が裏目に



ネクソンコリア副社長ジョン・サンウォン氏

環境の変化に適応できなかった例として、サンウォン氏は韓国のゲーム業界を挙げました。韓国では海賊版問題でパッケージゲームのマーケットに適応できなかった。その代わりにコピーができないオンラインゲームが発展してきました。しかし、そのオンラインゲームでの成功は裏目に出てしまった、とサンウォン氏は語ります。発展しているオンラインゲームに注力するあまり、新たなマーケットであるモバイルゲームへの参入に躊躇してしまったのです。今を思えばそれは反省する点であり、常に世の中にアンテナを張り続けなければならないと述べました。

このような状況の中、開発者が行わなければならないことは、今回のNDCのテーマでもある「多様性」を模索し、いくつかの案を出してトライアルをしていくことだと語ります。トライアルを行うにあたっては、考えを拡張し、自分が理解できないようなことでもチャレンジしていくことが大切だと述べます。

最後に「ゲームビジネスは、思わぬところで新たな成功を見つけることができ、楽しいサプライズを得られる」とサンウォン氏は語りました。そして、「市場に出ていないものでも、ユーザーの興味を引くものを探求していくことが答えなのではないでしょうか。開発者は勇気を持って、今臨んでいる仕事が正しいものであると確信を持ち、励んでほしい」と激励の言葉を述べ、基調講演を締めくくりました。

協力:Nexon
《末永 拓也》

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